AISCEASとは?ユーザーの購買心理からリードナーチャリングを考えてみよう
AISCEAS(アイシーズ)とは、2005年頃にアンヴィコミュニケーションズの望野氏が提唱した、顧客の購買プロセスを説明するモデルです。Attention(注意)Interest(興味・関心)Search(検索)Comparison(比較)Examination(検討)Action(行動)Share(共有)の頭文字を取ったもので、インターネット上でのユーザーの購買心理プロセスを表しています。
昨今、BtoB企業のマーケティング活動でリードナーチャリング(顧客育成)が重要視されるようになってきましたが、実際に注力できている企業は多くないのが実情です。
今回は、顧客の購買プロセスAISCEAS(アイシーズ)というモデルに照らし合わせて、どのようにリードナーチャリングを行っていけばよいのかを解説したいと思います。
また、「手っ取り早くリードナーチャリングについて知りたい!」という方向けに、「リードナーチャリング実践ガイド」もご用意していますので、ぜひダウンロードしてご覧ください。
リードナーチャリングとは?
リードナーチャリングとは、見込み顧客(Lead)に対して、メール配信やセミナーへの誘導などのアプローチを段階的に行って、受注・継続していただける顧客へと育成(nurturing)していくことを指します。特にBtoBでは、サービスや製品が比較的高額かつ購買決定までに複数人が関わるため、検討期間が長く、受注に結び付けるには中長期的な関係作りが重要です。
AISCEAS(アイシーズ)とは?
AISCEAS(アイシーズ)とは、2005年ごろにアンヴィコミュニケーションズの望野氏が提唱した、顧客の購買プロセスを説明するモデルです。
インターネットの普及により、購買プロセスにWebを使った製品の検索や比較といった行動が加わるようになりました。従来、このような購買プロセスにおいては、AISAS(アイサス)を用いることが多かったのですが、AISCEASは、より詳細に顧客の購買心理プロセスを分けたモデルとなります。
顧客がweb上で製品を購入した場合、下記の図のように、順番に購買プロセスが変わっていきます。
- Attention (注意)
- Interest(関心)
- Search(検索)
- Comparison(比較)
- Examination(検討)
- Action(購買)
- Share(共有)
このような購買プロセスはBtoBにおいてもほぼ変わりません。2014年に行われた「中小企業マーケットにおける IT 製品の購買実態調査(2BC株式会社)」 によると、IT製品の購買検討時には95%の人がネット検索を利用しているといった結果が出ました。
ただ、BtoBにおいては、購買金額が高いことや意思決定者が複数いること、社内調整を行う必要性があることから、BtoCよりも購買プロセスが長期化・複雑化する傾向があります。
そこで重要になるのは、以下の点です。
- ①各プロセスにおける顧客状況を理解すること
- ②顧客の状況に応じて適切なアプローチ方法を考えること
これらの要素を鑑みて適切なマーケティング施策を講じることで、顧客の購買段階を次のフェーズに進めるのです。それでは、具体的に見ていきましょう。
AISCEASの視点からリードナーチャリングを考える
①各プロセスにおける顧客状況を理解する
どんな製品でも、それを知っていなければ購買に至るということはありません。記事や広告、メールマガジンなどによって、製品に対する注意(Attention)・関心(Interest)が呼び起こされます。
また、上記のメディアを通じて顧客にある程度の問題意識が生じると、Googleなどの検索エンジンから製品検索(Search)や比較(Comparison)をします。
この検索や比較の段階は、顧客が能動的に情報を得ようとしている点で、受動的に情報を受けとっている注意や関心の段階と大きな違いがあります。検索エンジンや製品比較サイトから自社Webサイトに流入してきた顧客は、製品導入の可能性が高いのです。
ある程度の情報収集が終わると、実際にいくつかの製品を検討(Examination)する段階に入り、営業から話を聞くことになります。製品導入(Action)後、製品の感想や評価などをベンダーに共有(Share)します。
②顧客の状況に応じて適切なアプローチ方法を考える
製品を購買してもらうには、何よりも認知が必要です。記事サイト掲載やメディア広告で製品を知ってもらい(Attention)、自社Webサイトやメルマガ配信で興味や関心(Interest)を引きましょう。
顧客が検索(Search)段階に入ったら、SEO対策や比較媒体掲載などで、顧客のWebサイトへの流入を増やしましょう。上でも述べたように、検索や比較段階(Comparison)に入っている顧客は購買意欲が高まっている状態です。ここで自社の製品が比較対象に入ることが重要です。そして、実際に営業が対応(Examination)し導入(Action)に繋げるのです。
BtoBにおいては、導入後の顧客のフォローも重要です。顧客との継続的に情報を共有(Share)することによって、アップセルやクロスセルが生まれます。
ここで挙げたアプローチ方法を全て同時にすることはできません。大切なことは、顧客の購買プロセスと自社の現状を照らし合わせながら、どこにボトルネックがあるのかを考えることです。
まとめ
最初に述べたとおり、リードナーチャリングのゴールは、受注に繋げることです。そのために、AISCEASの視点から顧客の現状を知り、それに応じた適切なアプローチを行うことで、次のフェーズに進めるのです。
しつこいテレアポや配信して終わりのメルマガ、製品導入後のフォローが無い営業対応などは見込み顧客の損失を招きます。
マーケティング活動を行う際には、ぜひ、AISCEASの視点を意識してみてください。
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