テレアポとは?テレアポを成功させる9つのポイント

BtoB営業において、テレアポは今なお有効なリード獲得手段の一つです。対面営業やWeb施策と比べ即効性が高く、見込み顧客と直接コミュニケーションを取れるのが大きな強みです。
しかし「難しい」「成果が出にくい」と感じる声も少なくありません。この記事では、テレアポの基本からメリット、成功のポイント、改善方法までを詳しく解説します。
- ▼この記事でわかること
- ・テレアポの基本的な役割と、インサイドセールスとの違い
- ・テレアポが「難しい」と言われる理由
- ・テレアポ成功の具体的な9つのポイント
- ・テレアポ実施後の改善方法
テレアポとは
テレアポとは、「テレフォンアポイントメント」の略で、電話を使って見込み顧客にアプローチし、商談や打ち合わせの約束(アポイント)を取得する営業手法です。
BtoB企業では、マーケティング部門やインサイドセールス部門が主に担当し、フィールドセールスが効率的に訪問・提案できるように支援する重要な役割を果たします。リストをもとに1件ずつアプローチし、見込み度の高いリードを抽出する作業でもあります。
テレアポの目的
テレアポの主な目的は、「アポイントの獲得」つまり商談のきっかけを作ることです。具体的には、商品やサービスに関心を持つ可能性のある企業と接点を持ち、アポイントを獲得することで営業活動のスタートラインに立つことが目的です。
また、初期接触を通じて顧客ニーズを探り、顧客の抱える課題に対し、自社がどれだけ価値提供できるのか見極める役割もあります。
インサイドセールスとの違い
テレアポとインサイドセールスは似ていますが、活動範囲と目的に違いがあります。テレアポはアポイント獲得に特化した業務であり、主に「対面機会を創出するための電話」を目的とします。これに対して、インサイドセールスは、電話やメール、Web会議ツールなどを使い、非対面で顧客と中長期的な関係を築きながら、商談化までを担う役割を持ちます。
つまり、テレアポは「商談の入り口づくり」であり、インサイドセールスは「商談までの育成」と言い換えることができます。
インサイドセールスについては、以下の記事もご覧ください。
インサイドセールスとは?向いてる商材、必要なツールなど徹底解説!
テレアポが難しいといわれる理由
BtoB営業においてテレアポが「難しい」と言われる背景には、いくつかの要因があります。まず大きな壁となるのが、アポイントにつながらないケースが多いことです。
これは、使用しているリストが適切でない場合に起こりやすく、ターゲットとなる業種・役職・企業規模などがズレていると、いくら良いトークをしても響きません。この場合は、リストの精度を見直し、ターゲットの選定を最適化する必要があります。
また、断られることが多い点も難しいとされる一因です。特にテレアポには「営業電話=押し売り」というネガティブなイメージがつきまといがちで、相手に構えられてしまうことも多くあります。
こうした印象を払拭するためには、一方的な売り込みではなく、相手の課題や関心に寄り添ったアプローチが重要です。あくまで「相手の役に立ちたい」という姿勢を持つことで、対話のきっかけが生まれやすくなるでしょう。
テレアポを実施することで得られる2つのメリット
ここでは、テレアポを実施することで得られる具体的なメリットを解説します。
1.多くの見込み顧客に効率的にアプローチできる
テレアポの大きなメリットの一つは、短時間で多数の見込み顧客に直接アプローチできる点です。対面営業では、移動やアポイント調整の時間がかかるため、1日に接触できる企業数には限界があります。
対面営業の場合、1日2〜3件が限度ですが、テレアポであれば1日に50〜100件の架電を行うことも可能です。これにより、営業リソースを最大限に活用しながら、効率よくターゲット企業との接点を増やすことができます。
2.短期間で成果につながりやすい
もう一つのメリットは、他の施策と比べて早期に成果が見込める点です。たとえば、Webマーケティングや展示会出展などはリード獲得までに一定の時間がかかりますが、テレアポはその場で相手のニーズを確認し、すぐにアポイントを獲得できる可能性があります。
リード獲得から商談へのスピード感が求められるBtoBビジネスにおいて、テレアポは「即効性」のある施策として非常に有効です。
テレアポを成功させる9つのポイント
ここでは、テレアポを成功させるために押さえておきたい9つのコツについて見ていきましょう。
1.相手企業を事前調査する
相手企業の業種や事業内容、規模などを事前に把握しておくことで、より的確な会話が可能になります。たとえば「最近◯◯の製品をリリースされましたね」といった一言があるだけで、相手に「調べてきている=誠実で信頼できる」という印象を与えることができます。
2.トークスクリプトを作成する
