ウェビナー開催のメリットや課題、オフラインとの違いとは?

在宅勤務や外出自粛により、動画・音声配信でのセミナー(ウェビナー、オンラインセミナー)の開催が増加しました。受講者は自宅や会社、電車の中などでパソコンやスマートフォン越しにセミナーに参加でき、その手軽さから受講する人が増えています。
ウェビナーの開催や需要は今後も続くと思われますが、その一方で課題も見えてきました。今回は、オンラインでセミナーを開催するメリットや課題、オフラインセミナーとの違いなどを解説していきます。
ウェビナーとは?
「ウェブ」と「セミナー」を組み合わせた単語で、「オンラインセミナー」や「Webセミナー」という言い方もあります。
BtoBでも外出自粛や感染を防ぐためにウェビナーを行う企業が多くなっています。株式会社サイカの「企業の広告宣伝担当者201人に聞いたテレワーク環境下でのセミナー開催に対する意識調査」によると、自粛期間中は回答した約7割の企業が自社セミナーをオフラインからオンラインセミナーへ切り替えました。規制緩和を受けて、オフラインに戻す企業もあるものの、今後のセミナーは「全てオンライン開催」「一部対面に戻す」と答えた企業は約7割でした。
この調査からは、今後も感染対策でウェビナーの開催は続くと推測されます。ウェビナーのメリットやデメリットを理解した上で開催していきましょう。
ウェビナーを導入するメリットとは?
ウェビナーとオフラインセミナーでは様々な違いがあります。では、ウェビナーを導入するメリットとは何でしょうか。詳しくご紹介していきます。
ネット環境があればどこでも受講・配信できる
オフラインセミナーは人口が多い大都市圏で行われることが多く、地方や海外在住者の受講は難しいというデメリットがありました。また地方や海外在住でなくても、オフラインセミナーはホールや会議室など特定の場所で行われていたので、受講者は時間と交通費をかけて現地へ足を運ぶのが一般的でした。一方、ウェビナーなら場所を選ばずネットさえあれば受講でき、移動時間や交通費がかかりません。
また、配信側としても会場を用意する必要はなく、講師の自宅や会社などでマイクやカメラなどを設置すれば開催できます。ホールや会議室では収容人数の問題もありますが、ウェビナーであれば参加者数を気にせずに集客が可能となります。
気軽に参加できる
仕事や移動しながらなど、好きな場所・場面で気軽に参加できます。オンラインという気軽さは受講者の負担を軽くすることから、配信側の集客のハードルを下げることにも繋がります。忙しい・なかなか時間が取れない、といった理由で今まで受講することができなかった層にもアプローチすることができるのはウェビナーの大きな魅力です。
会場費や配布物が無いため、コスト削減になる
受講者のために会場をレンタルしたり、配布物を用意したりする必要はありません。受講者のための受付や案内係、営業も不要で、講師と進行やカメラマンなど配信に必要な人員のみでも配信でき、人件費がかかりません。よって、オフラインセミナーと比べるとコストが大幅に削減されます。
録画されているセミナーなら、一時停止や見直しができる
ウェビナーでは、受講者は一時停止をしたり、見直しをしたりして、もう一度確認したいところを視聴できます。
また、配信側は録画したセミナーを社内で共有し見られるようにしておくことで社内教育に役立てられます。
コメント(チャット)機能を使えばリアルタイムで質問ができる
チャット機能を利用したウェビナーでは、セミナーを聞きながら反応を返すことができます。気軽に質問できるので、質疑応答の際に大勢の前で発言するのは勇気がいる、内気な性格なのでなかなか聞けない...といった従来のセミナーで遠慮しがちであった受講者の心的負担を軽減し、より理解を深められるでしょう。
オフラインセミナーでは質疑応答の時間まで待たねばなりませんが、ウェビナーなら好きなタイミングで講師に疑問や感想を言えます。
講師もリアルタイムでの質問や感想など受講者の反応に答えることができるので、チャットが盛り上がるとウェビナー自体も、密度の濃いより有意義なものとなります。
ウェビナーのデメリット・課題は?
これまでウェビナーのメリットを挙げてきましたが、オフラインセミナーと比べるとデメリットや課題もあります。確認していきましょう。
講師や受講生と直接会えず、関係構築が難しい
ウェビナーは直接会ってコミュニケーションが取れません。受講者同士も交流がしにくく、関係構築が難しいという課題が挙げられています。
また、ウェビナー中は受講者のうなずきや表情、態度などを確認することが難しいので、チャットを使った質疑応答やセミナー終了後の交流会、SNSを用いたコミュニティ作りなど、一方通行にならないような工夫が必要です。
配信状況の不具合が生じるかもしれない
セミナー配信側、受講者側どちらのネット環境も整っていないと、映像が止まったり音が途切れたりしてしまいます。マイクやカメラなど機材のトラブルもあるかもしれません。配信側は事前にリハーサルをして機材や通信状況をチェックしたり、何人まで配信OKか?などを確認したりして、ネット環境を整えておきましょう。
事前に確認していても通信トラブルなどは起こりうるので、途中で映像・音声が途切れる場合は受講者にリロードや再立ち上げをしてもらう等、落ち着いて対応すれば大丈夫です。
受講者の流し見や離脱になりやすい
Faber Companyの「Webマーケター100名超を対象に"ウェビナー"の意識調査を実施調査」によると、受講者の半分が流し見という回答が得られました。
従来のセミナーでは途中で退席すると非常に目立つので受講者は途中で席を立つことは滅多にしません。ウェビナーは気軽に参加することができる反面、流し見や離脱になりやすく、配信側の課題でもあります。
流し見や離脱を防ぐには、録画で見逃し配信をしたり、チャット機能やアンケート機能を利用したり、リアルで参加する仕掛けを作るなどの工夫が必要です。
ウェビナーとオフライン(リアル)セミナーの違いは?
ここまでご紹介してきた、ウェビナーとオフラインセミナーのメリット・デメリットを踏まえて、両者の主な特長や違いをまとめました。
- ウェビナー
- ・場所は自由。地方や海外でも参加OK
- ・配布物の用意が不要、物理的な開催場所は不要、コストが削減できる
- ・講師+α(司会・アシスタントなど)のみで開催できる
- ・リアルで交流できないので、受講者とコミュニケーションをとる時はオンラインならではの工夫が求められる
- オフラインセミナー
- ・場所は固定、大都市圏で開催されることが多い
- ・会場費、人件費、搬入費用などコストがかかる
- ・受付や営業、案内係など講師以外にも人数が必要
- ・受講者や講師が目の前にいるので、温度感が分かりやすい
ウェビナーかオフラインセミナーか迷うときは、開催したい内容とマッチしているかを検討してみましょう。座学中心ならウェビナー、対面での実技や体験が必要ならオフラインセミナーが合っています。オフラインセミナーを開催するときは、部屋の換気をする、席の間は広く空けるといった感染対策に気を付けましょう。
オンラインとオフライン両方をうまく取り入れてイベント開催を
ウェビナーの開催が増え、いつでもどこでもセミナーに参加できるのは便利な反面、オンラインセミナーはオフラインの完全な代わりにならないことも分かってきました。リアルで開催したほうがよいセミナーもありますが、ウェビナーによって地方や海外からも参加できる人が増えたことも事実です。
今後も感染予防をしつつ、オンラインとオフラインのよいところを取り入れて自社の魅力が伝わるセミナーを開催していきましょう。
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