MAツールでリードーチャリングを実践。初めて取り組む時に、これだけ抑えよう。

BtoBマーケティングにおいて注目されているリードナーチャリングですが、いざ取り組もうとしても必要な人的工数が多く、手作業で行うのは効率的ではありません。そこで、登場するのがマーケティングオートメーション(MA)ツールです。
この記事では、MAツールの必要性と、実際にMAツールを使ったリードナーチャリングの手法についてご紹介していきます。
リードナーチャリングとは
まずは、改めてリードナーチャリングについておさらいしておきましょう。
リードナーチャリングとは
リードナーチャリングとは、展示会やWeb広告などで集めた見込み顧客に対して、検討度合いを高めていくために行うマーケティング施策の一つです。
メールやセミナーなどのさまざまな施策を通じて、見込み顧客に有益なコンテンツを継続的に提供し、検討度が上がったタイミングを判別して商談につなげる活動のことを指します。
これまでは製品の導入検討をする際には、まず営業担当に問い合わせをするのが主流でした。しかし、インターネットの普及により、顧客が自分で能動的に情報収集するようになったため、実際に企業に問い合わせが入る頃には、顧客は粗方の導入検討を終了していることも多くなりました。
こうした市場の環境下でも自社を選んでもらうために、早い段階で顧客に接触し、顧客の見込み度合いを高めていくリードナーチャリングが必要とされているのです。
一般的なリードナーチャリング施策
・メール配信
メール(メルマガ)配信は、代表的なリードナーチャリング手法です。見込み顧客が興味・関心のある有益な情報を定期的に配信することで、見込み顧客の購買意欲を高めていくことができます。
・イベント・セミナー
見込み顧客が抱える課題や興味・関心があると思われるテーマのうち、自社の商材と関連する内容でセミナーを開くことで、自社が保有するノウハウなどを提供することができます。
最近では、Webを活用したセミナーであるウェビナーの参加をメールで呼びかける手法も有効です。
・オウンドメディア
ブログなどの自社が所有するメディアを活用し、広告や自然検索から訪問してきた顧客に対し、製品情報や企業情報などの情報を発信することが出来ます。
また、自社の情報を発信するためだけに使えるメディアであるため、発信する内容のコントロールがしやすく、顧客とのダイレクトな関係性を構築できるというメリットもあります。
・リターゲティング広告
自社のWebサイトを訪問したユーザーや広告をクリックしたユーザーに対して、ユーザーが閲覧している外部サイトに表示する広告のことです。
自社の商品やサービスに興味をもった見込み顧客に対して再度、広告を表示することで、ニーズを喚起したり、記憶から抜け落ちていたユーザーに思い出してもらうきっかけを与えることができます。
MAツールを活用したリードナーチャリングの方法
ここまでリードナーチャリングの必要性や、施策について解説してきました。
しかしリードナーチャリング施策を行うには、顧客情報の管理、施策の実行、商談化につながる見込み顧客の抽出など様々な工程があり、それらを手作業で行うには限界があります。
そこでMAツールが必要となるのです。MAツールを使用することで、人的工数をかけて行っていた作業部分を自動化することができ、リードナーチャリングを効率的に行えるようになります。その結果、コンテンツ作成などに時間を使えるようになり、より精度の高いリードナーチャリング施策を行うことができるのです。
ここでは、MAツールの機能と実際にMAツールを使用したリードナーチャリングの手法についてご紹介します。
MAツールの機能
MAツールによって、多機能なものや、シンプルなものなど、さまざまなツールがあります。その中でも、リードナーチャリングを行うために必要な機能をご紹介します。
・リード管理機能
見込み顧客のデータを一元管理できる機能です。セミナーで集めた名刺や直接訪問した際にもらった名刺だけでなく、Webサイトで資料請求を行った個人名や企業名などもまとめて管理することができます。
・自動メール配信機能
MAツールで管理している見込み顧客に対して、メールを配信できる機能です。設定した条件ごとにメールを配信するセグメントメール機能や、メールの開封を計測できるHTMLメール機能もあります。
・スコアリング機能
見込み顧客の反応から購買意欲や関心度に基づいて点数をつける機能です。見込み顧客の行動を客観的に数値化することで、それぞれの見込み顧客に合った施策を行うことができます。
MAツールを活用したリードナーチャリング手法
実際にMAツールを使って行う、リードナーチャリングの手順についてご紹介します。
1.顧客情報を整理する
自社にある見込み顧客情報を一元管理します。展示会や企業を訪問した際にもらった名刺や、資料請求フォームから取得した顧客情報を、リード管理機能でデータ化します。
2.リードナーチャリングの施策を行う
整理できた顧客情報をもとに、それぞれに合った施策を行います。メール配信機能でセグメントされた顧客情報に対し、見込み度合いに合ったコンテンツを配信していきましょう。
配信後は、メール開封の有無や、どのページにアクセスしたかなどの解析を行います。よりニーズに合った情報を継続して提供することで、見込み度合いを高めていくことができます。
3.顧客の抽出をし、アプローチへ
メール配信に対する反応や自社サイト上での行動を見込み顧客情報に追加していき、スコアリングをします。点数別に新たな施策を行ったり、見込み度合いが上がっていると判断できた見込み顧客に対しては、営業担当者による受注活動へと引き継いでいきます。
4.PDCAサイクルを回す
MAツールを活用し、施策を行う際は必ず効果測定を行いましょう。「メールで配信したコンテンツは適切であったか」、「反応はどうだったか」など行った施策の結果を精査し、効果がなかったものに関しては、継続的に改善していくことが重要です。
PDCAサイクルを回すことで、少しずつ見込み顧客の検討度合いを上げ、より成果に近づけることができます。
リードナーチャリングを成果へつなげるポイント
ここでは、MAツールでリードナーチャリングを行う際に意識しておきたいポイントについて解説します。
自社顧客の購買プロセスの把握
見込み顧客が求めている情報は、購買プロセスのフェーズによって異なります。MAツールで施策を実行する際には、事前に購買プロセスを把握する必要があります。
各フェーズで見込み顧客がどのように考え、どのように行動するか、相手の興味度や検討状態などのステータスに合わせて段階的に最適化されたコンテンツを提供することが重要です。
例えばメールの場合、興味の薄いユーザーに対し、具体的なサービス情報を送っても見てもらえないでしょう。まずは、自社商品を知ってもらうためのノウハウBOOKや導入事例などから提供していきましょう。
人的リソースの確保
MAツールを導入することで、今まで手動で行ってきた作業が自動化され、効率化が図れるようになります。しかし、全ての業務が自動化できるわけではありません。
例えば、メールやセミナー開催のお知らせなどを自動化し、配信するまではツールで行うことができますが、配信のための文章やコンテンツ作成には人的リソースが必要となります。
さらに、メール配信後の結果の計測は自動化できますが、施策の改善や、新たなコンテンツを考える部分には人的リソースが必要です。 導入の際には、こういった人材の確保なども考慮し、進めていく必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。リードナーチャリングは、これからのマーケティング活動において欠かせない施策となります。しかし、膨大な作業工程全てを手作業で行うのは効率的ではありません。そこで、リードナーチャリングを効率よく進めるためにも、MAツール導入を検討してみることをおすすめします。