伝わる提案書の構成6ステップを徹底解説!伝わらないパワポは卒業しよう
「さあ提案書を書こう!」と思っても、何から書き出せば良いのかわからない...という場面は誰でも経験するもの。ネット上にあるテンプレートを利用したことがある人も多いのではないでしょうか?しかし、提案書は、お客様に対して営業パーソンの意見やアイデアを理解してもらう、つまり「伝わる」ための重要な文書なのです。テンプレートに沿って書き進めるだけでは、なかなかお客様に響く提案書を書くことはできません。
今回は、伝わる提案書を書きたい方に、「構成」の6ステップをご紹介いたします。
提案書とは?
お客様へ伝えるための手段
ビジネスの場面において提案書が必要になるときはいつでしょうか?それは、お客様に対して営業パーソンがビジネス上の課題に対する解決策を提案する資料です。つまり提案書とは、お客様の抱える悩みや課題に対して解決策や取り組むべきことを具体的に記載し、その提案をお客様に判断してもらうための資料となります。
企画書との違いは何?
提案書と企画書は混同されがちです。しかし、まったく異なる意味をもつ言葉なので、先にこの違いをおさえておきましょう!
- 提案書
- 【 課題と解決策 】を【 主にお客様(社外) 】に【方向性と、ざっくりとしたコストを示す】ように書く。
- 企画書
- 【 アイディアややりたいこと 】を【 主に上司(社内) 】に【実務レベルに、細かく費用対効果まで示す】ように書く。
提案書はお客様の課題を整理し解決策を示すための文書であり、企画書はアイデアややりたいことを社内で認めてもらうための文書、と覚えてくださいね。
「伝わる」提案書
伝わることの重要性
そもそも「伝わる」とはどういうことでしょうか?「伝える」という言葉が、あなたから相手へ一方向を指すのに対して、「伝わる」という言葉は双方向の理解を意味しています。あなたの意見を伝え、相手に理解してもらうことが、営業パーソンの目標である受注につながるのです。
伝わる提案書のポイントは「構成」と「デザイン」
意見が伝わる提案書にするためには、2つの方法があります。それが「構成」と「デザイン」です。
この2つの中でも「構成」は、非常に頭を使う行為です。ですが、構成の崩れた提案書では相手になにが言いたいのか伝わらず、結局どのように課題が解決するのかわからないままとなってしまい、商談が進まなくなるため、非常に重要と考えられます。慣れるまでは大変ですが、次の6ステップでしっかりマスターしていきましょう!
お客様に伝わる構成6ステップ!
まず提案書の構成を作成する際に意識しておきたいポイントを押さえておきましょう。
- ・お客様の課題の把握
- ・提案内容の裏付け
- ・メリットの明確化
これらの項目を踏まえ、以下の6ステップで構成を作成していきます。
STEP1:お客様は何に困っているのか考えてみよう!
お客様が本当に困っていることは、お客様自身わかっていないことがあります。ヒアリングの内容を含めつつ、下記のポイントで分析し課題を見つけましょう!
・会社について知る
その会社はどんな会社なのでしょうか?以下のようなポイントを見てみましょう!
- ・設立年
- ・従業員数
- ・事業内容
- ・市場の状況
- ・強みと弱み
- ・予算感
- ・競合他社
詳しく分析したいときには、3C分析やSWOT分析といったフレームワークを使用します。
3C分析で自社が行うべき事業戦略を明確化するには?
【初心者向け】SWOT分析を解説!目的からやり方、活用のポイントまで
・想定される課題を見つける
会社情報と、ヒアリングの内容を踏まえて、課題を書き出してみましょう。例えば、ツールを導入しても運用できる担当者がいない、営業パーソンが少ない、予算をあまり持っていないなど多種多様な課題が考えられます。
お客様の課題を漏れなくダブリなく、把握・分析したいときには、ロジックツリーというフレームワークを利用してみましょう。
STEP2:課題はどうすれば解決できるのだろう?
STEP1で書き出した課題はどうすれば解決できるのでしょうか?何かツールを入れるべきなのか、人を増やすべきなのか、など多方面から考えてみましょう。
STEP3:自社サービス・製品はどうお客様の役に立つ?
