Webマーケターなら知っておくべき5大Webブラウザ、その特徴と違い

日頃何気なく使っているGoogle ChromeやInternet ExplorerといったWebブラウザ。そもそもWebブラウザとは何なのか、どのような違いがあるのか、ということを改めて考えることはなかなかないですよね。
しかしWebマーケターのみなさんはそういうわけにはいきません。なぜならブラウザによっては、Webサイトやサービスがうまく機能しないことがあるからです。知らない間にずっと不具合が発生していた...なんてことはよく聞く話ですし、恥ずかしながら私自身も経験しました。こんな事態に陥らないためには、ブラウザカットでWebを見る視点が必須です。
今回は、Webマーケターなら知っておくべきWebブラウザのポイントについて、まとめてご紹介します。
Webブラウザとは?
Webブラウザとは、インターネット上にあるWebページの情報を、画面に表示するための閲覧ソフトのことです。
Webブラウザの「ブラウザ」は、「browse(拾い読みする)」という単語からできた言葉で、元々はコンピュータ上でさまざまなファイルを見るためのソフト全般のことを意味していました。画像を見るためには画像ブラウザを、テキストを読むためにはテキストブラウザを使用しているのです。しかし、インターネットの普及に伴って、ブラウザという言葉は「Webブラウザ」を指すようになりました。
現在は、
- 1.Google Chrome
- 2.FireFox
- 3.Safari
- 4.Internet Explorer
- 5.Microsoft Edge
の5つのブラウザが主に使用されています。では、どのブラウザが良く利用されているのでしょうか?
OSやブラウザのシェアを可視化できる「StatCounter」というサービスで2017年1月~9月のデータを集計してみると、世界でのシェア(図a)はChromeが過半数を占めるのに対し、日本でのシェア(図b)はChromeが36.54%、Safariが24.98%、IEが17.42%...と幅広く利用されていることがわかります。
特にIEは、世界でのシェアは4.03%ですから、日本でよく利用されているブラウザといえますね。
- ■標準ブラウザ
標準ブラウザは、コンピュータやスマートフォン、タブレットに標準装備されているブラウザのことを指します。
Windows製品であれば、Internet Explorer(以下IE)やMicrosoft Edge、Apple製品(macOS)であればSafariが標準ブラウザとなっています。また、AndroidOSのスマートフォンやタブレットでは、Google Chromeが標準ブラウザになりつつあります。
- ■アップデート
Webブラウザにはアップデートが存在し、このアップデートはマーケターにとって非常に重要なポイントです。
例えば、IEなら【IE6→7→8→9→10→11】のようにアップデートされてきました。機能追加やバグ修正などが行われており、最新のブラウザを使用しないとサイトが正しく表示されなかったり、読み込みが遅くなったりしてしまうので、注意が必要です。
5大ブラウザ、特徴を徹底解説
ではさっそく、5大ブラウザの特徴を見ていきましょう!
Google Chrome
ITの巨人Googleが開発するWebブラウザ、Google Chrome。2008年と比較的最近できたブラウザですが、世界でも国内でもシェアはNo,1となっています。
その理由は高速ブラウジングと豊富な拡張機能。Page AnalyticsなどのGoogleのツールを拡張機能で使用することもでき、Webマーケターに非常に人気です。ただし、Google Chromeの使用にはかなりのメモリを必要とするため、同時にWordやExcelなど他のソフトを使用すると動きが重くなってしまうこともあリます。
- 【Google Chromeの特徴】
-
- ・各ブラウザの中で最速と名高い
- ・アプリやテーマ、拡張機能が充実している
- ・Googleのツールを使用しやすい
- ・Chromeは使用中は、他のソフトの動きが悪くなる可能性がある
FireFox
オレンジのキツネでおなじみのFireFox。Mozilla社が開発提供するWebブラウザで、2004年にFireFox1.0が提供開始されました。アップデートのサイクルが早いため、新しい技術を試したい人、特に技術者に人気のブラウザです。今では一般的な「タブ」での表示形式にも迅速に対応していました。
- 【FireFoxの特徴】
-
- ・アップデートサイクルが早く、新しい技術や機能を試しやすい
- ・拡張機能やテーマが豊富
※補足
コンテンツのマルチプロセス化が導入された「Firefox 54」が2017年6月にリリースされました。タブごとに処理を分離することで、読み込みの高速化と安定性の向上に成功。最速と名高いGoogle Chromeを抜くか...!?
