マーケティングオートメーション(MA)ツールの機能を理解する

最近、マーケティングオートメーション(MA)という言葉が注目を集めています。リードの情報や一連のマーケティング施策を統合的に管理し、効果的に施策をおこなえるMAツールは、うまく活用すれば大きな効果が期待されます。
今回は、このマーケティングオートメーションツールの機能について、それぞれどのような機能かの解説とMA全体における役割をご紹介します。MAツールができることを知りたい方、具体的な活用のイメージが沸いていない方の参考になれば幸いです。
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はじめに
MAツールとは、多岐に渡るマーケティング施策を統合的に管理し、自動化・最適化するツールのことです。
BtoBビジネスでは、BtoCに比べ購買にいたるまでのアクションが多く、検討に関わる人も多くなります。そこで、それぞれの人に対して、その時々の関心の対象や程度、社内での立場やマーケティングに関する知識など、さまざまなステータスに合わせたマーケティング施策を打つ必要があります。
そこで「○○という記事を読んだ」、「○○のセミナーに参加いただいた」などの情報を一元で管理し、その方に向けて次に最適な施策を打つために活用するのがMAツールなのです。
MAツールのさまざまな機能の詳細を説明していきますが、このことを念頭に置いて読み進めていただけると機能の有用性がイメージしやすくなると思います。
マーケティングオートメーションツールの機能
ここでは、一般的なMAツールに備わっているさまざまな機能と活用例を一つずつ紹介したいと思います。
- ①リード管理
- ②キャンペーンマネジメント
- ③スコアリング
- ④メールマーケティング
- ⑤ランディングページ作成
- ⑥アクセス解析
- ⑦Web行動解析
- ⑧ソーシャルマーケティング
- ⑨SFA・CRM連携
①リード管理
日々の営業活動や展示会、インターネット広告など、さまざまなシーンで得られたリードに関する情報をまとめて管理する機能です。
企業名や氏名、役職といったステータスだけでなく、ホームページ来訪履歴や、流入経路などの情報もまとめて管理できます。このリード情報に基づいて、最適なマーケティング施策を行います。
②キャンペーンマネジメント
「どのようなタイミングでどのような施策をおこなうか」というプランの設計を支援する機能です。
購買に至るまでのリードの行動パターンを想定し、要所で行うマーケティング施策プラン全体のことを「マーケティングシナリオ」と呼びます。また、このシナリオに沿った一連の施策のことを「キャンペーン」と呼ぶことがあります。
MAツールには、このキャンペーンを設計・運用するための機能がついており、個人ごとに最適な施策を、最適なタイミングで自動的に選択・実施することができるようになっています。
③スコアリング
過去の行動履歴やステータスを点数化し、各リードの確度(受注に至る確率)の高さを可視化する機能です。
例えば、「配信されたメールのリンクをクリックしたら○点」「料金ページを△秒以上みたら○点」といったように点数をつけ、合計点をもとに確度の高さを判定することができます。
この機能を用いれば、見込み度合いの高いリードから順に効率よく営業することができるようになるのはもちろん、スコアが基準値に達した時に自動的に通知することもできるので、今まで見落としていた確度の高いリードを発掘することができます。
④メールマーケティング
テキストメール、またはHTMLメールの作成と配信を行う機能です。メールの作成にあたって、魅力的なメールを簡単に作成できるテンプレートなどが用意されているMAツールが多いようです。
また、リード管理機能の情報を利用することで、見込み顧客の興味や検討度合いに合わせた別々の内容のメールを配信したり、設計されたシナリオに沿って最適なタイミングで最適な内容のメールを自動で配信したりすることができるようになります。
⑤ランディングページ作成
ランディングページやお問い合わせフォームなどの作成を行う機能です。
ランディングページは、広告などから流入してきた見込み顧客が見る専用のページです。MAツールの多くでは、このランディングページ及びフォームを簡単かつ魅力的に作成するための機能が搭載されています。
もちろん、登録フォームから得られた情報は自動的にリードとして登録され、キャンペーンに沿って次のナーチャリング活動が行われます。
⑥アクセス解析
ホームページに来訪した見込み顧客のアクセス解析をする機能です。ツールによって機能は異なりますが、例えばお問い合わせの率やページ毎の直帰率、流入経路などが分かったりします。
アクセス解析は、ユーザーの行動パターンを分析するために重要な機能です。どのような方が自社の製品に興味を持っているのか、そのような方はどのようにして自社のWebページに来訪するのか、など、マーケティング戦略に役立つ情報を得ることができます。
また、流入経路を解析することによって、コンバージョンしたリードへの最適な対応をとることができます。他社の製品と比較している段階なのか、とりあえず情報収集がしたいだけなのかといった情報があらかじめ判っていれば、案件化への手がかりとなるでしょう。
⑦Web行動解析
見込み顧客が、自社のホームページで「どのページを」「どのくらい見たか」といったWebサイト上での行動を可視化・解析する機能です。※ある条件(配信したメールのリンクから来訪した、など)を満たした方のみ
例えば、製品ページを見て、料金ページを長い時間見ていたが問い合わせには至らなかった、といった行動が解析されたとします。自社製品にかなり強く関心を寄せていることが分かりますし、この見込み顧客の連絡先が得られていれば、即座に連絡をとり営業アプローチすることが可能です。
※Web行動解析の仕組みについてはこちらの記事をご参考下さい。
⑧ソーシャルマーケティング
SNS(ソーシャルネットワークサービス)上でのマーケティング活動を支援する機能です。近年では、SNSでのマーケティング活動も大きな注目を浴びており、多くのMAツールに支援機能が備わっています。
SNSではユーザー同士は会社や趣味といった共通の項目で繋がっていることが多く、SNS広告はターゲティング精度が高いことが知られています。ソーシャルマーケティングをうまく運用できれば、効果的なマーケティングに繋がるでしょう。
⑨SFA・CRM連携
営業支援ツールであるSFAやCRMとのデータ連携機能です。
マーケティングで得られた情報を営業へと共有することで、効果的な商談の材料とすることができます。また逆に、営業側で商談や受注に至らなかったリードの情報をマーケターへフィードバックすることで、次の機会に備え効果的なナーチャリングをすることが可能となります。
簡易的なSFA機能が付いているMAツールもありますが、既にSFA・CRMなどのツールを導入している企業も多いため、既存ツールとの連携機能は必須と言えるでしょう。
さいごに
MAツールに搭載されている一般的な機能をご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
初めにお伝えしましたように、各機能がそれぞれ情報を連携させて全体として施策が最適化されるように設計されています。とはいえ、もちろんツールによって実際の機能は様々です。例えば、メール配信に特化して機能を充実させているツールもあれば、全ての機能が高水準にまとまっているものもあります。
ツールごとに機能も特長もさまざまですので、ツール提供企業にお問い合わせしたり、トライアルを試してみるなど、色々比較してみてください。
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