営業メール例文集|アポ取りから商品提案まで、書き方やコツを解説

企業などに訪問するのではなく、メールを活用して営業活動を行う「営業メール」は、様々な営業活動の中でも比較的コストをかけずに行える手法です。お互いの時間を調整せずに手軽に行えることから多くの企業が実施しています。
しかし書き方や、送付のタイミングによってはなかなか成果を感じられないこともある手法ともいえます。そこでこの記事では、成果を高めるために営業メールの作成で意識しておきたいポイントや、すぐに使える例文集、さらには送付前の注意点まで詳しくご紹介します。
営業メールのメリットとデメリット
まずは、営業メールのメリットとデメリットについて見ていきましょう。
営業メールのメリット
メリット①:時間や場所を問わず送信できる
営業メールの1つ目のメリットは、時間や場所の制限なく送信できることです。
リモートワークも増えていることから、従来の訪問営業やテレアポは成果の出にくい手法となってきています。それに対してメールは、オフィスにいなくても送受信が可能であり、送信相手も自分の都合のいいタイミングで開封することができます。
メリット②:一度に多くの人にアプローチできる
訪問営業やテレアポの場合、1人の顧客に対して1人の営業担当者が対応する必要があります。対してメールの場合は、一斉送信を活用すると一度に多くの顧客へのアプローチが可能なため、より効率的な営業活動となるのです。
メリット➂:テキストとして残る
メールでは、送信した内容がテキストとして残ることから口頭で説明するよりも、顧客が理解しやすいことがメリットといえます。
また、途中で担当者が変わった際にもメールの履歴からこれまでのやり取りを確認できスムーズな引継ぎが可能となります。さらに顧客との認識の違いによるトラブルなども減らすことができるでしょう。
営業メールのデメリット
デメリット①:読んでもらえないこともある
送信したメールが必ず開封してもらえるとは限らない点はデメリットといえるでしょう。
一日に多くのメールを受け取るビジネスパーソンは、メールの見落としや、見ず知らずの差出人からのメールを開封しないこともあります。そこで、開封率を高めるための件名の設定や、送付時間などを工夫することが求められます。
デメリット②:不信感につながることも
一度に多くの人にアプローチできることがメリットである営業メールですが、一斉送信であるがゆえに顧客の興味のない内容であったり、高頻度で送られてくる営業メールは、不信感を抱かれることもあります。さらに、誤字や脱字などが自社のイメージダウンにつながることも考えられるでしょう。
訪問営業やテレアポに比べ、気軽に実施できると思われる営業メールですが、文字だけでやり取りするからこそ、細心の注意を払い作成することが重要となります。
デメリット➂:アポ獲得率は高くない
訪問営業や、テレアポに比べアポ獲得率が低いこともデメリットの1つといえます。訪問やテレアポの場合、顧客と直接対話できることからその場でアポを獲得できる確率も高くなります。対して、文字でのやり取りが全ての営業メールでは、コミュニケーションが取りづらく、アポ獲得率が低い傾向にあります。
営業メール作成時に押さえておきたいポイント
ここでは、営業メールの作成で意識しておくべきポイント7つをご紹介します。
1.営業メールの構成
せっかくメールが開封されたにもかかわらず、構成が整っていないことから読みづらさを感じ、最後まで読んでもらえないこともあります。メールを送信する目的や、内容によって異なることもありますが、まずは、基本的な構成を見ていきましょう。
- 宛名
- 一番初めに、相手の名前や会社名を記載します。
わかる場合には部署や役職も記載することでより丁寧な印象を与えます。 - 挨拶と自己紹介
- 挨拶文は過去に取引のある相手と取引がない相手によって使い分ける必要があります。取引がない相手の場合には挨拶文の後、「貴社のホームページを拝見しご連絡いたしました。」といったようにどういった経緯でメールを送ったかも説明しましょう。
