MAツールの選び方を徹底解説!導入目的・課題から選ぼう
MAツール(マーケティングオートメーション)は新規顧客の獲得や購買意欲の育成といったマーケティング活動を支援するツールです。マーケティング・営業活動を効率化ができる一方、市場には多くのMAツールがあり、どれを選べばよいかわからないという方も多いのではないでしょうか。また、MAツールを導入した後でも、「多機能すぎて使いこなせない」といった声も聞かれます。
MAツールを選ぶポイントで一番大切なのは、自社に合っているかどうかです。本記事ではMAツールの導入を考えているマーケティング・営業担当者のために、自社に合ったMAツールの選び方について解説していきます。
MAツール(マーケティングオートメーション)とは?
MAツール(マーケティングオートメーション)とは、「商談までのマーケティング活動を支援するツール」のことです。
マーケティング活動の役目はMQL(Marketing Qualified Lead マーケティング活動によって抽出されたリード)を作ることです。
そのために、マーケティング部門は広告やコンテンツマーケティングを用いたリードジェネレーション、メール配信やセミナー開催などのリードナーチャリング、行動解析を通したリードクオリフィケーションなどを行います。例えば、MAツールの優先リード通知機能を使えば「昨日セミナーに参加し、Webで製品事例を今閲覧している」というような見込み顧客を検知して、営業担当者が即アプローチできるようになります。これらのマーケティング活動を支援するのがMAツールなのです。
MAツールの機能の一部をご紹介します。
- ・Webアクセス解析
- ・メール配信・効果検証分析
- ・セミナーページや申込フォーム作成
- ・優先リード通知
MAツールについては、こちらで詳しくまとめています。
まずは自社の課題、MAツール(マーケティングオートメーション)の導入目的をはっきりさせよう
数多くあるMAツールを選ぶ前に、自社の課題と導入目的を整理しましょう。MAツールと一括りにしていますが、その中にはtoBビジネス向けで会社別にリード情報を管理できるツール、toCビジネス向けでSNSと連携し数百万リードの情報を管理できるツールなど、使われる目的や機能が大きく違うものが含まれています。
例えば、toB向けのMAツールをtoCビジネスをしている企業が導入しても意味が無いのです。まずは自社の課題を整理し、導入目的を考えてみましょう。
- 【導入目的例】
- ・営業へ渡す優先リードの質を高めたい
- ・展示会後のフォローアップをしたい
- ・すぐに案件化しない見込み顧客をフォローし続けたい
MAツール(マーケティングオートメーション)の選び方
自社の課題や目的を整理したら、それに合うMAツールを選びましょう。ここでは、自社に最適なMAツールを選ぶポイントを詳しく解説していきます。
BtoB向けかBtoC向けか
MAツールを選定する上で一番最初に確認しておきたいポイントは、BtoB向けかBtoC向けかという点です。まずはBtoBとBtoCの違いについて理解しておきましょう。大きな相違点は顧客が企業(toB)か個人(toC)かです。
企業を相手にするtoBビジネスでは、導入を検討するときは投資対効果を求められるケースが多くなります。導入すると「○%売上が上がる」「△△業務が削減できる」などを上長や別部署の担当者などに説明、承認を経なければ購入できません。
そのため、購入までに数ヶ月~数年程度かかることもあり、複数の担当者や上長(決裁者)へのマーケティング活動や商談が必要な場合もあります。最初の接触から導入にいたる長い間、各会社ごとにどのようなアプローチをしたかを詳細に管理しなくてはならないのです。
一方、一般的なtoCビジネスでは、個人の趣向で購入が決定されます。一瞬から数日程度で購入することも多く、決裁者は個人です。高額商品を除いて何度も商談することはありません。toBと比べるとターゲットの数が多く、触れるメディアが多様化しているため、メールだけでなくSNSやWeb広告など幅広いメディアでの宣伝活動が必要です。
toCビジネスでは一人あたりのフォローは短期間ですが、多数の個人を相手にするため膨大な顧客データの管理が求められます。
以上のことを踏まえてtoB・toC向けMAツールの違いを説明すると、toB向けなら会社情報と個人情報をセットでアプローチ方法まで管理できるツール、toC向けなら多くのリード情報を管理し広告やSNSとも連携できるものが必要です。toB、toCどちらかに特化したMAツール、もしくは両方に対応できるツールがありますので、まず最初に確認しておきましょう。
既存のシステムと連携できるか
SFA、CRM、名刺管理システムなどの既存システムと連携できるか、あるいはCSVでデータが移行可能かなどを確認しておきましょう。シームレスに連携できるか、データ移行にかかる工数はどれくらいかなど、システム担当者へのヒアリングが必要です。
MAツール導入で既存システムの契約を解除するのであれば、解除後の顧客データの取扱いについても確認しておきましょう。
課題を解決できる機能が搭載されているか
MAツールを選ぶにあたり、一番重要なのは「MAツールの導入で、自社の課題が解決できるか」です。なぜなら、「導入目的に合ったツールを選定できていない」ことがよくある失敗原因だからです。
