ホワイトペーパー作成方法を解説!事前準備から配信方法まで紹介

BtoBマーケティングにおいて、ホワイトペーパーを活用する企業が増えています。しかし、いざホワイトペーパーの制作にとりかかろうとしても、何から始めたらよいかとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ホワイトペーパーを作成する際の事前準備から、実際に作成する際のポイントまでをご紹介します。さらに、作成後の配信方法や配信後の運用方法まで詳しく解説していきます。
ホワイトペーパーとは
ホワイトペーパーとは、BtoBマーケティングなどで活用される自社製品やサービスの「お役立ち資料」や「事例資料」といった資料全般のことです。基本的にはPDF形式で配信され、自社サイトなどからダウンロードしてもらうためにユーザーのニーズに合った有益な資料を公開します。
ここでは、ホワイトペーパーを配信する目的や、種類についても確認していきましょう。
ホワイトペーパーを配信する目的
目的①新規リードの獲得
ホワイトペーパーを配信する1つ目の目的は、ダウンロードによって自社の製品やサービスをまだ知らない潜在顧客や、すでに比較・検討段階にある見込み顧客などの情報を獲得することです。
例えば、Web上に掲載されたホワイトペーパーのダウンロードと引き換えに、個人情報を入力してもらうことで顧客の情報を獲得することができます。
このように読者がダウンロードしたいと思える有益な情報をホワイトペーパーで発信することで、これまでは潜在的だった顧客との接点をもつことができるのです。
目的②リードナーチャリング
2つ目の目的は、見込み顧客の育成であるリードナーチャリングです。ホワイトペーパーをきっかけに獲得した見込み顧客に対して、ホワイトペーパーを活用したリードナーチャリングを行うことができます。
例えば、ダウンロードされたホワイトペーパーの種類によって見込み顧客の課題や興味・関心を把握することができます。それに合わせた情報提供を行うことで、自社商品やサービスへの購買意欲を高めることができるのです。
目的➂受注確度を高める
3つ目の目的は、ホワイトペーパーによって顕在化された顧客の受注確度を高めることです。
リードナーチャリングの結果、興味関心度の高まった顧客に対して、よりサービスについて詳しい内容のホワイトペーパーを配信します。そうすることで、より関心度を高め、効率的な受注活動へとつながります。
このようにホワイトペーパーの活用は、配信する種類によって段階的に見込み顧客へのアプローチを行うことができるのです。
ホワイトペーパーの種類
ホワイトペーパーは、ユーザーが求めている情報に合わせて作成する必要があります。ここでは主に活用されるホワイトペーパーの3つの種類をご紹介します。
・課題解決型
ホワイトペーパーで最も基本的な型となるのが課題解決型です。ノウハウ資料や用語集などの情報提供資料が主流で、まだ自社や自社サービスを知らないターゲットに対して、自社サービスの認知や、新規リードの獲得に効果的です。
ターゲットの「よくある課題」をテーマに、課題の要因と、解決策を提示し、課題解決に至るための方法として自社製品を紹介します。具体的な課題を掲載することで、ターゲットが製品を利用したときのイメージがしやすく、導入に意欲的になってもらうことができます。
・事例紹介型
自社製品によって課題解決に至った企業の導入事例を紹介するのが事例紹介型です。導入企業の課題や、製品導入に至った理由、さらに導入による効果を実際の例に基づいて紹介します。
課題に対して具体的な解決事例の提示ができるため、ニーズが顕在化しているユーザーの受注確度を高めることができます。
・レポート型
調査レポートや解説レポートといったレポート型のホワイトペーパーは、業界情報や自社で実施したアンケートをもとに作成されるホワイトペーパーです。ユーザーが知りたいと思っていることをテーマとして紹介します。
レポート型のホワイトペーパーで有益な情報提供ができれば、潜在顧客を含めた多くのユーザーにサービスを認知してもらうことができます。
ホワイトペーパーの作成方法
ホワイトペーパーについて理解することができたでしょうか。ここでは、さっそくホワイトペーパーの作成方法を紹介していきます。
【準備編】
