企画力とは?高めるための方法やインプット・アウトプットの方法を解説

企画力とは、隠れた課題を見つけ出し解決方法の内容や実行までの道筋を立案する力のことです。企画力を磨くためには、日々の生活や仕事中のインプット・アウトプットの「質」と「量」が大切です。
マーケティングの仕事をしていると、「なにかいい企画はないか?」や「このアイデアを企画としてまとめてくれ」など、「企画」という言葉にふれる場面は多くあります。しかし初めて聞いた人は「いきなり企画なんて言われても・・・。」と考え込んでしまうことも多いのではないでしょうか。
実は、企画力はマーケティング業務において非常に重要な能力なのです。では、どうすれば身につけられるのか?この記事ではそもそもの「企画」の意味から、良い企画を生み出すために押さえるべきポイントについてご紹介します。
「企画する」って、どんな意味?
みなさんは、何気なく先輩社員が使っている「企画(する)」の意味、正しく理解できていますか?まずはその意味から考えていきましょう。
企画=斬新なアイデア、ではない?
企画と聞くと、ゼロからなにかを生み出す斬新なアイデアと思う人もいるかも知れませんが、それは企画ではなくただのアイデアです。
企画とは、「なにかを実行するために、その目的や内容、実行までの道筋を示したもの」と考えれば良いでしょう。
企画とは、現状の課題を解決するために人を動かすもの
なにかを実行したいと思った裏側には、おそらくそう思った背景があるはずです。現状に何かしらかの課題や不満があり、それを解決するためのものが企画なのです。
ただし、その解決手段が自分ひとりで実行できるのであれば、わざわざ企画を作る必要はありません。自分一人では解決できず、誰かを巻き込む必要がある際に「企画」となります。人を動かすには、それなりの根拠やその企画を実行したあとの姿、実現までの方向性・道筋などが必要になってきます。
「良い企画を生み出す力」=「企画力」とは?
企画とはどういうものかがわかっても、いきなり良い企画を作るのは難しいかもしれません。
多くの人を動かすような、魅力的な企画を作るには、それを生み出す力=「企画力」が重要になります。それではこの「企画力」とはいったいどのような力なのか、整理していきましょう。
現状に対する課題や不満は、いたるところにある
先ほど、「企画は現状の課題を解決するために作るもの」と説明しましたが、現状、特に不満や課題など感じていないから企画を作れないと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もしかしたら、世の中の不便や課題に対して「こういうものだ」と思い込み、我慢してしまっている可能性もあります。現状に対する課題や不満は、そのすべてが顕在化しているわけではありません。その多くは、無意識のうちにその不自由を受け入れてしまっているのです。
例えばSONYのウォークマンを例に考えてみましょう。それまで、「音楽は持ち歩くものではない」という認識が一般的でした。しかし、潜在的な不満として、「どこでも自由に音楽を楽しみたい」という不満があったからこそ、ウォークマンがここまでヒットしたのでしょう。
「〇〇なんだから仕方がない」「〇〇して当然」そんな言葉の裏に、課題や不満は隠れていることが多くあるのです。
「企画力」とは、隠れた課題を見つけだす力
こういった隠れた不満や課題を見つけ出すことができれば、それに対する解決策を模索し、導き出すこともできるはずです。その導き出された解決策が、「企画」になるのです。つまり「企画力」とは、日常に潜んでいる「当たり前」の裏に隠されている課題をいかに見つけ出すことができるか、ということであるといっても過言ではありません。
「企画力」を磨くには?
それでは、この「企画力」、どのようにして磨いていけばよいのでしょうか。
1.インプットの「質」と「量」
まず重要なのは、インプット(情報収集)の量と質です。多くの人と触れ合ったり、読書をして知識を吸収したりすることで、自分がこれまで経験したことのない新たな刺激を多く受けられます。
その中には、一見当たり前のこととして浸透していますが、改善できることがたくさんあるはずです。そのようなところに、企画の種が眠っていることが多いのです。
また、過去に作られた企画を確認しなおすことも重要です。過去の情報は、自分が企画をする上での参考事例になり、新たな企画を考える手助けになるでしょう。
マーケティングの場面で考えると、ユーザー調査とその分析をはじめ、営業担当が直接顧客や販売元などから収集したニーズ、競合商品の調査、過去に発売した商品のレビューや口コミなどが、企画を考える上での良いインプットになります。ユーザーのニーズを深堀りする際は、「定量」「定性」の両面から調査することが重要ですが、それぞれ適した調査手法は異なります。
定量的な調査に有効な手法としては、「アンケート調査」が挙げられます。数値から状況を客観的に判断できるため、企画の根拠を明らかにすることができます。また、選択肢式の設問を用意することで、ざっくりとした課題の方向性を把握することも可能になります。
定性的な調査には、「ユーザーへの訪問」や「グループインタビュー」などが適しています。ユーザーが自由に発言する生の声から、定量調査だけではつかみにくい温度感や細かな不満などが浮き彫りになり、具体的な課題の把握、整理に役立てることができるでしょう。
2.アウトプットの「質」「量」
ただ知識を得るだけでは、収集した情報を活用しきることは難しいでしょう。インプットするだけではなく、実際に何度も企画をして経験を積み、応用力を高めることも重要です。そのために、普段から細かくアウトプットする習慣をつけることが効果的です。
例えば、身の回りのアクシデントについて、なぜその事象が起きたのかを深掘り、その原因や再発防止策を自分なりに考えてメモしたり、街中で見かけるキャッチコピーに心ひかれた理由を考えてみたり、といったことを繰り返すことで、収集した情報を自分の中で整理して、誰かにわかりやすく伝えるための訓練になります。
また、身の回りにあるものを分析する習慣をつけることで、企画のまとめ方や人に伝えられるために必要な視点などが身につくことにもつながるでしょう。
収集した情報をアウトプットする際には、正しく分類して整理することが重要です。そのためには、全体を漏れなく分類する「MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)」という考え方を意識して整理するとよいでしょう。
また、整理した情報を分析する際には、マーケティングでよく使われるフレームワークを活用することで、スムーズに分析することができます。
- ・3C:Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)、(+Channel(チャネル))
- ・4C:Customer value(顧客価値)、Customer cost(顧客コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)
- ・4P:Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)
- ・SWOT分析:強み(Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats)
まとめ
いかがでしたか?企画とは、斬新なイディアを出すことではなく、現状の課題を解決するために作るものであるとご紹介しました。本記事を参考にしていただき、ぜひみなさんも企画力を磨くためにインプットとアウトプットを意識して行ってみてはいかがでしょうか。
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