- メールの主旨
- 次に、営業メールを送った理由を簡潔に説明しましょう。
ここでは、商品やサービスの詳細を説明するのではなく「自社サービスについてご紹介のお時間をいただきたく、ご連絡いたしました。」のように主旨を端的に伝えます。 - 本文
- 本文も的確で簡潔に、相手にわかりやすい内容となるよう心がけましょう。
- 結びの言葉と署名
- 最後に、返信締切やお礼文を記載し、自分の名前や会社名、問い合わせ先となるメールアドレスや電話番号を記載します。
このように大まかな構成をテンプレート化し、決めておくことで効率的にメールを作成することができます。
2.件名にこだわる
受信したときに一番初めに目にするのが件名です。メールの開封率を高めるためにも、開封したくなるタイトルの設定が重要となります。
例えば、開封するメリットとなるインセンティブの押し出し、興味を引くキラーワード、数字を活用し具体性を出すなど、短文で具体的なタイトルにすることがポイントです。また、送り元の会社名も件名に入れることで誰からのメールか一目でわかり不信感を取り除けます。
3.本文は簡潔に
本文では、自社のサービスや商品についてアピールしすぎると文章量が多くなってしまい、最後まで読んでもらえないこともあります。まずは、改行や箇条書きを意識し、端的に簡潔で読みやすい文章で作成しましょう。
4.メリットを提示する
メールを読んで「もっと詳しく話を聞いてみたい」と思ってもらえることが、アポ獲得への第一歩となります。そのためにも、時間を割いてでも会う価値があると思ってもらえるような相手にとってのメリットを提示することが重要となります。
まずは顧客の立場に立ちメリットを考え、魅力的なメールにすることを意識しましょう。
5.アポ日程は候補を絞って提示する
メールでのアポ打診の場合、お互いの空いてる日程を擦り合わせ会う日時を決めていくため、手間と時間がかかります。
そこで重要となるのが、あらかじめ具体的な日時を絞ってこちらから提案することです。「以下の日程はいかがでしょうか?」と3つ程度の候補に絞り提示しましょう。
また日程の変更や複数人が参加する打ち合わせの場合には、日程調整ツールを活用することで、アポ日程の設定を効率的に行うことができます。
6.求めるアクションを明示する
メールを読んだ相手に対して、次にどのようなアクションを起こしてほしいのかも明確に記載しておきましょう。例えば、会員登録や、アポ日程の返信、セミナーの申し込みなどメールの目的に合わせ、具体的な行動を提示しましょう。
また、いつまでにアクションするべきかの期限を設定しておくことも大切です。
7.送信元は自社ドメイン
営業メールを送る際は、必ず自社ドメインのアドレスから送信しましょう。フリーメールのアドレスの場合、迷惑メールと判断されてしまうこともあります。
また、個人アドレスではなく、代表アドレスを使用しましょう。個人と顧客のやりとりではなく、企業と顧客の関係として管理することで、送信後に配信履歴を共有したり、同じ顧客に対しての二重送信を防ぐことにもつながります。
シチュエーション別例文集
営業メールは、送付する相手やシチュエーションによりそれぞれに合わせた内容で作成することが効果的です。ここからは、実際の営業メールに引用できるシチュエーション別の例文をご紹介します。例文集を活用することで、効率的に営業メールを作成することができます。
・基本のアポ取りメール
まずは、アポ獲得を目的とした基本的なメールです。新規顧客向けと既存顧客向け、それぞれをご紹介します。
新規顧客向け
〇〇株式会社
△△様
突然のご連絡にて失礼いたします。
株式会社〇〇の〇〇と申します。
貴社のホームページを拝見しご連絡いたしました。
この度、貴社の事業において弊社のサービスがお役に立てるのではないかと思い、
ぜひ〇〇様とお会いしてご紹介させていただきたく、ご連絡をいたしました。
もしよろしければ、直接内容をご説明できればと考えております。
下記日程のご都合はいかがでしょうか?