ここで初めて、あなたの提案したいサービス・製品について考えます。そのサービス・製品の「価値」、お客様にとってのメリットは何でしょうか?また提案内容が現実的であるという提案内容の裏付けがあることで、お客様に信頼してもらうことが大切です。
- ・「どの」課題を解決できるサービス・製品でしょうか?
- ・サービス・製品を「どのように」使えば解決できるのでしょうか?
- ・お客様は「どのように」変わるのでしょうか?
- ・今回のお客様にとって、あなたの提案したいサービス・製品の強みはなんでしょうか?
特に、自社のサービス・製品を導入することで、どのくらい成果につながるかを考えられると良いでしょう。例えば、「リード獲得数○○件増加」「商談獲得○○%アップ」「○○%の工数削減」などです。お客様のパフォーマンスアップのために、これらを考えてみましょう!
STEP4:かかる時間とお金はどれくらい?
お客様の状況に合わせて、かかる時間と実際のスケジュール、費用を考えてみましょう。
例えば、自社のサービス・製品を採用・導入する場合に必要となる金額を明記します。お客様の予算感を踏まえたうえでお見積もりを提示することで、どのくらいの金額になるのかをイメージしやすくなります。
また、サービス・製品の導入前、導入直後、導入後の段階で、自社、お客様側でどういったアクションを取るべきかを記したチェックリスト・スケジュールなども共有しておくと、お客様の安心材料となり、導入を検討するポイントにもなります。
STEP5:気をつけてほしいポイントは?
そのサービス・製品を利用するにあたって、注意点があれば、書き出してみましょう。
- ▼サービス利用する際に確認しておくべきこと▼
- ・利用規約の確認
- ・サービスを利用する際のルール
- ・サービスの利用料金と支払方法
- ・自社サービス内のコンテンツ権利の帰属
- ・利用規約違反者に対するペナルティ
- ・損害賠償・免責に関する事項
- ・サービスの中止、プランの変更、契約解除に関する事項
STEP6:最後の仕上げ。順番に書いて、目次をつけよう!
STEP1~5で提案書に書くべき内容が出揃いました。あとは論理的に、お客様が欲しい順番で、並べてみましょう!
- (例)
- お客様の状況は○○なので
↓
このような課題があります。
↓
その課題に対して、自社のサービス・製品が
↓
お客様の[売上を上げるorコストを下げるorリスクを下げる]ことに役立ちます。
↓
費用は◯◯、スケジュールは◯月~◯月です。
↓
注意事項
目次は、「相手に提案の全体像を把握させることで提案の理解度を高める」という大切な役割を担っています。順番に並べることができたら、忘れずに目次を作りましょう。
「デザイン」はこうする!3ステップ
提案書のデザインで大切なことは、上記でも記述した通り「伝わるデザイン」にすることです。提案内容をわかりやすく伝えるためのデザインのポイントについて見ていきましょう。
STEP1:配色
提案書内で使用するカラーは、ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーの3色に抑えると見やすい資料となります。
ベースカラーは全体の70%を占める背景の色です。基本的には白を使用します。
次にメインカラーは製品のテーマカラーや企業カラーを使用し、強調させたい部分にアクセントカラーを使用してみましょう。
STEP2:レイアウト
まず1ページの内容は、1つのメッセージに絞っておきましょう。そうすることで伝えたいことがより明確になります。
また図表や文字の位置を揃えたり、余白を入れることで読みやすくなるでしょう。
さらに、左上から右下に向かって流れる視線を意識した配置にすることで、より視認性を高めることができます。
STEP3:フォント
使用するフォントは1つにします。メイリオや游ゴシックは、提案書でよく使われているフォントです。
またフォントサイズは、「本文」は◯pt、「見出し」は△pt、「タイトル」は□ptというように、サイズを限定し、統一しましょう。そうすることで、強調したい箇所の文字を大きくしたときに、目立たせることができます。さらに、提案書全体の統一感も生まれます。
さいごに
提案書における構成の重要さ、そして構成の方法について学んでいただけましたか?これからは、テンプレートを使う前に自分で考えを整理することができますね!
提案書を作成する際のもう一つのポイント、「デザイン」について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
さっそく、あなたが次に提案するお客様は何に困っているのか、書き出してみてはいかがでしょうか?