MAツールの主な機能10個を解説!

最近、マーケティングオートメーション(MAツール)という言葉が注目を集めています。リード情報や一連のマーケティング施策を統合的に管理し、効果的に施策をおこなえるMAツールは、うまく活用すれば大きな効果が期待できます。
今回は、このMAツールの機能について、それぞれどのような機能なのかの解説とMAツール全体における役割をご紹介します。MAツールでできることを知りたい方、具体的な活用のイメージが沸いていない方の参考になれば幸いです。
また、「マーケティングオートメーションについて、1から教えてほしい!」という方向けに、「マーケティングオートメーションの教科書」を作りました。ぜひ、こちらからダウンロードしてください。
MAツールとは
MAツールの機能の前に、まずはMAツールの概要や、できること、他のツールとの違いについて確認しておきましょう。
MAツールとは、多岐に渡るマーケティング施策を統合的に管理し、自動化・最適化するツールのことです。BtoBビジネスでは、BtoCに比べ購買にいたるまでのアクションが多く、検討に関わる人も多くなります。そこで、それぞれの人に対して、その時々の関心の対象や程度、社内での立場やマーケティングに関する知識など、さまざまなステータスに合わせたマーケティング施策を打つ必要があります。
そこで「○○という記事を読んだ」、「○○のセミナーに参加いただいた」などの情報を一元で管理し、その方に向けて次に最適な施策を打つために活用するのがMAツールなのです。
MAツールのさまざまな機能の詳細を説明していきますが、このことを念頭に置いて読み進めていただけると機能の有用性がイメージしやすくなると思います。
MAツールでできること
・顧客情報の管理
新規商談を獲得するには、自社の見込み顧客に対して継続的にコミュニケーションを取り続け、それぞれの興味・関心に寄り添ったコンテンツを提供し、ニーズが顕在化したタイミングでアプローチすることが大切です。
この一連のマーケティング活動は、見込み顧客がどのような行動をとっているかを正確に把握する必要があり、それには顧客情報の取得・分析が重要となります。
MAツールでは、サイトへのアクセスや資料請求を行った企業や個人を特定し、見込み顧客情報として一元管理することが可能です。このようにして蓄積されたさまざまなデータを分析することで、見込み顧客ごとの検討度合いに合わせ効果的な施策を行うことができます。
・見込み顧客の育成
自社で保有しておりまだ商談に至っていない見込み顧客や、新たに獲得した見込み顧客は購買意欲が低いことが多く、購買意欲を高める施策を行う必要があります。
MAツールでは、トラッキング機能によりサイト上での行動を追えることから、見込み顧客の閲覧ページやページの滞在時間などがわかります。
これにより見込み顧客の興味・関心のあるコンテンツを把握することができれば、顧客ごとの検討度合いに合わせ適切なコンテンツ提供を行うことができ、効率的に購買意欲を高めていくことができます。
・見込み顧客の抽出
見込み顧客を育成することで購買意欲が高まったと判断できる見込み顧客を選別し、営業部門に引き渡すことがマーケティング施策の中での最終プロセスとなります。
MAツールのスコアリング機能を活用することで、商談につながりそうな確度の高い見込み顧客を的確に絞り込んで判断することが可能となり、生産性の高い営業活動へとつながります。
SFAやCRMとの違い
MAと同じようにマーケティング活動を支援するツールには「SFA」や「CRM」もあります。ここでは、MAとの違いと、それぞれに適した活用法について解説していきます。
・営業活動の効率化には、SFA
SFAはセールスフォースオートメーションの略で、営業活動を支援するためのツールです。MAはまだ見込み度合いがそれほど高くなく、情報収集の段階である見込み顧客情報を管理するのに対し、SFAは主に商談や提案の段階まで検討度合いが進んでいる見込み客の情報を管理します。
またSFAの導入により、営業部門全体の動きが可視化され、営業や商談スケジュールの管理や、円滑な引き継ぎが可能となり営業活動全体を効率的に行うことができるようになります。
・優良顧客の育成には、CRM
CRMはカスタマーリレーションシップマネジメントの略で、顧客情報を管理するためのツールです。MAやSFAとの違いは、管理対象が見込み顧客ではなく、すでに取引のある既存顧客の情報を管理します。CRMは顧客との継続的な関係構築を可能にし、優良顧客の育成に効果的です。