ここでは、導入目的例とツールの選び方の例を挙げていきます。
- ・営業へ渡す優先リードの質を高めたい
- →企業・個人情報と連携したホットリードの通知機能が搭載されているツールを選定
- ・展示会後のフォローアップをしたい
- →名刺情報の管理~お礼メール、スコアリングまで一括で管理できるツールがおすすめ
- ・すぐに案件化しない見込み顧客をフォローし続けたい
- →メール配信、セミナー、リターゲティング広告など、自社に合ったリードナーチャリングに特化したMAツールをチョイス
どの会社から出ているMAツールも、優れた機能を持っています。しかし、自社と合わなければ宝の持ち腐れとなってしまいます。MAツールの導入に失敗しないためには「MAツールを使って自社の課題をどう解決するか?」まで考えて選定しましょう。
自社の規模・予算に合っているか
多機能で高額なツールを導入しても、リードの数が少なかったり、担当者がいなかったりしたら使いこなせません。特にハウスリストが少ない企業では、高度なシナリオやスコアリングは不要です。
例えば、以下のシナリオをを想定してみましょう。
上記のシナリオで、「資料ダウンロードを完了した人に、アポ打診メールが自動配信される」設定をしたとします。
この例で1,000人にメール配信したとして、開封したのが20%(200人)、サイト流入が20%(40人)、導入事例ページを見たのが10%(4人)とすると、、製品資料をダウンロードしたのが0人ということもあり得ます。複雑な設定をしすぎてリードがいなくなるくらいなら、導入事例ページを見ている4人にアプローチをすべきですよね。
高度なスコアリングやシナリオでリードを逃しているかもしれません。ハイスペックなMAツールに踊らされず、自社の規模や予算にあったものを導入しましょう。
導入後のサポート体制
機能と併せて確認しておきたいのが、サポート体制です。社内の体制を考えた結果、まだあまりWebマーケティングの知識や経験がない人が担当となる場合は特に重要になるでしょう。
ツールを導入した後も、定期的なサポートや、問題があった場合に即時対応してもらえるかなど、トラブルがあったときにサポートしてもらえる窓口の有無なども確認しておきましょう。
MAツール(マーケティングオートメーション)導入の注意点
ここまでMAツール選定のポイントについてお伝えしてきましたが、MAツールの導入に失敗しないための注意点も確認しておきましょう。
保有リード数やWebコンテンツ数
マーケティングオートメーションの運用には、ある程度の保有リード数や自社のWebコンテンツ数が必要です。Webサイトのコンテンツが少ないと、マーケティングオートメーションを導入しても、十分なデータがとれず優先リードが判断できません。
保有リードや自社のコンテンツが少ない段階では、高機能なマーケティングオートメーションの導入は見送り、高度なシナリオ設定やスコアリングが不要なツールを導入するのがいいでしょう。
人的リソースの確保
マーケティングオートメーションを効果的に活用するには、見込み顧客ごとのフェーズに合ったプロセスを細かく設定するシナリオ設計や、コンテンツ作成などを行う人的リソースが必要です。
導入の際には、こういった人材の確保なども考慮し、進めていく必要があります。
多機能なツール
多機能なMAツールはたくさんありますが、多機能すぎるゆえに導入しても使いこなせなくては意味がありません。まずは自社の課題解決につながる必要最低限の機能があるツールを選び、スモールスタートしてみることがいいでしょう。
BtoB向け主要MAツール(マーケティングオートメーション)を比較
BtoB向けMAツールの導入を検討している方に向けて、その中でも市場シェアが高いものをピックアップし、一覧にまとめました。
MAツール名 | 月額費用 | 特長 |
---|---|---|
List Finder | 39,800円 | BtoBに特化した国産MAツール。シンプルで使いやすく、最初のMAツールにぴったり。 |
Pardot | 150,000円~ | SalesForceとシームレスに連携できる。 |
BowNow | 無料~ (リード数、PV数、機能など制限あり) | 導入支援実績から導き出された「ABMテンプレート機能」が便利。 |
Marketo Engage | 問い合わせ | AIによる学習・予測機能を搭載。大企業向け。 |
Hubspot Marketing hub | 無料~ (機能制限あり) | 検索上位を目指すためのSEO施策を支援する機能も搭載されている。 |
こちらの記事では、人気MAツール11選を、予算・企業規模別で徹底比較しています。ぜひご参考にしてみてください。
MAツール(マーケティングオートメーション)の導入で、マーケティング活動を効率化しよう
MAツール(マーケティングオートメーション)を選ぶときは自社に合うかどうかが一番重要です。まずは自社の課題やMAツール導入の目的を明確にし、必要な機能を選定していきましょう。
難しいイメージがあるMAツールですが、使いこなせばマーケティングや営業活動の強い味方になります。MAツールでマーケティング活動を改善し、ホットリードの獲得を目指してください。