Safari
コンパスのアイコンが可愛らしい、Appleが開発提供するWebブラウザ、Safari。macOSの標準ブラウザのため、Apple製品ユーザがそのまま使用していることが多いブラウザです。JavaScriptエンジンが最適化されており、Macにおいては高速ブラウジングやバッテリー持ちの良さを実現しています。
- 【Safariの特徴】
-
- ・macOSでの高速ブラウジング
- ・拡張機能も使用できる
- ・色や文字の表示がきれい
Internet Explorer
Microsoft社が開発提供するWebブラウザが、「e」のマークでおなじみのInternet Explorer。IEは1995年に提供開始され、インターネット黎明期を支えてきたブラウザです。Windowsの標準ブラウザとして高いシェアを誇ってきましたが、セキュリティの問題や新しい技術への対応に迫られ、Windows10からは「Microsoft Edge」がWindowsの標準ブラウザとなりました。
しかし依然としてIEのシェアは高く、IEにしか対応していないサイトや、IEしか使用できない企業もあるためIEを軽視することはできません。IE7・8は、Webサイトのデザインが崩れやすいので、注意が必要です。
- 【Internet Explorerの特徴】
-
- ・バージョンの古いIEを使用していると、正しくサイトが表示されないことがある
(特に7・8) - ・IEでないと見れないサイトもある
- ・IE8までは動作が遅いという問題があったが、9から改善
- ・バージョンの古いIEを使用していると、正しくサイトが表示されないことがある
Microsoft Edge
Microsoft社が、IEの後続として開発したWebブラウザがMicrosoft Edgeで、2015年に提供が開始されました。Windows10から、Windowsの標準ブラウザとして搭載されています。
Microsoft Edgeでは、相互運用性が重視されています。Google ChromeやSafari、FireFoxとも相互に運用できたり、PCのWebサイトだけでなく、スマートフォンやタブレットで見られることを前提に制作されたWebサイトとも相互に運用できるよう開発がされているのです。またCortanaという名前のAIを搭載しています。
- 【Microsoft Edgeの特徴】
-
- ・相互運用性を重視
- ・書き込み機能、リーディング機能、AIを搭載
- ・拡張機能にも対応
Webマーケターなら知っておきたいブラウザの2つのポイント
① ブラウザが異なると、表示も異なる
同じWebサイトでも、Google Chromeで見る場合とFirefoxで見る場合で見え方が異なる場合があります。なぜならば、それぞれのブラウザごとに情報の読み取り方や表示方法が異なるからです。
自社のWebサイトやサービスが主要なブラウザに表示対応しているか、という観点は非常に重要です。
② 世間でのシェアと自社サービスにおけるシェアは異なる
先にも説明しましたが、2017年10月現在、日本におけるパソコンでのブラウザシェアは、
- 1.Google Chrome
- 2.Safari
- 3.Internet Explorer
- 4.FireFox
- 5.Microsoft Edge
の順になっています。
特にBtoB企業に限って見れば、シェア3位(17.42%)だったIEが実はもっと大きなシェアを占めている可能性があります。なぜならBtoBの企業の中には、企業内のセキュリティの関係で「IEしか使えない」という企業もあるからです。IEを使用しているユーザの割合が比較的高いという傾向もBtoBマーケターであればおさえておきましょう。
また、国内のシェアと自社サービス・製品におけるブラウザのシェアは異なるということもおさえておくべきポイントです。自社サービス・製品においては、どのブラウザを使用しているユーザが多いのかを知っておくことで、迅速にブラウザのアップデートに対応することができます。
自社WebサイトにGoogleAnalyticsを導入しているのであれば、実際にどんなブラウザで見られているのか可視化することができます。
GAを開いて「ユーザー」→「テクノロジー」→「ブラウザとOS」で見れるので、定期的にチェックすることをおすすめします。その際、割合だけでなく「特定のブラウザでのCVRが極端に落ちていないか」など、主要数値も併せて確認しましょう。
「いつもChromeで見ていたから、IEでお問い合わせページの送信ボタンが押せないことに気づかなかった...!コンバージョン数がガタ落ちだ!!」なんていう事態は、今回ご紹介した「ブラウザカット」という視点を持っていれば避けることができるのです。
さいごに
Webブラウザについて特徴やポイントをおさえることができたでしょうか?Webブラウザはアップデートが多く、変化が激しいソフトウエアです。日々アンテナを立てていないと、気付かない間にあなたの運営しているWebサイトやサービスがWebの流れから取り残されてしまうかもしれません。
ぜひ「ブラウザカット」の視点を持って、Webサイトやサービスの運営を行ってくださいね。