本当に知ってる?企業におけるブランディングの重要性とは?

ブランディングの意味について、あなたは正しく理解していますか?継続的にサービスを利用してもらったり、選び続けてもらうために重要となるブランディング。
しかし、目先だけで「ブランディング」を考えてしまうと、ただかっこいいデザインにする、とにかく新しい機能を付与するといった短期的な施策を打ってしまうことになり、ブランディングにはつながりません。もっといいデザインや高機能の製品が誕生したり時代が変わったりすれば、その優位性は簡単に失われてしまうのです。
さて、ユーザーはなぜその製品を買うのでしょう。デザインや機能が優れているというのも理由には挙がりますが、それ意外の理由もありますね。エルメスだから、ソニーだから...そんな経験はあなたにもあるのではないでしょうか。この記事を通じてブランディングの重要性について正しく理解し、より効果的なブランディングができるようになりましょう。
ブランディングとは?
ブランディングとはブランド(=企業や製品に対するイメージ)を定着させるための活動を指します。ブランドはパッケージやロゴなどのビジュアルや、製品・サービスから得られる体験や感動を通じて形成されます。つまり、ブランディングとは企業や製品に対する価値を、体験や感動などを通じて高めていくことで市場での優位性を高めるマーケティング活動の一種になります。
例えば、帝国ホテルやホテルニューオータニといった高級ホテルも、ブランディングの一例だと思います。滞在時間と費用を考えれば「もったいない」と思う人もいますが、インテリアデザイナーが手掛けた内装や、充実した館内施設、そして手厚い接客、それらを通じて得られる「高級ホテルに泊まった」という体験や感動がその価値を高めているのです。
なぜブランディングは重要?ブランディングのメリットとは
ブランディングによってブランドが定着するとどんな良いことがあるのでしょうか。次はブランドがもたらすメリットをユーザーと企業に分けてご紹介します。
ユーザー
ユーザーが得られるメリットは大きく4つです。
①差別化
これはユーザーが企業や商品を区別することです。この違いによってユーザーは目的に合わせて製品や企業を選択することが可能になります。
例:「水かお茶を買おう」 → 「いろはすかおーいお茶を買おう」
②選択の単純化
ある企業や製品に対するイメージが定着していないと情報が混在し、ユーザーは適切な選択をすることが難しい状態になってしまいます。イメージが定着することでユーザーが持つ情報が整理され、迷わず選択をすることができるようになります。
例:「電化製品を買いたいけど、どこに買いにいけばいいのか迷う」 → 「電化製品を買うためにヤマダ電機に行こう」
③品質の保証
ブランドの定着により知名度と理解度が向上します。ユーザーと企業が認識する回数が増えるほどユーザーからの信頼度は高まります。信頼度の向上はそのまま品質の保証へと繋がり、ユーザーは品質に対して安心感を得られるでしょう。
例:「Appleは高性能って聞くし、iphoneを買おう」
④自己表現の手段
ブランドの定着により、製品のイメージに対し自分もこうありたいとユーザーが考えることが増えてきます。そのブランドイメージを自己表現の手段とするようになるのです。
例:「おしゃれな人に見られるためにBURBERRYのコートを着る」
企業
企業のメリットは大きく5つです。
①ロイヤル化
ブランドの価値が高まることで、ユーザーから企業へ、愛着心や信頼が生まれます。ここで生まれる愛着心をブランドロイヤリティ(ブランド忠誠度)といいます。ブランドロイヤリティの形成により固定ユーザーが創出されます。極論ですが、ブランディング戦略次第ではターゲットユーザーを独占することも可能なのです。
例:「新商品が出るたびスタバに行く」
②知名度の向上
自社についての認知を拡大することができます。知名度の向上はそのまま競争力強化に繋がりさまざまなメリットを生み出します。
例:「名刺が溜まってきたし、CMで見たSansanのサービスを使ってみようかな」
③アライアンスの強化
アライアンスとは企業同士の協力体制のことです。知名度の向上により、共同サービスの創出や企業提携の機会が増えることになるでしょう。
例:ビックカメラが知名度の向上のため、コラボレーションをおこなおうとしている
→「提携するなら、有名で知名度のあるユニクロにしよう」
→「ビックカメラとユニクロがコラボをおこなう」
④資源調達の優位
知名度の向上は資金や人材の調達を有利にします。銀行や投資家などの資金提供者が重視することは、企業の信頼性や将来性です。ブランドや知名度はそれを証明する一つの指標となります。人材の調達も同様です。認知と信頼度が高い会社はそれだけ人材も集まりやすくなります。
例:「この前上場したあの企業に選考を申し込もうかな」
⑤価格競争の回避
同じ品質や機能を持つ商品でもプレミアム価格で勝負することができ、価格競争に参加する必要がなくなるため、恒常的な利益を獲得することができます。
例:「高くてもラグジュアリーブランドのバッグを買う」
ブランディングのために企業が決めるべき3つのこと
ここまでブランディングのメリットをご紹介してきました。それでは、ブランディングのために企業が決めるべきこととはなんでしょうか。それは、コンセプト・ターゲット・ポジショニングの3つです。
コンセプト
まずは、そのブランドのコンセプトを決めましょう。コンセプトとはその商品にどんなイメージを持ってもらいたいか、もしくは、どんな価値を持たせたいのかということです。ここが最も重要な要素なので、会社の理念や状況を考慮し、しっかりとコンセプトを考えましょう。
ターゲット
次にターゲットとなるユーザーを決めましょう。先程考えたコンセプトはどんなユーザーに対して適切なのでしょうか。ペルソナ設定をおこない、細かくターゲットを設定しましょう。
ポジショニング
続いてポジショニングを決めましょう。ポジショニングは、自社の置かれている環境、参入している市場や競合との差異、ターゲットユーザーやコンセプトなどを考え、最もブランドイメージを定着することができる場所にする必要があります。ポジショニングには4C分析やSWOT分析などのフレームワークの活用をおすすめします。
この3つを決めた上でデザインやロゴ、発信するメディアなどを選定していきましょう。これらを決めないと、せっかくのブランディング施策も冒頭に述べたような不適切なものになってしまいます。
最後に
いかがでしたでしょうか。ブランディングの重要性は正しく理解できましたか?
ユーザーにも企業にもさまざまなメリットがあることがお分かりいただけたと思います。しかし間違ったブランディングをしてしまうとせっかくのブランディングも逆効果になりえます。
今回の記事でお伝えした【①コンセプト ②ターゲット ③ポジショニング】を正しく設定し、より効果的なブランディングができるようになりましょう。
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