・10月24日(月)11時、13時、17時
・10月25日(火)14時、17時
・10月26日(水)15時、17時
上記以外でも、〇〇様のご都合のよい日時を折り返しご指示いただければ幸いに存じます。
ご多忙のところ大変恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。
署名
既存顧客向け
〇〇株式会社
〇〇部 部長
△△様
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
先日メールにて「●●(自社サービス)」の資料をお送りしましたが、
ご覧いただけましたでしょうか?
※こちらから再度ダウンロード可能です
本日は、「●●」について
ご紹介のお時間をいただきたく、ご連絡いたしました。
お打ち合わせでは、貴社の現状の課題感をお伺いし
その上で、具体的な活用イメージをお伝えできればと存じます。
下記日程のご都合はいかがでしょうか?
・10月24日(月)11時、13時、17時
・10月25日(火)14時、17時
・10月26日(水)15時、17時
上記以外でも、〇〇様のご都合のよい日時を折り返しご指示いただければ幸いです。
ご多忙のところ大変恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。
署名
・商品提案メール
新規顧客と、これまでに取引のあった顧客に新商品の提案を行うメールをそれぞれご紹介します。
新規顧客向け
〇〇株式会社
△△様
突然のご連絡にて失礼いたします。
「●●(自社サービス)」という製品を販売しております
株式会社〇〇の〇〇と申します。
この度、貴社の事業において弊社のサービスがお役に立てるのではないかと思い、
ご連絡をいたしました。
弊社の「●●」を導入していただくことで、貴社の業務の大幅な効率化が期待できます。
つきましては、当社の事業内容の資料を添付させていただきます。
ツール導入前の準備や運用開始後の活用方法など役立つ情報をまとめましたので、
ぜひご一読くださいますようお願い申し上げます。
ご多忙の中とは存じますが、もしご興味がございましたら、
ご返信を頂戴できますと幸いです。
署名
既存顧客向け
〇〇株式会社
〇〇部 部長
△△様
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
先日は弊社サービスについて、お話するお時間をいただき誠にありがとうございました。
本日は、この度新たにリリースいたしました「●●(自社サービス)」について
ご紹介のお時間をいただきたく、ご連絡差し上げました。
この商品の特徴は、〇〇なことや、△△ができるという部分です。
無料トライアルもご用意しておりますので、ぜひご活用いただければと思います。
前向きなお返事がいただけましたら、詳しい導入のご案内をさせていただきます。
お申し込みは、下記のURLからご確認ください。
URL:~~~
ご多忙のところ大変恐縮ですが、
何卒ご検討くださいますようお願い申し上げます。
署名
・リマインドメール
営業メールがアポ獲得につながった場合は、商談の日時を改めて確認しておくリマインドメールを送信しましょう。そうすることでお互いアポ日程の確認ができ、丁寧な印象を与えることができます。
〇〇株式会社
〇〇部 部長
△△様
いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
先日メールにてお話しさせて頂きました打ち合わせにつきまして、
お約束の日時が近づいて参りましたので、改めてご案内申し上げます。
日時:△月△日13:00~
場所:オンラインにて実施(URL~~~)
当日は何卒、よろしくお願い申し上げます。
署名
・お礼メール
商談後は当日中か、遅くても翌日までにお礼のメールを送信しましょう。商談内容の議事録や、資料も一緒に送ることで、あとから商談内容を振り返ることができたり、社内検討の際に活用してもらえる可能性もあります。迅速で丁寧な対応は、好印象を与えることができるため忘れずに行いましょう。
〇〇株式会社
〇〇部 部長
△△様
いつも大変お世話になっております。
本日貴社にお伺いした、〇〇株式会社の〇〇です。
本日はお忙しいところ、打ち合わせのお時間を頂戴しありがとうございました。
貴社の現状や課題についてお聞かせいただき、心よりお礼申し上げます。
△△様からお伺いした課題やご要望に関しまして、
