ディスプレイ広告とは?運用するメリットやリスティング広告との違いを徹底解説!

これから広告運用を始める担当者は「ディスプレイ広告を運用してみたいけど、配信するメリットやリスティング広告との違いを知っておきたい」と考える方も多いのではないでしょうか。
そんな方のために今回は、リスティング広告との違いやディスプレイ広告を運用するうえでおさえておきたいポイントまで詳しく解説します。
- ▼この記事でわかること
- ・ディスプレイ広告の基本的な仕組みと特徴
- ・リスティング広告との違いと使い分け方
- ・ディスプレイ広告の主な配信形式・ターゲティング手法
- ・効果的に運用するために押さえておきたいポイント
ディスプレイ広告とは
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上の広告枠に表示される画像・動画・テキスト形式の広告を指します。視覚的に情報を伝えられるため、商品やサービスを「認知していない」潜在層にもアプローチしやすい点が特徴です。バナー形式の表示が多いため「バナー広告」と呼ばれることもあります。
ディスプレイ広告とリスティング広告の違い
ディスプレイ広告を運用するうえで、検索結果に表示されるリスティング広告(検索連動型広告)との違いを理解することは重要です。ここでは両者の特徴をわかりやすく比較します。
| ディスプレイ広告 | リスティング広告 | |
|---|---|---|
| 表示場所 | 閲覧サイトの広告枠 | 検索画面 |
| ターゲット層 | 幅広い層のユーザーに訴求 | ニーズが明確なユーザーに絞って訴求 |
| 広告形式 | 画像や動画広告 | テキストのみ |
1.表示される場所の違い

リスティング広告は検索結果に表示されるため、検索意図が明確なユーザーにアプローチできます。一方ディスプレイ広告は、ニュースサイト・ブログ・アプリなどさまざまな場面で表示され、潜在層への認知獲得に強い点が特徴です。
2.アプローチできるターゲット層の違い
リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードに連動して表示されるため、明確なニーズを持つ顕在層へ効率的にアプローチできます。一方、ディスプレイ広告はニュースサイトやポータルサイトなど、多様な場面で表示されるため、まだ課題に気づいていない潜在層まで幅広くリーチできます。
この違いを理解していないと、狙うべきユーザーに広告が届かず、限られた予算で成果を最大化することが難しくなります。そのため、目的に応じて「どの層に訴求したいのか」を明確にした運用設計が重要です。
3.広告形式の違い
リスティング広告はテキストのみで構成されていますが、ディスプレイ広告は画像・動画・テキストなど複数の形式に対応しています。そのため、視覚的な表現を使ってユーザーの注意を引きやすく、商品の魅力をより直感的に伝えることができます。
ディスプレイ広告とリスティング広告が得意なフェーズの違い
上の図は、ディスプレイ広告とリスティング広告がユーザーの消費行動プロセスにおいて、どの段階のユーザーに訴求効果があるのかを示しています。
この図からわかるようにディスプレイ広告とリスティング広告は、訴求するターゲット層が違います。ディスプレイ広告は認知・興味・関心フェーズの顧客にアプローチし、リスティング広告は検索・情報収集から具体的な検討フェーズの顧客に対してアプローチします。
両者の違いを正しく理解することは、それぞれで収益をしっかり生み出すことにつながるでしょう。
ディスプレイ広告の掲載フォーマット
ディスプレイ広告には、目的や配信面に合わせて選べる複数のフォーマットがあります。主な種類は以下の5つです。
バナー広告
バナー広告は、画像を使って訴求する最も一般的なディスプレイ広告の形式です。サイズの種類が豊富で、視覚的にアピールしやすいため、認知拡大に向いています。
レスポンシブ広告
レスポンシブ広告は、あらかじめ登録した画像やテキストを自動で組み合わせ、広告枠に合わせて最適な表示形式に調整してくれる広告です。手間をかけずに幅広い掲載面へ配信したい場合に便利です。
動的ディスプレイ広告
動的ディスプレイ広告は、ユーザーが閲覧した商品やページ内容に応じて、個々に最適化された内容を自動生成して配信する広告です。ユーザーの興味に合わせて表示されるため、コンバージョン獲得に効果的です。
テキスト広告
テキスト広告は、文字のみで構成されたシンプルな広告形式です。画像が用意できない場合でもすぐに配信でき、情報を簡潔に伝えたい際に適しています。
動画広告
動画広告は、動画を使って視覚・音声の両方で訴求できる広告形式です。サービスの説明やブランドイメージの訴求に向いており、ユーザーの理解促進に効果を発揮します。
ディスプレイ広告の配信サービス
ディスプレイ広告は、GoogleとYahoo!が提供する大規模な広告ネットワークを利用して配信されます。それぞれ特徴が異なるため、目的にあわせて使い分けることが大切です。
Googleディスプレイネットワーク(GDN)
Google関連のサイトに広告を配信できるディスプレイ広告のネットワークです。YouTubeやアメブロなど一般のポータルサイトや、ブログページの広告枠に広告配信されるという特徴があります。
