Webの閲覧履歴から顧客の購買フェーズを考える
「マーケティングオートメーション」というキーワードが広まっていることや、BtoBにおいてもアクセス解析やメール配信よりも更に進んだマーケティング施策を模索する企業が増えていく中で、見込み客ごとのWeb閲覧履歴を取得してマーケティング活動に活用していくことを考えている方も多いのではないでしょうか。
Web閲覧履歴は、マーケティングオートメーションやリードナーチャリングでも有望見込み客かどうかを判定するロジック(スコアリングロジック)を算出する上で重要視されており、今後更に活用が進んでいくデータの1つと言えます。
Web閲覧履歴は、見込み客を理解する大切な要素
製品導入や購買を行うための情報収集の多くが現在Webサイト上で行われています。中でも、重要視されているのは製品提供会社のWebサイトと言われています。つまり、一昔前まで、営業が見込み客に対してコミュニケーションを取って得ていた「どのような商材にどの程度興味があるか?」という情報元とその役割が、「Webサイトの閲覧履歴」に移行しているのです。以前は営業日報に記載されていたような見込み客とのコミュニケーションの状況を、Webサイトの閲覧履歴から読み取る必要が出てきているのです。
個人のWeb閲覧履歴を把握する仕組み
ここで「アクセス解析では、"誰が"どのページを見ているかまでは判らないのでは?」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
最近のマーケティングオートメーションツールやリードナーチャリングツール、メール配信とアクセス解析が統合されているツールでは、見込み客個別のブラウザに対してCookieを発行することで見込み客情報とサイト閲覧履歴を統合することが可能です。
ただし、一般的なアクセス解析ツールで実現しようとすると大変な作業になりますので、実施をする際は専用のツールを利用することをオススメします。
個人のWeb閲覧履歴把握の詳細は、以下の記事をご参考ください。
Webの閲覧履歴からユーザーを理解する
実際に取得されるWeb閲覧履歴を見てみると、以下のことがわかってきます。
1:来訪頻度やPV数はニーズの高まりに比例する
当然かもしれませんが、製品を検討する場合に、ほとんどの見込み客はその製品の提供企業のWebを閲覧すると思います。情報収集のための閲覧もあれば比較検討のための閲覧もありますが、興味度合いがある程度高まった段階では、良く閲覧するようになります。なので、PVや滞在時間、来訪頻度が上がっている見込み客はニーズが高まっている可能性が高いのです。
2:競合・パートナーの閲覧が結構多い
1のようにPVや滞在時間、来訪頻度が高いのは、興味度合いの高い見込み客の場合もありますが、それ以外でも競合だったり既存顧客だったりする場合もあります。
なので、「PVや滞在時間、来訪頻度が高いユーザー=興味度合いの見込み顧客」と一概に決めつけず、社名などを確認して、判断することが必要です。
3:閲覧しているページによって興味レベルが違う
お客様のニーズの度合いや種類によって閲覧しているページが違います。これも考えれば当然ですが、見込み客の方は興味のあるページのみを閲覧していきます。
例えば
・製品の比較検討をしている見込み客は製品仕様や価格のページを良く閲覧する
・業務課題をもっている状態の見込み客はセミナーやコラムのページを良く閲覧する
というようにです。
Webの閲覧履歴を活用する上で、「どのページをどれくらい閲覧しているか」という情報をどう理解していくかが非常に重要になってきます。前述したとおり、見込み客のサイト閲覧情報によって興味範囲や興味度合いが違うため、どのようなアプローチをすれば良いかが変わってくるからです。
お客様の興味領域や度合いに合わせてマーケティング的な戦略を練っていく必要がありますし、この戦略の精度によって、その後の成果が大きく変わってきます。
購買プロセスを推測する
この戦略を考えていくにあたって重要なのが、Web閲覧履歴から見込み客の購買フェーズを推測するということです。(本来は購買フェーズを想定してWebコンテンツが設計されているのがベストです。)先ほど挙げた例の「製品の比較検討をしている見込み客は製品仕様や価格のページを良く閲覧する」というフェーズの見込み客は、既に製品検討フェーズに入っているため、できるだけ早く営業がアプローチしてリアルな商談を開始する必要があります。一方で、「業務課題をもっている状態の見込み客はセミナーやコラムのページを良く閲覧する」というフェーズの見込み客は、製品へのニーズには至っておらず、業務課題を認識しているレベルで次はこの業務課題と製品を紐付けていくようなコミュニケーションが必要になります。
具体的には以下のようなアクションを取れるようになるとWeb閲覧履歴を活用したアクションができていくのではないでしょうか。
このような活動をするには前述したようにツールがあったほうが運用が楽になりますので、そのようなツールも検討してみるのも良いかもしれません。
まとめ
Webの閲覧履歴は、ユーザーの思考を理解する上でとても価値のある重要な情報です。ぜひ購買プロセスやユーザーの興味度合いなどを理解し、それに合わせた営業活動、マーケティング活動をおこないましょう。
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