弊社で対策を検討しつつ、次のご提案に活かしていきたいと思います。
もし、追加のご要望やご質問などがございましたら、お気軽にご相談ください。
本日の商談内容をまとめましたのでご活用いただければ幸いです。
URL:~~~
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
署名
・再フォローメール
営業メールを送った相手がメール未開封の場合、再度アプローチを行うことが効果的です。
〇〇株式会社
〇〇部 部長
△△様
いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
先日ご案内させていただきました新商品の「●●(自社サービス)」について
ご連絡差し上げました。
新商品「●●」ですが、おかげさまで大変好評となり
3か月で〇社の企業様にご活用いただいております。
△月△日までにご連絡を頂けますと、
特別価格での提供が可能ですので、今一度、ご検討いただければと存じます。
ご希望の際は下記のURLから申請ください。
URL:~~~
ご多忙のところ大変恐縮ですが、
何卒ご検討くださいますようお願い申し上げます。
署名
送信する前に確認しておきたい3つのポイント
営業メール作成後、送信する前に確認しておきたい3つのポイントをご紹介します。
言葉遣いを確認する
対面でやり取りしないメールは、送られてきた文章でその人の印象が判断されます。不信感を抱かせないためにも営業メールを送信する前は誤字脱字や、不適切な表現がないか必ず確認しましょう。
例えば、謙譲語と敬語の表現間違いや、「ご覧になられる」のような二重敬語もよくある間違いです。さらに、「了解しました」なども使われることが多いですが、ビジネス敬語としては適切ではありません。「了解しました」は「承知いたしました」と表現しましょう。
添付資料を確認する
営業メールでは、資料やホワイトペーパーなども添付することも多いと思います。添付忘れや、異なった資料の添付などのミスがないように必ず確認しておきましょう。
また、添付資料のデータが重すぎると相手が受信できない場合もあるので、ファイルを圧縮することやURL化するなどの対応が必要です。
送信時間を確認する
少しでも営業メールの開封率を高めるために、メールを送信する時間帯も忘れずに確認しておきましょう。
テレアポにも電話に出てもらいやすい時間があるように、メールも読まれやすいタイミングがあります。例えば、始業時間にメールチェックすることを想定し午前中に送信したり、外回りから帰って来る終業時間間際に送信することがおすすめです。
また休み明けにはたくさんのメールが届いていることが想定でき、自社のメールが埋もれてしまうこともあります。そのため週半ばに送るなど相手に読んでもらえるタイミングを考慮して送信しましょう。
営業メール作成を効率化するために
営業メールの目的は、あくまでもアポイントの獲得や商品の成約へとつなげることです。メールを作成すること自体が目的ではないため、作成には時間をかけすぎず効率化していくことも大切です。ここでは、メール作成を効率化するためのポイントを見ていきましょう。
例文を活用してテンプレ化する
先述した例文集を活用するなどし、あらかじめ本文をテンプレート化しておくことで作成時間を短縮することにつながります。また、編集内容が少ないことで誤字脱字などのミスを減らすことにもつながります。
自動化でコスト削減
メール配信ツールを活用することで、お問い合わせや資料請求フォームの送信を自動化することができたり、複数人への一斉送信も効率的に行えるようになります。
また、ツールを導入することで開封率の確認やアクセス解析も容易になり、人的コストを削減することにもつながります。
まとめ:メール送信後は効果測定も忘れずに
メール配信ツールを活用している場合には、送ったメールの開封率や、メールに記載したURLからのアクセスも可視化することができます。
開封されていないことがわかれば、送付時間やタイトルを変更するといった新たな対策を講じることができたり、相手がクリックしたURLを確認することで興味のありそうな商品やサービスを見極め、興味度合いに基づいた施策を行うことができるようになります。
このように営業メールは送信して終わりではなく、その後の効果測定も忘れずに行い、改善を行うことで効果的な営業活動へとつなげることが重要となるのです。
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