営業企画書はただ完成させるだけでは意味がありません。思いついたアイデアや、やりたいことを実現するためには、相手を納得させる企画書を書かなければいけませんよね。「企画書を出してください。」と言われて、パソコンの前で固まってしまう方も多いことでしょう。

でも安心して下さい。何を書くべきか、そして実際に書くときのポイントを押さえてしまえば、企画書を作成するのは難しいことではありません。今回は、営業企画書に書くべき5つの要素と、相手を「納得させる」企画書を書くための簡単な方法をお伝えします。

また企画書同様、お客様への営業資料も内容に詰まってしまう場面があるものではないでしょうか?こちらの資料では顧客の興味を惹きつける営業資料のつくり方を説明しておりますので、ぜひ併せてご覧ください。

▼この記事でわかること
  • ・企画書と提案書の違い
  • ・営業企画書に書くべき5つの基本要素
  • ・読み手を納得させる企画書に仕上げる3つの工夫

営業企画書とは?

営業企画書とは、営業活動を計画的に推進し、売上や顧客獲得につなげるための企画をまとめた文書です。新規プロジェクトの立ち上げやキャンペーンの実施において、営業部門がどのように動くかを具体的に示す設計図の役割を果たします。

営業企画書と提案書の違い

よく企画書と混同されるのが提案書です。この違いを先におさえておきましょう。提案書は、お客様の課題を整理し解決策を示すための文書を意味し、方向性や、おおまかな費用やスケジュールをまとめたものです。

これに対して企画書は、実務レベルまでプロセス・スケジュールなどを落とし込み、費用対効果まで算出し、書いていきます。

・提案書
顧客の課題を整理し、解決策を提示するための文書。方向性やおおまかな費用・スケジュールを示す。
・営業企画書
自社の営業活動を成功させるために、施策内容・スケジュール・収支計画・KPIまで具体的に落とし込む。

つまり、提案書は「顧客向け」、営業企画書は「社内向け(営業活動を計画するための実務書)」という違いがあります。

ビジネスにおける企画書の必要性

企画のアイデアは、単に思いついただけでは実現することができません。他の人に伝わり、検討され、最終的には賛同を得ることが求められます。さらに、企画にかかるコストや見込まれる収益など、実現性を示すことも求められるのです。

なので「企画書」が企画実現の鍵であり、誰にでもわかりやすい文書の形でまとめることが重要です。

営業企画書を書くために整理すべき5つのポイント

次は実際に企画書に書くべき内容についてご紹介します。企画書には、事業を一から立ち上げる場合、提案するサービス・製品が決まっている場合、ターゲットが決まっている場合の3種類がありますが、今回は提案するサービス・提案が決まっている場合を切り取って考えていきましょう。

企画書に書くべき5つの要素

1.現状を整理する(現状分析)

現状分析は、「企画アイデアを実際に行う必要があること」を裏付けをするために行います。現状の問題点と、市場の動向といった外部環境、社内のリソースといった内部環境などの因果関係を整理して示す必要があります。

  • ・外部環境:市場規模・成長性、競合のシェアや戦略、顧客の購買行動の変化
  • ・内部環境:営業体制・リソース、既存顧客の状況、過去の営業施策の成果

2.目的とゴールを明確にする(企画の全体像)

現状分析によって浮かび上がった問題点の中から、解決すべき課題を選び出し、どのように改善していき、どのような状態を目指すのかを示します。企画の目的とゴールを明らかにしておくことで、具体的にどのように企画を実施すべきなのかを考えることができるようになりますね。

  • ・定量目標:売上〇%増加、新規顧客〇件獲得、商談化率〇%改善など
  • ・定性目標:ブランド認知向上、既存顧客の満足度向上など

3.具体的な施策内容を整理する

企画の目的を踏まえて、どのターゲットにどのようなサービス・製品を訴求するのか、そして実際にどのような方法で実施するのかを整理します。ここでは「誰に」「何を」「どうやって」を明確にし、具体的なアクションプランに落とし込むことが重要です。

  • ・ターゲットセグメント:既存顧客/新規リード/特定業界など
  • ・訴求メッセージ:顧客課題をどう解決するのか、どのような価値を提供するのか
  • ・実施方法:使用するツール、メディア露出、イベント出展、オンライン施策など

4.実行計画を整理する(スケジュール)

企画が立ち上がってからどのくらいの期間をかけて実施するのか、スケジュールを示します。社内の環境や、イベント、トラブル等の仮説も含めてスケジュールを作成する必要があります。

  • ・フェーズ分け(準備 → 実施 → フォロー → 振り返り)
  • ・マイルストーン(展示会、キャンペーン開始日、四半期レビューなど)

5.収支と成果指標を整理する(収支計画)

企画を立ち上げるためにどの程度の投資が必要なのか、回収はどの部分でいつできるのかを明記します。

  • ・投資(人件費・広告費・システム導入費など)
  • ・収益(売上、クロスセル・アップセルの増加)
  • ・投資回収期間(ROIシミュレーション)
  • ・KPI設計(商談数、成約率、顧客獲得単価、LTVなどを設定し、収支計画の裏付けにする)

【実践フォーマット】営業企画書の構成案

企画書や営業企画書を作るときは「何から書けばいいのか」で迷いがちです。以下の構成案を参考にすれば、読み手に伝わりやすく、承認を得やすい企画書を作成できます。

1.表紙・タイトル

  • ・企画名
  • ・作成日・作成者名/部署名
  • ・一目で「何の企画書か」がわかるようにする

2.概要

  • ・企画の目的や背景を簡潔にまとめる
  • ・読み手が最初に全体像をつかめるようにする

3.現状分析

  • ・市場動向・競合状況
  • ・顧客ニーズ・課題
  • ・自社の強み・弱み(リソースや体制)