商品購入後も、要望や問い合わせなどを引き続き把握し、顧客ごとのニーズに合った提案をしていくことで、サービスの解約を避け、リピーターを増やすことにつながります。また、CRMの導入により、顧客との良好な関係を構築し続け、利益の最大化へとつながる優良顧客へと育成していくことができます。
MAツールの主な機能
ここからは、MAツールに備わっている一般的な機能と活用例を一つずつ紹介したいと思います。
- リード管理
- キャンペーンマネジメント
- スコアリング
- メールマーケティング
- ランディングページ作成
- アクセス解析
- Web行動解析
- ソーシャルマーケティング
- SFA・CRM連携
- レポート作成
1. リード管理
日々の営業活動や展示会、インターネット広告など、さまざまなシーンで得られたリードに関する情報をまとめて管理する機能です。
企業名や氏名、役職といったステータスだけでなく、ホームページ来訪履歴や、流入経路などの情報もまとめて管理できます。このリード情報に基づいて、最適なマーケティング施策を行います。
2. キャンペーンマネジメント
「どのようなタイミングでどのような施策をおこなうか」というプランの設計を支援する機能です。
購買に至るまでのリードの行動パターンを想定し、要所で行うマーケティング施策プラン全体のことを「マーケティングシナリオ」と呼びます。また、このシナリオに沿った一連の施策のことを「キャンペーン」と呼ぶことがあります。
MAツールには、このキャンペーンを設計・運用するための機能がついており、個人ごとに最適な施策を、最適なタイミングで自動的に選択・実施することができるようになっています。
3. スコアリング
過去の行動履歴やステータスを点数化し、各リードの受注確度の高さを可視化する機能です。
例えば、「配信されたメールのリンクをクリックしたら○点」「料金ページを△秒以上みたら○点」といったように点数をつけ、合計点をもとに確度の高さを判定することができます。
この機能を用いれば、見込み度合いの高いリードから順に効率よく営業することができるようになるのはもちろん、スコアが基準値に達した時に自動的に通知することもできるので、今まで見落としていた確度の高いリードを発掘することができます。
4. メールマーケティング
テキストメール、またはHTMLメールの作成と配信を行う機能です。メールの作成にあたって、魅力的なメールを簡単に作成できるテンプレートなどが用意されているMAツールが多いようです。
また、リード管理機能の情報を利用することで、見込み顧客の興味や検討度合いに合わせた別々の内容のメールを配信したり、設計されたシナリオに沿って最適なタイミングで最適な内容のメールを自動で配信したりすることができるようになります。
5. ランディングページ作成
ランディングページやお問い合わせフォームなどの作成を行う機能です。
ランディングページは、広告などから流入してきた見込み顧客が見る専用のページです。MAツールの多くでは、このランディングページ及びフォームを簡単かつ魅力的に作成するための機能が搭載されています。
もちろん、登録フォームから得られた情報は自動的にリードとして登録され、キャンペーンに沿って次のナーチャリング活動が行われます。
6. アクセス解析
ホームページに来訪した見込み顧客のアクセス解析をする機能です。ツールによって機能は異なりますが、例えばお問い合わせの率やページ毎の直帰率、流入経路などが分かったりします。
アクセス解析は、ユーザーの行動パターンを分析するために重要な機能です。どのような方が自社の製品に興味を持っているのか、そのような方はどのようにして自社のWebページに来訪するのか、など、マーケティング戦略に役立つ情報を得ることができます。
また、流入経路を解析することによって、コンバージョンしたリードへの最適な対応をとることができます。他社の製品と比較している段階なのか、とりあえず情報収集がしたいだけなのかといった情報があらかじめ判っていれば、案件化への手がかりとなるでしょう。
7. Web行動解析
見込み顧客が、自社のホームページで「どのページを」「どのくらい見たか」といったWebサイト上での行動を可視化・解析する機能です。※ある条件(配信したメールのリンクから来訪した、など)を満たした方のみ
例えば、製品ページを見て、料金ページを長い時間見ていたが問い合わせには至らなかった、といった行動が解析されたとします。自社製品にかなり強く関心を寄せていることが分かりますし、この見込み顧客の連絡先が得られていれば、即座に連絡をとり営業アプローチすることが可能です。