参考:https://business.google.com/jp/ad-solutions/display-ads/
Yahoo!広告ディスプレイ広告(運用型)
Yahoo!関連のサイトのディスプレイ広告のネットワークです。Yahooニュース、YahooメールなどYahoo!サービスのサイトに広告配信されることが多いという特徴があります。
参考:https://www.lycbiz.com/jp/service/yahoo-ads/displayads-auc/
ディスプレイ広告の主なターゲティング手法
これらのディスプレイ広告は、訴求したいターゲットに応じて、配信先にセグメントをかけることができます。ここでは、5つのセグメント方法をご紹介します。
キーワードターゲティング
登録キーワードに関連したwebサイトに広告を配信するセグメント方法です。たとえば、「不動産」というキーワードで広告を登録すると、「不動産」に関連していると判断されたWebサイトに自動的に広告が配信されます。
広告出稿側が自由にキーワードを設定できるため、この後に解説するトピックターゲティングにはないキーワードでの配信や、より自社商品/サービスと親和性の高いキーワードでの配信が可能です。
トピックターゲティング
Googleが指定しているトピックを選択してセグメントをかけることで、特定のテーマに関するページのみに絞って配信できます。たとえば「自動車」を指定すると、自動車に関するコンテンツを含んだwebサイトに広告が配信されます。
このように自社のサービスに近いテーマのwebサイトに広告配信することで費用対効果を高められます。他のターゲティング手法より表示回数(インプレッション)が多く出やすいため、設定の際にはより自社に合うトピックを選択するようにしましょう。
プレースメントターゲティング
プレースメント配信では、WebサイトやWebサイト内の掲載位置を指定して広告を配信することができます。プレースメントには、2種類あり、自動プレースメントと手動プレースメントがあります。
自動プレースメントでは、設定したキーワードに対し、過去のデータから関連性の高いwebサイトに配信されます。手動プレースメントでは、ディスプレイネットワーク広告の提携先の中から、広告を配信したいwebサイトを絞ることができます。プレースメントでセグメントをかけることで、配信したいwebサイトの広告枠を指定して、広告を配信することができます。
インタレストターゲティング
インタレスト配信は、ユーザーの行動履歴データをもとに、広告枠ではなくユーザーをターゲティングして、広告を配信します。
したがって、「自動車」に関連のあるサイトに広告が表示されるのではなく、「自動車」に興味のあるユーザーが閲覧したWebページに広告が配信されます。
ユーザー属性ターゲティング
「性別」「年齢」「子供の有無」などでセグメントをかけることで、広告を表示させます。ちなみに、子供の有無でターゲティングできるのは、GDNのみです。
たとえば、「コスメ」商品の訴求を行う場合、20代、30代の女性を指定することで、このセグメントにマッチしたユーザーへ広告配信されます。これらのターゲティングは、Googleアカウントへのログイン情報や過去の閲覧履歴から推測され行われます。
ディスプレイ広告の課金方式
ディスプレイ広告には、目的に合わせて選べる複数の課金方式があります。配信の目的(認知・クリック・成果獲得)に応じて使い分けることが大切です。
CPC(クリック課金)
ユーザーが広告をクリックしたときに費用が発生する方式です。資料請求や問い合わせなどのアクションにつなげたい場合に向いています。
CPM(インプレッション課金)
広告が1,000回表示されるごとに費用が発生する方式です。ブランドの認知拡大やリーチを重視する場合に適しています。
vCPM(視認範囲インプレッション課金)
ユーザーの画面上で一定割合以上が実際に見える状態になった場合に費用が発生する方式です。表示された広告がしっかり視認されることを重視する場面で効果的です。
CPA(コンバージョン課金)
資料請求や購入など、成果が発生した時に費用が発生する方式です。主に自動入札機能で利用され、成果重視の運用に向いています。
ディスプレイ広告のメリット
ここではディスプレイ広告のメリットについて解説します。
潜在顧客にアプローチできる
ディスプレイ広告は、「いますぐに商品・サービスを購入したいわけではないが、なにか興味のあるものがあれば購入を検討する」という潜在顧客にアプローチできます。まずは幅広い層にアプローチして顧客の「興味・関心」をひきたい場合は、ディスプレイ広告が向いています。
画像・動画で訴求できる
ディスプレイ広告は文章だけではなく、画像や動画で訴求することができます。直接視覚に入る情報が多く、メッセージの量が豊富なため、さまざまな訴求でユーザーにアプローチができます。
リターゲティングができる
ディスプレイ広告では一度、自社のWebサイトや商品ページを訪問したが、資料請求・お問い合わせにつながらなかった顧客に対して、再度、広告を表示するリターゲティングができます。リターゲティングをすることで、サービス・商品に興味のある顧客に対して継続的に広告が配信されるので、資料請求・お問い合わせの獲得が見込めます。