4.課題と目的

  • ・解決すべき課題を具体的に提示
  • ・この企画で何を実現したいのかを明確化

5.企画内容(施策案)

  • ・ターゲット(誰に)
  • ・提供価値(何を)
  • ・実施方法(どうやって)

営業企画書では「顧客セグメントごとの戦略」や「営業チャネル別の施策」を盛り込むと効果的です。

6.実行計画(スケジュール)

  • ・フェーズごとの進行スケジュール
  • ・営業活動やキャンペーン実施のロードマップ

7.収支計画・KPI

  • ・必要な投資額と予測収益
  • ・営業企画書の場合は「商談数」「受注率」「ROI」など具体的なKPIを設定

8.期待効果・リスク管理

  • ・企画がもたらす成果のイメージ
  • ・想定されるリスクと、その回避策

9.まとめ/次のアクション

  • ・承認後の進め方(関係部署・責任者の役割)
  • ・読み手に「次にどうすべきか」を明確に示す

企画の内容を整理する3つのフレームワーク

前述した内容からも分かる通り、企画書は「なんとなく思いついた」程度では書くことができません。思いついたアイデア段階の企画を「実施すべきもの」だと伝えるために、裏付けとなる根拠を元に論理的に整理することが必要です。
ここでは、企画書に書くべき事実を収集・整理するためのフレームワークを3つご紹介します。

3C/4C分析(用途:現状分析)

3C/4C分析は、企業や事業の現状を把握するための、基本的な分析方法です。3Cならば顧客・競合・自社を、4Cならば3Cに流通チャネルを加えた4つを書き出してみます。

  • ・顧客(Customer)
  • ・競合(Competitor)
  • ・自社(Company)
  • ・流通チャネル(Channel)

分析は、顧客>競合>自社>流通チャネルの順で、おこなっていきましょう。まずは、顧客のニーズ、規模、成長性などを書き出します。そして、その顧客に対しての競合のシェアや強み、弱みを書き出します。自社にも同様の分析を行いますが、競合との差別化を意識しすぎず、フラットな視点で分析することが重要です。最後に、流通チャネルの変化や新しいチャネルについて分析します。

SWOT分析(用途:現状分析・企画の全体像)

SWOT分析は、内部環境(自社、自身)と、外部環境(自社、自身を取り巻く環境)について、以下の4つの視点から分析するフレームワークです。

・強み(Strength)
...競合と比較して優位な点、社内の有益なリソースなど
・弱み(Weakness)
...競合と比較して見劣りする点、社内で不足しているリソースなど
・機会(Opportunity)
...自社の目標達成に関してチャンスとなる外部環境
・脅威(Threat)
...自社の目標達成に関して障害となるような外部環境

ここで注意すべきは、目的のもち方によって、どこが強みになるかなどが変わることです。そのため「企画における目的」を明確にしてから分析する必要があります。

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(用途:②企画の目的と全体像・③企画の具体的内容・④スケジュール・⑤収支計画)以下の質問に答えてみましょう。

・Why
「なぜこの企画を実施する必要があるのか
・What
「事業・サービス・製品は何か」
・Where
「どの市場に参入するのか」
・Whom
「どの顧客をターゲットとするのか」
・When
「いつ実施するのか」
・Who
「誰が実施するのか」
・How to
「どんな方法で実施するのか」
・How much
「いくら投資する・いくらの資金で実施し、収益はどの程度になるのか」

これらに応えられるようにすることで、企画を具体的に落とし込むために必要な情報を整理することができます。

読み手を「納得させる」営業企画書の書き方3つのポイント

何を書くべきか、実際にその情報を集めるための手段までをお伝えしてきました。あとは実際に企画書に書くことを残すのみです。
企画書を書く際に、大切なことは「納得させる」企画書を書くことです。必以下の手順を踏んで作成すると、相手に理解、納得してもらいやすい企画書になります。

1.相手が知りたい順番でストーリー立てて書く

営業企画書は「現状 → 課題 → 解決策 → 期待効果」という流れを意識して構成することで、読み手が自然に理解できるストーリーになります。相手がまず知りたいのは「なぜその企画が必要なのか」であり、その答えから始めることで承認を得やすくなります。

2.視覚的に理解しやすいレイアウトや図表を活用する

長文の説明だけでは内容が伝わりにくくなります。営業活動の流れをフローチャートで示したり、収支計画をグラフ化したりすることで、一目で理解できる企画書になります。読み手が資料を見た瞬間に「分かりやすい」と感じることが重要です。

3.数字やデータで裏付けを行い説得力を高める

感覚的な表現だけではなく、具体的な数値を用いて企画を裏付けましょう。たとえば「売上を1億円見込む」と書くのではなく、「商談数×平均単価×成約率=売上見込み」といった算出根拠を提示することが大切です。

外部データや過去実績を引用することで、信頼性の高い企画書に仕上がります。

さいごに

いかがでしたでしょうか?企画書は、

  • ①現状分析
  • ②企画の目的と全体像
  • ③企画の具体的内容
  • ④スケジュール
  • ⑤収支計画

という5つを、相手に「納得させる」ように書くことが重要です。

書くべき内容が整理されてから企画書を開くと、すらすら書けるようになるものです。パソコンの前で固まってしまっていたあなた。まずは、紙とペンを出して、先程のフレームワークを使って現状分析から始めてみてはいかがでしょうか?