グロースハックとは?事例や始め方、実施のポイントを解説
グロースハックとは、マーケティング部門や、プロダクト部門などと部門横断的に連携し、製品価値や市場ニーズを正しく把握するデータ分析や、様々な実験的アプローチを高速で検証、改善する事で急成長に結びつけるマーケティング手法です。
近年、求人情報などでも、グロースハックチームの募集を見かけるようになりました。実際、プロモーション方法の多様化が進む中で、グロースハックは商品やサービスの継続的な成長に効果的と言うことで話題になっている手法です。
今回は、その言葉の意味や、誕生した背景などもお伝えしつつ、具体的な事例や、実践のポイントについても説明します。
グロースハックとは何か?
グロースハックとは、マーケティング部門や、プロダクト部門などと部門横断的に連携し、製品価値や市場ニーズを正しく把握するデータ分析や、様々な実験的アプローチを高速で検証、改善する事で急成長に結びつけるマーケティング手法です。
グロースハックはいつ生まれたか?
グロースハックという言葉は、ドロップボックス社の創業当初、マーケティング部門を支えた、ショーン・エリス(Sean ellis)が命名した言葉です。1990代後半、当時ゲーム会社に勤務していたショーンは、グロースハックの手法でその会社を業界TOPに押し上げました。
その手腕を買われ、ドロップボックスのマーケティングアドバイザーとなり、市場拡大にも貢献しました。それらの手法が、現在、さまざまな業界で応用されながら拡がっているのです。
参考:Find a Growth Hacker for Your Startup
グロースハックの言葉の意味
グロースハックは、英語でGrowth Hackと書き、直訳すると、Growth(成長、発育)、Hack(コンピューターをハッキングする、たたき切る)となります。
Huckという言葉には少しネガティブな印象が含まれることもありますが、ショーンは、ポジティブで広義なニュアンスとしてHackという言葉を使ったそうで、「成長を推進し続ける」「成長を維持し続ける」といった理念的な意味合いも含まれています。
グロースハックの成功事例と効果
それでは実際にグロースハックの手法を用いて、どのような効果が有ったか、グロースハックの成功事例を紹介していきます。
オンラインゲーム会社 アップロアの事例
アップロアは、ショーンエリスが1990年代に勤務していた会社です。この会社は、サイト運営者に無料で遊べるゲームをWebサイトに提供するという、当時では画期的な提案に加え、そのゲームを通じて獲得した顧客一人につき、50セントをサイト運営者に支払うというプロモーションを企画しました。
この方法は、サイト運営者にとっては、ゲームを遊びたいユーザーのサイト流入と、広告収益を生み出すという事で好意的に受け取られました。
その結果、たちまち数万のサイトに掲載され、爆発的な顧客増加を生みだし、アップロアをオンラインゲーム業界TOPの位置に押し上げたのです。
参考:Growth Hacking is for Smart Marketers - Not Just Startups
ショーン・エリス、モーガン・ブラウン(2018)『Hacking Growth グロースハック完全読本』(門脇 弘典訳)日経BP社
ドロップボックスの事例
ドロップボックスのオンラインストレージのアイデアは画期的で、使用しているユーザーもサービスに好意的でしたが、顧客の伸びが頭打ちになる局面を迎えていました。そんな中、現状を打破すべく、サービスを利用しているユーザーのデータを詳しく分析していくと、新規ユーザーの三分の一は、既存ユーザーの紹介を受けていることが見えてきました。
そこでドロップボックスは、サービスを紹介されて新たに利用を始めたユーザーには、250MBのストレージを追加する特典と、更に紹介した側にも同様のストレージを追加するプランを打ち出しました。
結果、60%の新規登録者を獲得する事が出来ましたが、そこで手を止めず、登録の招待文の改良やサービスの最適化などあらゆる手法を試し、継続的に改善し続けていきました。
最終的には、当初10万人だったユーザー数を、僅か一年強で400万人まで伸ばす事に成功したのです。
参考:The 7 Ways Dropbox Hacked Growth to Become a $4 Billion Company
グロースハックの始め方、実施のポイント
このように大きな成長のカギとなり得るグロースハックですが、グロースハックを実施するポイントと、グロースハックを行うチーム作りについてお伝えします。
グロースハックを始めるポイント
グロースハックを始めるポイントとしては幾つかステップがあります。
最初のポイントとしては、グロースハックを行う、商品・サービスについて、顧客がとれだけ好意的であるか、測定を行います。そのうえで、顧客データから、最も重要な指標、活性化させるべきポイントを見つけ、その検証、改善、実験を繰り返します。
これらを高速で実施して行くためには、プロダクトの設計、顧客の反応ポイントを把握するマーケティング力、そして活性化や仕掛けを行うためのアイデア力が必要となります。そのために、それを専門的に行うチーム、グロースハックチームを置くことが多いのです。
グロースハックのチームについての考え方
グロースハックを行う際には、各専門分野の人材が横断的につながったチームがあるとよいでしょう。メンバーは事業の目標や戦略を理解しているリーダーを軸に、データ分析の専門家となるアナリストや、システムとデザインの変更を担うエンジニアが中心となります。
人数は、4~5人規模から100人規模までさまざまですが、スピーティーなアクションがとれる体制を作る事が大切です。
さいごに
実際のところ、企業広告の多様化、特に、広告メディアの中心がテレビから、Webに急速に推移している昨今においては、グロースハックの様な、市場のニーズや、ユーザーの行動をスピーディーに分析して改善するマーケティング手法が必要となってきています。
みなさんも是非、グロースハックの手法を実践して、自社商材、サービスの成長に役立ててみて下さい。
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