メールマーケティングを成功へ導く「ペルソナ」設定方法は?メリットと作成法を紹介
メールマーケティングを成功させるためには、「誰に送るか」を明確にしておくことが重要です。「見込み顧客」とひとくくりにしても、購買意欲の高低差や、自社への興味関心の強弱は変わるからです。
メールを配信したい相手は「企業のどの部署に所属しているか」「抱えている課題はどんな内容か」という「ペルソナ設定」ができていると、配信メールのミスマッチを防げるはずです。また配信したメールから有益な情報が得られた見込み顧客の心を掴みやすくなり、営業に上手くつなけげられるでしょう。
そこでこの記事では、メールマーケティングにおけるペルソナ設定の重要性と、ペルソナ設定をするときのポイントを紹介します。
「ペルソナ」設定がメールマーケティングで重要な理由
メールマーケティングでは「ペルソナ設定が成功の鍵」といわれるほど、あらかじめ配信対象を細かく分析しておくことが重要です。なぜペルソナ設定が必要なのかという理由を、得られるメリットと共に紹介します。
配信対象の実情を把握できる
メールを配信する見込み顧客が、どのような事業を行い、現段階で抱えている課題は何か、という実態を掴めていないと、配信する内容がマッチングしなかったり、自社の何を紹介すべきか分からなかったりするでしょう。相手のことが分からなければ、コンタクトが取りにくいはずです。
見込み顧客に関する情報を収集してペルソナを作成すると、相手の課題や興味・関心内容などが見えてくるため、どんな内容のメールを配信すればよいかが分かりやすくなります。毎回「どんな内容にしようか」とメールコンテンツのシナリオ作りも悩まずに済むでしょう。
見込み顧客の欲しい内容が配信しやすくなる
見込み顧客の実情を把握できれば、メールにどんな内容を盛り込み配信すれば役立ててもらえるかが掴みやすくなります。「役立ててもらえそう」と思ってもらえれば、配信したメールは開封されやすく、受け取った見込み顧客にとっても有益な情報が得られて、双方にとってメリットになるでしょう。
例えば、メールマーケティングを展開している見込み顧客で「効果を上げるためのノウハウを知りたい」と思っていても、「開封率を上げたい」場合と「自社サイトへの誘導数を増やしたい」場合では対策が変わります。「開封率UPの秘訣を教えます!」という内容を送るのであれば、「開封率を上げたい」という課題を持っている見込み顧客に送ったほうがお役立ていただきやすいはずです。
配信メールの開封率やクリック率などがよい結果を得られやすい
前述通り、見込み顧客のニーズに合った内容のメールを配信すれば、読まれる可能性が高くなります。「見込み顧客が抱えている課題の解決に繋がりそうな内容」というのが一目で分かるような件名をつければ、受け取った相手の興味を引きやすく、開封されやすくなるでしょう。実際にメールを開いてみたら役立つ内容で「もっと詳しくこの会社・製品について知りたい!」と思ってもらえれば自社サイトへ誘導しやすくなります。
メールマーケティングの効果を上げるためには「読まれる」メールを配信しなければなりません。ペルソナを設定することでと、優良なメールを配信しやすくなるのです。
BtoBビジネスでの「ペルソナ設定」ポイント
ペルソナ設定は、対個人のBtoCと、対企業のBtoBではやり方が変わります。BtoBビジネスにおけるペルソナ設定のポイントを見てみましょう。
対象は「個人」ではなく「企業・団体」である
BtoCビジネスは個人に向けて事業を展開し、顧客自身に購入決定権があるため、名前や性別・年齢、好みの傾向など「一人分」の情報を収集すれば作成可能です。
しかしBtoBビジネスは購入に至るまで複数人物が関わるため、多くの情報が必要となります。企業の実情を把握すると共に、購入に関係するすべての人に適切なメリットを提示できなければ購入へつながりにくいため、「企業」と「人物」で分けて行うペルソナ設定が重要ポイントです。
どんな事業を展開しているか
当然ながら、見込み顧客である企業がどのような事業を行っているかを把握しておかなければなりません。どういう業界に参入しているのか、どんなサービス提供をしているのか、事業展開のためにどのような施策を行っているのかなど、できるだけ細かく情報を収集しましょう。
どんな課題を抱えているか
自社の製品案内やセミナーへの参加を促すためには、見込み顧客がどんな課題を抱えているかを知る必要があります。メールからの反応で類推したり、市場調査から見込み顧客の業界で起こり得る悩みや課題を想定しましょう。