作成にとりかかる前に、まずは事前準備から始めましょう。
1.ホワイトペーパー作成の目的を明確にする
ホワイトペーパー作成の際は、まず自社が何のためにホワイトペーパーを配信したいのか明確な目的を定めます。
例えば、「成約率の向上」や「製品認知度の向上」など自社の解決したい課題を洗い出し、その課題を解決するための目的を設定しましょう。目的が明確になることで、配信するホワイトペーパーの種類を決めることができます。
2.ニーズの洗い出し
次に、自社の製品で解決できる顧客のニーズが何かを洗い出します。顧客の課題が自社の製品によってどのように解決できるのか理解することで、ホワイトペーパーの内容やテーマを定めることができます。
3.ターゲットを決める
ホワイトペーパーを作成する際には、配信するホワイトペーパーを誰にダウンロードしてもらいたいのか明確なターゲットを設定しておくことが大切です。
また、ターゲットを明確にするために、実際に実在する人物のように仮説した「ペルソナ」を設定するとよりニーズに合わせたホワイトペーパーを作成することができます。
4.テーマを決める
ターゲットが明確になったら、そのターゲットが「解決したい課題」をもとにテーマを設定します。
まずは、幅広く網羅的にテーマを考え、その中からターゲットに合わせて有益なコンテンツとなるよう絞り込みを行いましょう。
5.ストーリーを決める
目的に合わせたターゲットやテーマが決まったら、ホワイトペーパー全体のストーリーを決めていきます。ターゲットが当事者意識を持って読み進めることで、購買意欲を向上させることがポイントです。
「ターゲットの状況や背景」や「商品やサービスを導入することで得られるメリット」を伝え、読むことでターゲットの購買意欲が高まるようなコンテンツの流れとなるよう、意識してみましょう。
6.ボリュームを決める
全体の流れが決まったら、最後にホワイトペーパーのボリュームを決めます。
ホワイトペーパーには2~3ページのように軽めのものもありますが、基本的には10〜20ページで作成されます。それ以上ページ数が多くなると読者の集中力が続かず最後まで読まれないこともあるため、内容やターゲットに合わせた、適切なボリュームに設定しましょう。
【制作編】
事前準備ができたら、いよいよホワイトペーパーを作成していきます。ここでは読者に読んでもらうため、より伝わりやすいホワイトペーパーにするためのポイントをご紹介します。
・興味を引くタイトル設定
ダウンロードしてもらえないことには内容を読んでもらうことのできないホワイトペーパーにおいて、タイトル設定が重要となります。
まずは読者が「読みたい」と思ってもらうためにも、タイトルだけ書いてある内容がわかるようにしましょう。またタイトル内に数字を使うことで、より興味をひくことができます。
・先に結論を伝える
ホワイトペーパーの内容は、結論から先に伝えるようにしましょう。一般的な「起承転結」の構成では読者が結論にたどり着くまでに離脱してしまうこともあるため、結論を先に伝え、そのあとに理由や根拠について解説することがポイントです。
また、ターゲットのニーズが大きいとされる内容から作成することも重要です。知りたい情報がすぐに読めるような構成を意識して作成しましょう。
・図表とテキストのバランス
作成の際は、1ページの内容を1つのメッセージに絞っておきましょう。
1ページにたくさんの情報を詰め込みすぎると、伝えたいことがわかりづらくなってしまいます。グラフや図表も活用し、テキストばかりの内容とならないことで読みやすいホワイトペーパーにすることができます。
またフォントは1種類で統一し、カラーも3色に絞るなど視認性を確保し、読み手がわかりやすいホワイトペーパーを作成しましょう。
・難しい専門用語は使わない
ホワイトペーパーをダウンロードする読者が、業界に詳しい人ばかりとは限らないため、専門的な用語や内容は極力避け、一般的な言葉で説明するようにしましょう。
どうしても専門的になってしまう場合には、用語の解説や、例題を挙げて誰でも理解しやすい文章にすることが大切です。
ホワイトペーパー作成の注意点
ホワイトペーパーを作成する際に、気を付けたい注意点についてもご紹介します。
情報の引用元を確認する
ホワイトペーパーに調査結果や引用データを掲載する場合は、信頼できる情報機関からのデータを引用しましょう。不正確な資料の引用は、自社の信用問題に関わります。