クリック単価が安い
クリック課金やインプレッション課金など課金方法によっても異なりますが、基本的にリスティング広告やSNS広告と比べ、ディスプレイ広告は低単価であることが多い傾向にあります。そのため、広告にかける予算が同じだった場合でも、リスティング広告に比べより多くのユーザーにアプローチすることができます。
ディスプレイ広告のデメリット
ここではディスプレイ広告のデメリットについて解説します。
結果につながりにくい
ディスプレイ広告では、まだ商品・サービスの購入意欲が薄い「潜在顧客」への配信がメインとなるので、すぐに結果が出るわけではありません。資料請求やお問い合わせの獲得よりも、顧客に商品・サービスを認知させ、興味・関心を持ってもらうことがディスプレイ広告の目的になります。
PDCAを回すのが難しい
ディスプレイ広告はPDCAを回すのが難しいというデメリットもあります。というのも、画像やテキスト、その配信パターンなどさまざまで、どの部分を改善すれば成果が出るのか時間がかかるからです。広告クリエイティブとターゲットの調整が難しく、PDCAが回すのが難しいと言えるでしょう。
広告費用の消化ペースが速い
ディスプレイ広告は多くのWEBサイトに掲載されるため、多くのユーザーにアプローチできる反面、広告費用の消化ペースが速いことがデメリットともいえるでしょう。
また、クリックされることで費用が発生する課金方式である場合、自社のターゲット層ではないユーザーからのクリックでも費用が発生するため、費用が無駄に消化されてしまうといったデメリットも考えられます。
ディスプレイ広告で押さえるべき4つのポイント
ディスプレイ広告は、種類やターゲティングの幅が広く、効果を最大化するためにはいくつかのポイントを理解しておく必要があります。ここでは、運用を始める前に押さえておきたい4つのポイントをご紹介します。
1.配信する目的を明確にする
ディスプレイ広告は、大きく「レスポンス目的」と「ブランディング目的」に分かれます。
レスポンスを目的に使用
ディスプレイ広告におけるレスポンスとは、広告経由で資料請求やお問い合わせに直接つながることを意味します。費用対効果が良く、レスポンスにつなげるためには、ユーザーがどんなWebサイトに接触し、いつ、どのくらい製品への興味を持ったのかを定量的に測る必要があります。
定量的に測ることによって、広告改善や配信先改善を行うことができ、費用対効果アップにつながります。これを可能にするのが、DMPというサービスです。
いまさら聞けない「DMPとは?」~基礎知識編~
ブランディングを目的に使用
製品への認知度、お問い合わせ意欲などを向上させることを目的とします。ブランディングを目的にディスプレイ広告を使用する理由は3つあります。
- ①リスティング広告など他の広告とは違い、広告配信できる場所が多い
- ②訴求できるユーザ層の範囲が広い
- ③画像や動画などのクリエイティブ面を用いることで訴求効果が高まる
目的によって選ぶべきターゲティングやクリエイティブが変わるため、最初に「何を達成したいのか」を明確に定めることが大切です。
2.ユーザーを絞って配信する
ディスプレイ広告は幅広いユーザーにリーチできる一方で、ターゲティングが曖昧だと無駄な配信が増えてしまいます。年齢や性別といった属性情報に加え、興味関心や過去の行動履歴、関連キーワードやカテゴリとの一致度、さらには自社サイトを閲覧したユーザーへのリターゲティングなど、さまざまなデータをもとに狙うべき層を絞り込むことが大切です。
こうした精度の高いターゲティングを行うことで、届けたいユーザーに効率よく広告を配信でき、結果として費用対効果の向上につながります。
3.表示させる場所(配信面)を最適化する
広告を掲載する場所を選ぶことも重要です。キーワードやカテゴリに関連するWebサイト・アプリ・動画など、ユーザーの興味と相性の良い面に絞ることで、無駄な表示を減らし、成果につながりやすくなります。
また、プレースメント指定を活用することで、特定のサイトやページにピンポイントで配信することもできます。
4.クリエイティブにはインパクトを持たせる
ディスプレイ広告では、視覚的な情報がユーザーの注意を引くため、短い時間で興味を喚起できるインパクトのあるクリエイティブが欠かせません。
一目で内容が伝わる明確なメッセージや、視線を集めるデザイン、広告の魅力を際立たせる訴求ポイントを盛り込みながら、ユーザーが行動しやすくなるよう適切な誘導文を配置することで、クリック率や認知効果を高めることができます。
まとめ
この記事では、リスティング広告との違いから、ディスプレイ広告の仕組みやターゲティング、運用時のポイントまでを解説してきました。ディスプレイ広告は、潜在層への認知獲得から興味喚起まで幅広く活用できる広告手法です。
自社の目的やターゲットに合わせて適切に活用することで、費用対効果の高い集客や成果アップにつなげることができます。ぜひ、自社に最適な運用方法を見つけながら、成果を生み出すディスプレイ広告運用を実践していきましょう。
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