オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンを理解して、商談をスムーズに進めよう!
商談の中で、お客様の課題をヒアリングするときやお客様に判断をしてもらうクロージングのときなど、様々な場面で「質問」は有効な手法です。相手の状況に合わせて適切な質問を行うことで、商談の成功率を高めることができます。
その質問には「オープン・クエスチョン」と「クローズド・クエスチョン」の2パターンがあることをご存知でしょうか。それぞれの質問方法が有効なケースを知り、今の商談をもっとランクアップさせましょう。
オープン・クエスチョンとは
「これについて、どう思いますか?」「今後どうしていく予定ですか?」などのように、相手が答える範囲に制約を設けず、自由に答えてもらうような質問の仕方です。オープン・クエスチョンは相手からより多くの情報を引き出したい場面で有効です。
しかし、親しくない相手に選択肢が多過ぎる質問をすることで、心理的負担をかけてしまうこともあるので注意が必要です。そのため、5W1H(いつ/どこ/だれ/なに/なぜ/どうやって)を用いて、答える範囲をある程度限定するとよいでしょう。
クローズド・クエスチョンとは
オープン・クエスチョンは相手が自由に答えられる質問でしたが、クローズド・クエスチョンは相手が「はい、いいえ」の二者択一や「AorBorC」の三者択一などで答えられるような、回答範囲を狭く限定した質問の仕方です。 クローズド・クエスチョンは相手の考えや事実を明確にしたい場面などで有効です。オープン・クエスチョン同様にあまり多用すると、相手を無理に誘導したり追いつめてしまい尋問のように感じさせてしまったりする場合があります。
それぞれの質問の特徴と有効なケース
オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンはそれぞれ多用してしまうと、相手を不快にしてしまう恐れがあります。そのため、状況に応じて使い分けることが必要です。それでは、使い分けをするためにそれぞれの質問の特徴と有効なケースを見ていきましょう。
◆オープン・クエスチョンの特徴
オープン・クエスチョンは相手に自由に回答してもらう質問の仕方であるため、会話の幅が広がりやすいのが特徴です。
たとえば「今利用しているシステム・ツールにご不便な点はありますか?」というクローズド・クエスチョンでは「ない」と答えられると会話が続きません。しかし、オープン・クエスチョンで「今お使いのシステム・ツールでは、どこにご不便を感じられますか?」と質問することで回答の自由度が広がるため、相手の答えに対してさらに質問をすることもできます。その結果として、次の会話へとつなげることも可能です。
◆オープン・クエスチョンが有効なケース
「ニーズを探る・追加の情報を得るときはオープン・クエスチョンで!」
お客様が抱えている課題や具体的なニーズ、購入までの検討プロセスについての情報のヒアリングや質問への答えに対して、さらに深い情報を得たいときにはオープン・クエスチョンが有効です。
- (質問例)
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- 「弊社のお客様からはA、Bについての問題があるとよく伺います。御社ではいかがでしょうか?」
- 「〇〇様はどのような目標やミッションをお持ちですか?」
- 「今後稟議を挙げていただく際にどのような情報があればよろしいでしょうか?」
- 「もう少し詳しく教えていただけますか?」
またニーズのヒアリング以外にも、商談の最初のアイスブレイクで使うこともできます。初対面での初回商談の場合は、お互いに緊張感や距離感を感じていることがあるでしょう。オープン・クエスチョンを用いることによって、相手の心を少しでも開いてもらいます。
- (質問例)
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- 「御社のホームページに記載のあった〇〇という社内イベントは、いつからやっているんですか?」
- 「〇〇様の部署ではどのような仕事を行っているのですか?」
- 「受付の方の挨拶がすごく気持ちよかったです。御社では挨拶についてどのような教育をしていらっしゃるのですか?」
◆クローズド・クエスチョンの特徴
クローズド・クエスチョンは「Yes/No」などの択一で答えてもらえばいいので、相手が答えやすいというのが一番の特徴です。営業では相手のことを知るのが重要ですが、初対面やまだ相手のことを知らないときには、どう会話を進めればいいか分からないことも少なくありません。この状況で相手が答えにくいオープン・クエスチョンを使ってしまうと、気まずい雰囲気になってしまう可能性もあります。そのためクローズド・クエスチョンで相手の興味・関心を探れば会話のきっかけを掴めるでしょう。
◆クローズド・クエスチョンが有効なケース
「商談中やクロージングはクローズド・クエスチョンで!」
商談中やクロージングのときにはクローズド・クエスチョンを織り交ぜるのが有効です。その理由はシンプルで、成約へ向けて商談を誘導するためです。オープン・クエスチョンでは、上述のように回答の自由度が高いため商談があらぬ方向に進んでしまう恐れがあります。クローズド・クエスチョンで相手の回答を制限することによって、商談のゴールへと流れを作ることができるでしょう。
- (質問例)
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- 「現在抱えているお悩みは〇〇ということでよろしいでしょうか?」
- 「次回のお打合せは、来週の木曜日と金曜日ではどちらがよろしいでしょうか?」
- 「では、午前中と午後ではどちらがよろしいですか?」
さいごに
質問によって商談の成否が決まるといっても過言ではありません。相手が抱えているニーズを引き出すためには、商談の状況に応じた適切な質問が必要不可欠です。今回ご紹介したオープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンの特徴を押さえたうえで、使い分けるようにしましょう。
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