課題や求めているものを把握できれば、自社のどんな部分が役立てるのかが明確になり、興味を持ってもらえるような案内をしやすくなるはずです。
BtoBメールマーケティングにおける「ペルソナ作成」の手順
それでは、実際にペルソナを作成するときの手順を紹介します。
1.自社が抱えている見込み顧客のグルーピングをする
まず、自社が保有する見込み顧客をグループ分けしましょう。「問い合わせがあった」「セミナーに参加してくれた」など、自社への関心度別でセグメントしたり、数ある企業の中で「受注率が高い業種」の企業はどこか見直したりして、自社にとって優先度が高い見込み顧客を抽出します。
メールマーケティングの効果を上げやすくするためには「自社への関心度が高い見込み顧客」を中心に、施策を考えたほうがよい結果に結びつくはずです。
2.優先度の高い見込み顧客に関する情報を収集する
ペルソナを設定したい見込み顧客の情報を、あらゆる場所から収集します。見込み顧客のホームページや企業案内の資料、見込み顧客が参入している業界ニュースや各省庁の白書を参考にしましょう。また見込み顧客のライバル企業の情報も知っておくと、見込み顧客が強化したいポイントや課題を推察しやすくなります。
外から集めるだけでなく、社内で見込み顧客と関わりのある部署や担当者からも情報を聞いておくのも忘れずにしておきましょう。どんなやり取りがあったか、どんな悩みを抱えていたかなど、できる限り細かく教えてもらいます。情報を部署間で共有できれば、メールマーケティング以外でも作成したペルソナが活用でき一石二鳥です。
3.情報を整理し、「企業」と「人物」に分けてペルソナを作成
前述通り、BtoBでのペルソナは「企業」と「人物」で分けて考えなければなりません。収集した情報を整理し、以下のようにペルソナを作成します。
- 【企業】
- ・企業名
- ・参入している業界・業種
- ・創立年
- ・従業員数
- ・取り扱っている商材
- ・売上・収益
- ・業界での立ち位置
- ・強みと弱み、課題
- 【人物】
- ・名前
- ・所属している部署
- ・役職
- ・決裁決定できるか
- ・経歴・実績
- ・部署内のメンバー数
- ・課題や目標
この他、業界のトレンドや、見込み顧客の将来ビジョンはどう描かれているかなど、事細かに把握しておくとより分かりやすくなります。
作成したペルソナの活用法
ペルソナを設定しておくと、マーケティング活動がしやすくなります。作成したペルソナはどんなことに活用できるかを見てみましょう。
メールコンテンツのシナリオ作成
メールマーケティングを成功させるためには、見込み顧客に読まれやすいメールを配信し、開封してもらいアクションを起こしてもらうことが重要です。大量に配信してメールの母数を増やすことも大切ですが、メール一つひとつの内容が見込み顧客のニーズに合っていれば、信頼関係を結べます。
作成したペルソナを参考にすれば、配信する見込み顧客は何を求めているかをイメージしやすいため、メールコンテンツのシナリオが作成しやすくなるでしょう。受け取る見込み顧客も知りたかったことが分かり「この会社からなら信頼して購入できる」と心を動かしてくれるはずです。
購入プロセスの組み立て
ペルソナを設定しておくと、見込み顧客が購入に至るまでのプロセスを設計しやすくなります。ある程度の道筋が決まっていれば「どのタイミングで」「どんな訴求をすればよいのか」という有効なアプローチ方法も考えられるのです。
マーケティング部門だけでなく、営業やカスタマーサービスなど他部署とペルソナを共有しておくと、商談が進みやすかったり、お問い合わせにスムーズに対応できたりするでしょう。
ペルソナの設定・作成で、メールマーケティングの効果を上げよう
メールマーケティングを成功への軌道に乗せるためには、配信したメールが読まれ、実際に見込み顧客にアクションを起こしてもらわなければなりません。そのためには、見込み顧客にとって有益な情報を配信し続けることが重要です。
ペルソナ設定によって、見込み顧客の実情を把握しておけば、どんな内容を配信すればよいか分かりやすくなります。見込み顧客は欲しい情報を得られるため、メールマーケティングでのペルソナ設計は双方にとってメリットが多いのです。
細かな情報収集をしておけば、メールマーケティングだけでなく他の施策にも役立ちます。BtoBでは企業と人物で分け、参考にしやすい情報を集めていきましょう。