ユーザーエクスペリエンス(UX)とは?最適化するための「共感」3ステップ

Webサイトの運用やWebマーケティングの考え方が普及している現在、マーケターの方がUX(ユーザーエクスペリエンス)という言葉を聞かない日はないことでしょう。しかし、「UX」とは何なのか、理解できているでしょうか?
今回は、マーケターの方に向けてユーザーエクスペリエンス(UX)を徹底解説します。
UXと一緒に語られることの多い「UI」との違いや、UXにおいて重視されるユーザへの「共感」について、さらにUXを向上させるための考え方について知りましょう。
「ユーザーエクスペリエンス(UX)」とは?
ユーザーエクスペリエンス(User eXperience)とは、「ユーザーが、ひとつの製品・サービスを通じて得られる体験」を意味しています。このユーザーの体験を改善することで、利用者にとって製品・サービスを向上させることを目的としています。
ユーザーエクスペリエンス(UX)が普及した背景
日本の市場の変化やテクノロジーの変化などによって、人々のモチベーションは変化しています。それに伴いマーケティング活動が変化していく中で、ユーザーエクスペリエンス(UX)の重要性は高まっているのです。
いままで、マーケティング活動は「いいモノ」を作れば売れる時代、「ニーズ」のある人を見つけてアプローチできれば売れる時代を経て、「顧客にとっての『価値』を提供する」ことでようやく売れる時代へと変わってきています。
日本の社会は豊かで、モノでも情報でも、何でも手に入れることができます。また、技術の進歩によって製品の機能や特徴では、他社製品・サービスと差別化ができなくなってきました。さらに、インターネットの普及により、人々は情報を能動的に取得・発信することができるようになっています。
このように、情報が何でも手に入る上に差別化の要因が少ない今、人々は「使いやすい」「わかりやすい」といった「体験」を重視するようになってきているのです。
UXとUI、何が違うの?
UIはユーザーインターフェース(User Interface)の略で、Interfaceは「接点」を意味します。ユーザーエクスペリエンス(UX)がユーザの体験そのものを指すのとは異なり、ユーザーインターフェース(UI)はユーザーと製品・サービスの接点つまり、「ユーザーに見えて触れるすべての場所」を指しています。
例えばWebサイトであれば、画面のデザインや、ボタン、遷移テキストなどがUIにあたります。

この図のように「UI」は「UX」を向上させるための一要素なのです。
UX活用例:Google
さて、ここまでUXについて説明を行ってきましたが、なかなか理解しにくい概念であるかと思います。そこで、みなさんご存じGoogleを例にUXを考えてみましょう。
例えばGoogle検索で「マーケティングとは?」と検索したときには以下のようなボックスが表示されるようになりました。
これはGoogleの強調スニペットと呼ばれる新しい機能なのですが、このアンサーボックスが表示されることで、「すぐに欲しかった情報が手に入るようになった」と思いませんか?
このような、「知りたかったことがすぐわかった」のような快適な体験を追求することがUX向上のための改善なのです。
UX向上を目指す際におさえておきたいポイント
では実際にUXの向上を目指す!となった際にはどのようなポイントを意識すればよいのでしょうか?
UXを向上させるためには「共感」することが非常に重要です。製品・サービスを提供する側では、製品・サービスの「価値」を自分たちの視点から勝手に決めてしまいがちです。
しかしそれでは、ユーザーの状況や本当のニーズを理解できないままです。実際に利用してくれるユーザーへの共感がないと、価値を感じてもらうことはできません。そうならないための「伝わる」仕組みを考えることが、UXでは重要になります。
たとえば、ユーザーはどんな人なのか、わたしたちが提供する製品・サービスを使ってユーザーが何をしたいのか、何を必要としているか、そして体験を通してどのような気持ちを抱いているのか。ユーザーに共感するための手法を次章で学びましょう。
共感を生み出す3つのステップ
STEP1:ユーザーはどんな人?
まず最初に、製品・サービスを利用してくれるユーザーがどのような人なのかを考えましょう。いわゆる「ペルソナ」を設定します。ペルソナを詳しく設定することで、その「人」の体験を考えることができるようになり、目的を持ったUX改善ができるようになります。
ペルソナについて詳しく知りたい方はこちら:
Webコンテンツを考える前にまずペルソナを考える
STEP2:ユーザーの体験の全体像を掴む
つぎに、ユーザーが自社の製品・サービスを利用するにあたって、まだ認知していない段階からどのような体験をしているのかを明らかにしてみましょう。
ここで使用するのが、カスタマージャーニーマップです。これはユーザーが製品・サービスに関わる体験すべてを可視化するツールです。マップを作成することで、ユーザーがどのようにサービスに接し、体験をしているのかを理解することができます。
作成時に注意すべきことは、2点あります。
- ①マップ作成の目的を定めること
- ユーザの体験から問題点を見つけることがゴールなのか、理想の体験を設計することがゴールなのか、どのような目的を設定するのかをまずは決める必要があります。
- ②「すべての体験」を可視化すること
- 製品・サービスが利用されている期間だけでなく、利用前、利用中、利用後、一連の流れのマップを作成することで他にどのようなサービスに接しているのかなどを考慮できるようになります。
カスタマージャーニーマップの作り方について詳しく知りたい方は、こちら:
カスタマージャーニーマップから、効果的なコンテンツ作成のヒントを得る
STEP3:ユーザーはどのように感じているのだろう?
さいごに、あなた自身がユーザーの視点に立って、製品・サービスを体感してみましょう。
ここで使用するのが、ヒューリスティックマークアップという手法です。ヒューリスティックマークアップとは、「ユーザーになりきって、製品・サービスを利用したときに感じたことや発見したことを全て記録し、改善点を把握する」方法で、特にWebのサービスの改善で活用しやすい手法です。
手順は簡単で、これから改善すべきフローを決め、その流れの中で行ったこと、感じたことをすべて記録していきます。それを資料にまとめるだけです。この資料を作成することで、実際にユーザーが感じていることを知ることができます。
さいごに
いかがでしたか?今回は、「ユーザーエクスペリエンス(UX)」についてご紹介しました。良いモノであるだけでは売ることができない時代、気持ちのいい「体験を売る」という意識は非常に重要です。
ユーザーの体験していることを知り、ユーザーが感じていることに共感することで、より良い製品・サービスを提供していくことができます。BtoBマーケターのみなさん、今回の3ステップで、「ユーザー」のことを考えてみませんか?
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