売れるトークと売れないトークの違いとは?押さえておきたい営業トークのコツ

営業トークが苦手で、商談をスムーズに進められないと悩んでいる営業担当者の方も多いのではないでしょうか。この記事では、営業トークが失敗する理由から、覚えておきたいトークのコツ、さらに売れるトークと売れないトークの違いまで詳しく解説していきます。
営業トークが失敗する理由
まず初めに、営業トークが失敗してしまう理由について見ていきましょう。
顧客に寄り添った会話ができていない
営業トークには一般的なトークのパターンが記されたテンプレートが多くあります。しかし、顧客が商品の購入を決めるのは、自社にその商品が必要と感じた時です。そのため、常にテンプレ通りに商品説明やセールスポイントを伝えるだけでは、成約には至らないでしょう。
営業活動においては、顧客が抱える課題を聞き出し、それを解決する方法を提案することが重要となります。テンプレ通りに会話を進めるのではなく、まずは顧客に寄り添う姿勢で顧客1人1人に合わせてトークを進めることが大切です。
営業担当者が自信をなくしている
営業活動は、上手くいかないことの方が多いもの。断られ続けることで、自信をなくしてしまう営業担当者がいます。しかし、自信をなくしたまま営業を続けることで、余計にトークがうまくいかなくなってしまいます。「断られることは当たり前」と割り切ることも大切です。
また、自社の製品やサービスに魅力を感じず、売ることに抵抗がある場合には、もう一度自社製品について改めて調べてみましょう。自分自身が製品の良さを知ることで、顧客に対しても自信をもってトークができるようになります。
初回商談から成約させようとしている
初めての商談で成約まで取り付けることを考えトークを進めている場合、うまくいかないと感じてしまうことも多いのではないでしょうか。そもそも営業活動は、すぐに結果の出るものではなく地道な活動を継続することで成果を得ることができるものです。
初回の商談では、「信頼関係を築くこと」や「アポイントの獲得」をゴールとして始めるなど、まずは小さなゴールを目指して少しづつ成約へと進めることが大切です。
営業トークの流れ
ここでは、営業プロセスのフェーズに合わせたトークの流れをご紹介します。
1.挨拶
第一印象となる最初の挨拶や名乗りは、その後の話を聞いてもらえるかどうかに大きく影響します。相手先に訪れたら、自ら挨拶を切り出し自分の会社と名前をはっきりと伝えましょう。明るく丁寧に挨拶をすることで、相手に安心感と信頼感を与えることができます。
2.アイスブレイク
アイスブレイクとは、初対面の相手や商談相手と接するときに、緊張感をほぐしてスムーズにコミュニケーションできる状態にするための会話のことです。
アイスブレイクで場を和ませることができたら、要件を伝えます。ここでは、商品の説明をするのでなく、端的に相手に興味をもってもらえる内容を伝えましょう。
3.ヒアリング
次に、顧客の課題やニーズのヒアリングを行います。顧客の状況や困っていることを聞き出すことで、顧客自身もまだ気づいていない潜在ニーズの発見にもつながります。十分にヒアリングを行い顧客の現状を把握することで、顧客ごとのニーズに寄り添った提案に進むことができるのです。
またこのヒアリングの段階では、自社商品の売り込みは行わず、顧客の状況を把握することに徹することが重要です。
4.オファー
顧客のニーズや課題が明確になったところで、自社商品の説明・提案に入ります。
ここで重要となるのは、相手の課題やニーズに対してメリットとなる内容を伝えることです。自社の商品やサービスを使うことによって、相手の課題解決の役に立つということを説明します。実際の導入事例や実績など、客観的なデータに基づいて伝えることが大切です。
5.クロージング
オファーの段階で購入意欲を高めることができていれば、顧客に購入や契約を検討してもらうクロージングに移ります。継続的に良好な関係を築くためにも、押し売りするのではなく、顧客に判断を任せましょう。
また、今回の商談で契約に至らなかった場合には、次回以降の商談をどのように進めるか認識をすり合わせ、明確にしておくことも大切です。
営業トークのコツ
ここまで、営業トークの一連の流れについて解説しました。ここでは、その流れに沿ってフェーズ別のトークのコツを見ていきましょう。
アイスブレイクのコツ
・相手を褒める
アイスブレイクでは、「相手を褒める」というのも、打ち解けるための近道になります。会社の立地やオフィス環境、名刺のデザイン、相手のスーツの着こなしなど、身近なところから褒める点を探してみましょう。オフィスに向かうまでの道中で素敵なポイントを探しておき、その点を褒めるのも好印象です。
・アイスブレイクの目的を忘れない
アイスブレイクを行う目的は、緊張感をほぐし相手に主体的になってもらうことです。しかし緊張感が和らいだ結果、雑談が長くなっている場合には、一旦話を切り上げることも必要です。