官公庁や財団法人のような公的機関の情報を引用し、引用する際には必ず出典元を記載しておきましょう。
自社サービスの売り込みはしない
ホワイトペーパーは、読者の課題解決につながる情報提供のための資料であることが大前提です。自社サービスの売り込み資料になってしまうと読者は有用性を感じず、離脱してしまう要因になりかねません。
まずは、読者が有用だと感じる情報提供を徹底し、自社サービスのセールスとなる部分は最後に添える程度に作成しましょう。
情報は常にアップデートする
ホワイトペーパーに掲載されている情報は、常に最新のものにアップデートすることが大切です。古い情報のまま配信を続ければ読者から自社の信頼を失う要因となってしまいます。
そうならないためにも、ホワイトペーパーの定期的な見直しとブラッシュアップは忘れずに行いましょう。
ホワイトペーパーの配信方法
ホワイトペーパーの作成ができたら、いよいよ配信です。ホワイトペーパーはダウンロードされることで初めてユーザーに読んでもらうことができます。ここでは、より多くのユーザーにダウンロードしてもらうための配信方法をご紹介します。
自社サイトに掲載する
最も一般的な方法が自社サイトでの掲載です。自社に興味を持ってサイトに訪れたユーザーにダウンロードしてもらうことができます。
ダウンロードサイトに掲載する
自社サイトではなく、ダウンロードサイトのような外部のプラットフォームを活用する手段もあります。自社サイトとの接点のないリード層の獲得につながることもあります。
メルマガに掲載する
ホワイトペーパーをメルマガで配信する方法もあります。すでにメルマガを購読しているユーザーに向けて配信できるため、自社製品への興味度合いを高めるリードナーチャリングの効果があります。
ブログやSNSを活用する
ブログやSNSで発信する方法です。ブログから自社サイトへの流入を促したり、SNSで拡散してもらうことで、これまで自社に興味がなかった層にも訴求できる可能性があります。
ホワイトペーパーを効果的に活用するために
ホワイトペーパーは「ダウンロードしてもらったら終わり」ではありません。より多くダウンロードしてもらうためにはどうしたらよいか、またダウンロード後のユーザーの見込み度合いを高めるために取り組むべきことをご紹介します。
ダウンロード後のフォロー
ダウンロード後には、お礼メールの送信やフォローコールなどを行い、関係性の構築を図りましょう。ダウンロード後に、見込み顧客ごとに適切なアプローチをかけるリードナーチャリング施策を行うことで、見込み度合いを高めていくことが重要です。
配信先を増やす
先ほどお伝えした配信方法の中から、一つを選び配信するのではなく、複数の方法を活用し、接点を増やすことでダウンロード数も増加していきます。自社サイトでの掲載だけではなく、さまざまな方法を検討してみましょう。
PDCAを回す
ホワイトペーパーを作成、配信後には定期的な見直しやアップデートが必要です。ホワイトペーパーの情報のアップデートだけではなく、配信先ごとの効果を検証し、改善することでダウンロード数を増やすことにつながります。
ホワイトペーパー作成における課題
ホワイトペーパーを作成する際の課題として、制作に時間がかかることや、制作に人員を割けない、そもそもホワイトペーパーの構成を作るノウハウがないなどがあります。
この課題を解決するための一つとして、外注するという選択肢もあるでしょう。しかし外注する場合には、それなりのコストが必要となります。
そこで、自社にある既存資料を活用して、ホワイトペーパーを作成する方法があります。
社内で既に作ってある既存の営業資料などを編集し、ホワイトペーパーとして配信すれば、作成の労力やコストを削減し、配信できるホワイトペーパーの数を増やすことにもつながります。
時間やノウハウがなく制作に悩んでいる場合は、まず自社にある資料の活用を検討してみましょう。
まとめ
ホワイトペーパーは、今後もマーケティング施策として欠かせない施策です。作成の際は、目的・ターゲットを今一度明確にし、ユーザーにとって有用な情報とは何か改めて考えてみましょう。
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