あらかじめトークスクリプトを用意することで、伝えるべき内容の漏れや会話の詰まりを防げますが、重要なのは相手に応じて柔軟に内容を調整することです。
業界や役職によって関心のある課題やキーワードは異なるため、スクリプトも汎用的ではなく「A社向け」や「経営者向け」など細分化すると効果的です。
3.声量や声のトーンを意識する
電話では表情が見えない分、声が印象を左右する要素になります。明るくハキハキとした声で話すことは基本ですが、相手の反応に合わせてトーンを調整する柔軟さも必要です。
また、話すスピードが早すぎると聞き取りにくく、遅すぎると間延びしてしまうため、適度なテンポと明瞭さを意識しましょう。
4.テレアポの目的を伝える
電話を受けた相手は「何の話だろう?」と身構えています。そのため冒頭で「本日は簡単にご案内だけさせてください」や「◯◯についてご提案の機会をいただければと思い、お電話いたしました」といった形で目的を明確に伝えることが重要です。これにより、相手の不安を取り除き、スムーズに会話を進めることができます。
5.簡潔に説明する
テレアポでは「短く、わかりやすく、要点を伝える」が鉄則です。自社の紹介や提案内容をコンパクトにまとめ、「自分たちに関係ある話だ」と思わせることで、会話の継続率やアポイント獲得率が高まります。逆に冗長な説明は途中で切られる原因にもなります。
6.仮説を立てて説明する
相手が抱えていそうな課題をあらかじめ想定し、「◯◯のような課題を感じておられませんか?」といった仮説ベースで話すと、相手の興味を引きやすくなります。
このように会話を進めることで、相手に「この人は自分たちのことを理解している」と感じさせ、会話の主導権を握ることができます。また、仮説が的確であるほど、話の流れがスムーズになり、アポイント獲得の可能性も高まるでしょう。
7.導入事例やデータに基づいて説明する
「実際にこのサービスを導入したA社では、◯カ月で◯◯%改善しました」のような具体的な事例は、相手の納得感や信頼感を大きく高めます。
また、数値データやグラフを活用すれば、より説得力が増します。可能であれば同業種・同規模の企業の事例を提示すると、より「自分ごと」として受け止めてもらえる可能性が高まるでしょう。
8.自社の製品やサービスの知識を身につける
基本的な機能や特徴はもちろん、競合との違いや活用事例なども理解しておくと、会話の中で相手に合わせて柔軟に説明できます。
「よくある質問」に対する回答を用意しておくことも有効です。知識が浅いと信頼を損なうだけでなく、せっかくの関心をアポイントにつなげられない事態にもつながるため、日々の勉強が欠かせません。
9.顧客にあわせたタイミングで実施する
時間を取ってゆっくり話を聞いてもらうことができればアポ獲得率の向上につながるかもしれません。そのためにも、担当者が忙しい時間を避けて電話をかけることも大切です。
一般的に午前中は朝礼や会議があることが多く、午後は外回りの可能性もあります。そのため夕方から退勤時間あたりにかけてみましょう。
テレアポ後の改善が成功のカギ
テレアポの成果を高めるには、架電後の振り返りが不可欠です。単に電話をかける回数を重ねるだけでは成果は向上しません。これまでの会話から学びを得て、改善を積み重ねることが、成果を安定的に生み出すカギとなります。
振り返りによるトークスキルの改善
アポイントが取れたケースと、断られたケースの両方を分析することで、「どの伝え方が効果的なのか」「どのタイミングで相手が関心を失ったのか」などの傾向が見えてきます。
録音データやメモを活用し、自分の話し方や言い回しを客観的に見直すことで、伝え方の質を継続的に高めることができます。また、他のメンバーの成功事例を参考にして改善していくことも効果的です。
気持ちの切り替え
テレアポでは断られることが多く、精神的なダメージを受けやすいのも事実です。しかし、断られるのは個人に対する否定ではなく、タイミングやニーズの不一致であると捉えることが重要です。
テレアポの結果に一喜一憂せず、次の架電に向けて前向きな気持ちを切り替える力も、成果を上げるうえで欠かせないスキルのひとつです。チーム内で声を掛け合ったり、ポジティブな習慣を取り入れるなどして、モチベーションを維持できる環境づくりもポイントです。
まとめ
テレアポは、BtoB営業において今も有効なアプローチ手段のひとつです。対面営業に比べて効率的に多くの見込み顧客と接点を持つことができ、短期間で成果を出しやすいというメリットがあります。
しかし、アポイント獲得の難しさや断られることへの心理的負担もあるため、事前準備やトーク設計など、戦略的な実行が不可欠です。
テレアポについては、以下の記事も参考にしてみてください。
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