参考記事:Webの閲覧履歴から顧客の購買フェーズを考える
8. SNS・広告連携
SNS(ソーシャルネットワークサービス)上でのマーケティング活動を支援する機能です。近年では、SNSでのマーケティング活動も大きな注目を浴びており、多くのMAツールに支援機能が備わっています。
SNSではユーザー同士は会社や趣味といった共通の項目で繋がっていることが多く、SNS広告はターゲティング精度が高いことが知られています。ソーシャルマーケティングをうまく運用できれば、効果的なマーケティングに繋がるでしょう。
9. SFA・CRM連携
営業支援ツールであるSFAやCRMとのデータ連携機能です。
マーケティングで得られた情報を営業へと共有することで、効果的な商談の材料とすることができます。また逆に、営業側で商談や受注に至らなかったリードの情報をマーケターへフィードバックすることで、次の機会に備え効果的なナーチャリングをすることが可能となります。
簡易的なSFA機能が付いているMAツールもありますが、既にSFA・CRMなどのツールを導入している企業も多いため、既存ツールとの連携機能は必須と言えるでしょう。
10. レポート作成
MAツールには、メールの開封率やクリック率以外にも自社サイトの閲覧や資料のダウンロードなどさまざまなデータが蓄積されていきます。
レポート作成機能では、これらのデータをもとにレポ―ディング、分析することで、適切なアプローチ方法やタイミングを把握することができます。これにより効果的なマーケティング施策を行うことができるようになるでしょう。
MAツール導入のメリット
ここまで、MAツールの概要や機能について解説してきましたが最後に導入することで得られるメリットについても見ていきましょう。
マーケティング施策の自動化による工数削減
工数の多いマーケティング業務において、自動化できる業務が増えるほど、作業の効率化を図ることができます。MAツール導入を導入することで、これまで時間をかけて行っていたデータ入力やリスト作成を自動化することができ、マーケティング担当者の工数削減につながります。
また、これまで手作業で行うことで発生していた人的ミスをなくすことにもつながります。その結果、これまで手の回らなかったより多くの施策に取り組むことができるようになり、生産性の向上も期待できます。
一元管理による業務効率化
これまで複数のツールで管理されていたりと、分散していた顧客情報を一元管理することで、効率的なマーケティング活動を行えるようになります。
MAツールでは顧客から直接連絡がない状態でも、自社サイトへの訪問や資料ダウンロードなどの行動を可視化することができます。それによりこれまで気づけなかった潜在顧客に対して、商品が比較されている段階で見込み度合いを上げる施策を行うことができるようになるなど、見込み度合いの上がった顧客から優先的にアプローチすることが可能となり、営業効率の向上につながります。
見込み顧客情報の活用
自社と接点のない状態から新規顧客を獲得することは時間も労力も必要となります。
しかし、もともと自社で所有している休眠顧客などの既存顧客データに対して施策を行うことで、新規顧客開拓に追われずに済み、既存顧客から案件を創出することが可能となります。
さいごに:自社に必要な機能を備えたツールを選定しよう
MAツールに搭載されている一般的な機能をご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
初めにお伝えしましたように、各機能がそれぞれ情報を連携させて全体として施策が最適化されるように設計されています。とはいえ、もちろんツールによって実際の機能は様々です。例えば、メール配信に特化して機能を充実させているツールもあれば、全ての機能が高水準にまとまっているものもあります。
ツールごとに機能も特長もさまざまですので、まずは自社のマーケティング業務を洗い出し、MAツールで解決したい課題を明確化しておくことが重要です。課題が明確になったらその課題解決につながる機能のあるツールを探すのが良いでしょう。
またツール提供企業に問い合わせしたり、トライアルを試してみるなど、数多くあるツールの中から自社に合ったツールを比較・検討してみてください。
これを読んでもっとUrumo!
この記事を読んだあなたに、さらにステップアップできる記事をご紹介します。