ヒアリングのコツ
・具体的な質問をする
ヒアリングというと、相手の課題やニーズを聞き出すために聞く側に徹するイメージですが、具体的な質問を投げかけることで、顧客のニーズを探っていくことができます。
例えば、状況質問・問題質問・示唆質問・解決質問の流れで質問を進めていくと、相手が答えやすくなります。このとき質問内容を忘れないためにも、ヒアリングシートを作成し、活用することも効果的です。
・顧客にとってのゴールを確認する
ヒアリングを行う際は、「顧客のゴール」は何かを明確にしておくことも重要です。顧客が求めている課題解決とはどのような状態なのか明確にすることで、ヒアリング後のオファーで最適な提案を行うことができます。そのためも、相手がどのような課題を抱えていて、何を目的としているかしっかり聞き出すことが重要です。
オファーのコツ
・契約後を想像してもらう
オファーでは、ヒアリングで明らかになった顧客の課題を自社の製品を活用することで解決できるということを伝えます。顧客の課題と、自社製品を結びつけることができれば、顧客は自身に必要なサービスであると考え、成約へとつながります。
また、契約後にどのように活用していくか説明することで、無意識に契約を前提にした内容で会話を進めることができます。他社の事例などを踏まえ、購入後の活用シーンを具体的に説明しましょう。
・不安要素を取り除く
相手が契約に踏み切れない主な理由として、以下の3つが挙げられます。
- ・もっと安いものはないか
- ・もっと良いものはないか
- ・この営業マンは信頼できるか
このような購入を悩む理由を解消してあげることで、契約への後押しとなります。また、こちらから先に切り出して解消することで、自社への信頼や安心につながります。一つ一つ丁寧に説明し顧客の不安を解消しましょう。
クロージングのコツ
・テストクロージングを行う
相手の興味度合いや、商品への認識度がわからないままクロージングを行うのではなく、まずは「製品に興味はありますか」や「詳しい資料をお送りしましょうか」などのテストクロージングを行いましょう。
テストクロージングを行うことで、現段階での興味度合いを図ることができ、相手に合わせたアプローチを行うことができます。
・商談中の沈黙を恐れない
沈黙は、相手が真剣に検討している時間と言えます。むやみに会話を続けるのではなく、相手のペースに合わせ、考えが整理されるのを待ちましょう。顧客が感じる疑問に寄り添い、不安要素を解消していくことで成約へとつなげていきましょう。
スムーズな営業トークにはトークスクリプトを活用しよう
営業トークをスムーズに進める為に、事前にトークの流れや展開を想定した「トークスクリプト」を作成しておきましょう。
この時、自分が話す内容だけでなく、相手の反応に対する受け答えのパターンも用意しておくことも重要です。トークスクリプトがあることで、気持ちに余裕を持って会話を進めることができます。落ち着いたトーンでのトークは、相手に安心感を与えることにもつながります。
売れる営業トークと売れない営業トークの違い
売れる営業トークと売れない営業トークの違いは、会話の主語が相手側にあるか、自分にあるか、です。
「自社商品を販売したい」という思いから、自社商品のセールスポイントばかり話していては成約にはつながりません。営業では、商材を売り込むことではなく、顧客が抱える課題を抽出し、それを解決する方法を提案することが重要となるのです。
そこで商談の中では、「弊社の商品は」といった自分を主語としたトークではなく、「御社の課題には」といったように相手側を主語としてトークを進めることが大切です。
そうした相手側を主語としたトークをするためにも、いかに顧客のニーズを引き出すかが重要となります。ヒアリングのコツでもお伝えしたように、具体的な質問をし、顧客のニーズをしっかりと探っていきましょう。顧客の気持ちに寄り添ったトークをすることが成約への近道となります。
上手な営業トークに必要なスキルは?
商談を成立させるには、自身の営業スキルも必要となります。コミュニケーション能力やヒアリング能力など様々ありますが、中でも「聞く力」であるヒアリング能力が重要といえます。
顧客が抱える課題を聞き出し、その課題解決の為に自社製品を提案することで成約へとつながる商談において、まずは「聞くこと」に注力しましょう。このようにトークのコツを実践していくなかで、少しづつスキルを身に着け、自身の営業力を向上させていくことが大切です。
まとめ:営業トークのコツを押さえて商談を成功させよう
苦手に感じていた営業トークも、コツを覚えることで自信となり、うまく進めることができるのではないでしょうか。 うまくいったトークやうまくいかなかったパターンなど、商談ごとに振り替えりトークスクリプトをブラッシュアップしていくことも大切です。