Withコロナ時代、BtoBでリードを集めるためにできること(3)

新型コロナウィルスが猛威を振るう中、「ニューノーマル」という言葉が生まれたように、"以前の日常に戻る"のではなく、感染防止を意識しながら新しい生活様式やビジネスの環境を作っていかなければならないという情勢になっています。ここでは、Withコロナ時代に商談を生み出し続けるために取り組むべきことについて、3回に分けて解説していきます。
第1回目の記事「Withコロナ時代、BtoBでリードを集めるためにできること(1)」では、BtoB企業の課題を整理しました。
第2回目の記事「Withコロナ時代、BtoBでリードを集めるためにできること(2)」では、【集客】【育成】の課題について、解決のための打ち手をご紹介しました。
第3回目の今回は、残る一つの課題【インフラ整備】について、解決のための打ち手をご紹介します。
【インフラ整備】の課題を解決するための打ち手
◆セールステック系ツールの整備
第1回目の記事で展示会の中止が相次いでいる件について触れました。そのため社内のマーケティングや営業活動の予算組みを再考している企業も多いのではないでしょうか。
是非この機会に予算の使い道の一つとして、オンラインで育成する施策に加え、営業活動の業務ツールを見直し生産性を上げるチャレンジもお勧めです。
特に生産活動に関わる営業活動データや提案資料などコンテンツを元に検証し、業務プロセスを効率化していく「セールスイネーブルメント」の概念も押さえてておきたいところです。
以前、これらのお勧めツールをまとめた記事も公開していますので、良ければご参考にしてみてください。
営業現場では、これまでのように積極的な営業パーソンの活動量に担保された新規顧客開拓が、テレワークの都合上難しくなっています。
そのため、昨今では既存顧客への営業活動の精度を上げること、各営業の動きをデータで見える化させ、売上予測や案件管理を緻密に行うニーズからか、SFAやCRMツールの導入企業も増えてきました。
また、効率的に自社製品にターゲティングされた企業リストが抽出できるサービスもあり、導入することで、人力で調べていた労力も大幅に緩和されます。
これらデジタルの力を総称した「セールステック系ツール」を活用して生まれた時間で新しい販売方法や売り方を見直しチャンスに変えたいですね。
セールステック系ツールの例
- ・Sales Doc
- ・Senses
- ・FORCAS
◆名刺データの整備
一度コンタクトを取ってから複数回の商談を重ねるBtoBでは過去に接点を持った名刺データは会社の"眠った財産"です。とりわけ労力とコストをかけて集めた展示会やセミナーでの獲得名刺などは是非この機会に営業できる機会にしたいですね。
そのために必須となるのが名刺データの整備。
これまでご紹介したMAツールやメールマーケティングを実施するには、名刺データをクラウド上にアップロードする必要があります。
- <必要最低限の名刺整備>
-
- 「氏名」
- 「メールアドレス」
- 「会社名」
- 「所属部署」
- 「役職」
これらは最低限、Excelやスプレッドシートに纏めておくことをお勧めします。
<応用に向けた名刺整備>
キャンペーン名(例:「〇〇展示会2019」「〇▲Expo」)に加え、製品/サービス名など属性情報を追加しておくと、効率的なアップセルやクロスセル活動にも繋げやすくなります。今ではウェビナーやイベント毎で育成メールを送ることもあるため、お勧めです。
すでにSFAやCRMツールを導入されている企業においては、定期的なデータのクレンジング(デッドリストの断捨離・データ更新など)もデータの整備と言えるでしょう。
◆営業推進/マーケティング担当者の新設
インフラという意味ではツールの導入だけではなく、「"ヒト"=組織」を整理することもがポイントになります。
特に営業パーソンが純粋に営業活動に集中するためには、支援する役割を明確に定めることが大切です。そのため、推進できる部署やマーケティング担当者を新設することを検討してみてはいかがでしょうか。
今回、ご紹介しているメールマーケティングの運用然り、様々なツール導入の検討や施策の実施まで自社の製品/サービスをより市場に届けるために専門的な役割を担う部署があることで組織内の営業活動がスムーズに進みます。
上段でご紹介した「セールステック系ツール」を使用することで業務がある程度ラクになった際は、生まれた時間で営業推進の取り組みに着手できる人を考えてみる良いきっかけにもなりそうですね。
- <向いている人>
-
- ・数値の分析が得意
- ・情報感度が高い
- ・市場の動きに敏感
これらの要素を仕事に生かせる方ではないでしょうか。
また、一般的なイメージは一部華やかですが、実際には成果が出るまで根気強く検証する必要があるため、相応の胆力やマインドセットも大切です。
もし、営業パーソンの中でそうした思考がある方は製品/サービスのことも理解しているため、適任かもしれません。
◆分業体制の構築
営業推進・マーケティング業務の担当者を設けることができたら、最後は分業体制を意識することです。
特にマーケティング部と営業部の連携は売上に直結する活動の要のため、風通しを良くしておく必要があります。
そのため、新任のマーケティング部の担当者は以下をポイントにしてみてください。
- ①営業現場に同行し、お客様の要望・サービスの感触を現場から理解
- ②過去の受注/失注理由を分析し、サービスの見せかたを見直し
- ③営業が求めるリード(企業属性・担当者の志向性・取引状況・ニーズ発生源)を確認
- ④導入事例を増やし、営業が提案しやすい材料が何かを把握
これらを通じ営業推進/マーケティング部と営業部の役割分担を明確にしておきましょう。そこからお互いが協力し合い連携が取りやすい環境が土台になりましたら、Withコロナの変化を求められるBtoBにおいても競争力の高い施策を実行できるようになるでしょう。
さいごに
ここまで、3回に分けて「集客」「育成」「インフラ整備」の切り口で現状の課題を解決するための打ち手をご紹介してきました。
皆さまのWithコロナの営業/マーケティング活動のご参考になれば幸いです。