【基礎から解説】メールマーケティングとは?これから始める人必見!

「メールマーケティング」とは、メール配信を通して顧客とコミュニケーションを取り、営業活動をしやすくするためのマーケティング施策の一つです。 近年、SNSがコミュニケーションツールの主流となっていますが、昔ながらの「メール」はいまだに利用者が多く、特にBtoB業界では有効なマーケティング手法として重要視されています。
なぜマーケティングにメールが効果的なのか、メリットやBtoBビジネスで重要視されている理由を見てみましょう。併せて、メールマーケティングの実施方法や、効果を上げやすくするための対策についても紹介します。
メールマーケティングとは
「メールマーケティング」とは、メール配信を通じて見込み顧客とコミュニケーションを取り、営業活動をスムーズかつ効果を高めるためのマーケティング手段のことです。
名刺交換で得たアドレスへメールを配信してアプローチしたり、自社サイトから問い合わせや資料請求をしてくれた見込み顧客へ製品に関する資料をメールの内容に盛り込んだりして、購買意欲を高めていきます。
メールマガジン(メルマガ)との違い
「メールマーケティングってメルマガ配信と何が違うの?」と思っている人もいらっしゃるかもしれません。「メールマーケティング」は「マーケティング施策の一つ」です。様々な手法で適切な見込み顧客にコンテンツを提供し、購買意欲を高め、ちょうどいいタイミングで営業につなげ成果を上げやすくします。
一方、「メルマガ」の呼び名で配信される「メールマガジン」は、企業情報や業界のトレンドなどを一斉配信する手法で、ご紹介した「メールマーケティング」の一種です。同じ内容のメールを見込み顧客に一斉配信するため、個々への対応は難しいですが、全体に伝えたい新製品のリリース情報や、自社サイト更新のお知らせなどの配信には向いています。
BtoBでメールマーケティングが重要視されている理由
冒頭でも触れましたが、BtoBビジネスにおいてメールマーケティングは重宝されています。その理由を見てみましょう。
メールは依然として「身近なツール」だから
令和元年の「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、近年はSNSがコミュニケ―ションツールの主流になってきていますが、30代以上の働き世代ではいまだにメール利用率の方が高いという結果が出ています。実際ビジネスにおいて、社内コミュニケーションは、ビジネスチャットや社内SNSが普及していますが、社外の人とのコミュニケーションは未だにメールが主流です。
つまり、日常的にも仕事においても「メールは身近」なツールといえ、まだコミュニケーションツールの主流になっていないSNSと比べてより多くの見込み顧客と接点を持てるため、メールをマーケティングで活用するのは有効といえます。
多くの顧客と定期的なコミュニケーションができるから
購入決定に複数の役職・部門が関係するBtoB企業は、検討から購入に至るまでの期間がBtoC企業と比べて長いのが一般的です。製品の比較検討から始まり、担当者による商談を経て上層部へ決定権が回り、契約書が作成され締結、という流れで進むケースがほとんどで、場合によっては年単位の時間を要することもあります。
この長い期間にメールなどで定期的にフォローをし続け、検討状況に合わせて有益な情報提供を行うことで、導入検討を前に進めてもらうのです。
しかし、長い購入プロセスの中で、営業担当が直接全ての見込み顧客とのコミュニケーションを取り続けるのには限界があります。抜け漏れがあると獲得した見込み顧客が他社へ流出してしまうこともあるでしょう。メールマーケティングをおこなうことで、営業担当が一人ひとり個別にコミュニケーションを取らなくても、顧客に自社の存在を忘れないような働きかけが可能です。
またメールを通して有益な情報を顧客へ提供し続けられれば、見込み顧客の方からアクションを起こしてくれることも少なくありません。外回りの営業や電話によるアプローチと比べて、メールマーケティングは少ないリソースで多くの見込み顧客を定期的にフォローが可能なため、BtoB企業でも重宝されるのです。
購買意欲の高い見込み顧客の抽出が可能だから
電話や直接の外回りでは、対象の見込み顧客の興味度合いがどのくらいかを知らない状態でアプローチします。そのため、むやみにアプローチしても、直近で検討している見込み顧客に出会う可能性は低くなってしまいます。
一方、メールマーケティングを行うことで、メールから自社サイトに来訪してくれたり、再度問合せや資料請求などを行ってくれる見込み顧客が一定数出てきます。何らかのアクションを自主的に起こしている見込み顧客の方が、検討度合いが高いと考えられるため、直近の商談に繋がりやすくなるのです。
メールマーケティングのメリットとデメリット
では、メールマーケティングを始めるメリットとデメリットについて見てみましょう。
メリット
1.低コストで始められる
メールマーケティング最大のメリットは「低コストで運用できる」という点です。メールマーケティングを始めるのに必要なコストは、メール配信ツールや効果測定をするツールの導入費用と、メールマーケティングを運用する担当者の人件費で、工夫をすれば数千円から始められます。
一方、紙を使用して配送するダイレクトメールは、ハガキ代、印刷代、郵送料など費用がかかります。メールマーケティングは紙を使用する施策と比べてコストをかけずに始めやすい施策といえるでしょう。
2.簡単にはじめやすい
メールを利用していない企業は、近年においてまずないでしょう。そのため、メールマーケティングは、自社が保有している見込み顧客のアドレスリストを活用すればすぐに始められます。
見込み顧客へ配信するメールコンテンツの内容には、自社のWebサイトで活用したコンテンツを再利用したり、事例集を提供したりすることができれば、特別な技術や知識がなくても、手軽に運用ができます。
3.外回りしなくても顧客にアプローチ可能
営業担当が外回りをせずとも、会社の中からメールを配信し、多くの顧客へアピールができるのもメリットです。
外回りでの営業では、移動時間を考えると1日で平均して4~5社を回るのが精一杯でしょう。一方、メールを使えば、自社で持っている全てのメールアドレスに対して一度にアプローチできるため、数千社への一斉アプローチなども可能です。
例えば、似たような状況の見込み顧客を何社かピックアップして、直近の状況伺いメールをまとめて配信する、というようなこともできるのです。
4.効果測定がしやすい
顔は直接見られないものの、メール配信後は効果測定がしやすいのもメリットです。効果検証できるツールを導入すれば、開封率やクリック率が確認でき、どのくらいの見込み顧客がメールの内容に興味を持ったかどうかが分かります。つまりメール配信から、見込み顧客のニーズが掴みやすいのです。
また、配信後思ったような結果が出なかった場合も「どこを改善すればよいか」というのが、メール配信を続けることで見えやすくなります。例えば、配信したメールがあまり読まれなかった場合を例に挙げてみます。
- 製品ページを見てくれた顧客に向けて「導入事例の内容」を配信したが、思ったよりも開封されなかった
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- →「メールの件名」がよくなかったのではないか、という仮説が立つ
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- 前回の件名:多くの企業から支持され続ける「製品A」の魅力について紹介
改良後:製品ページを見た方限定!「製品A」の導入成功事例を紹介します -
- →件名を変えて配信したところ、開封率が前回よりも上回った
- 緊急度や訴求力、顧客にとって有益かが「一目で分かる」件名だと開封されやすいのが確認できた
- 前回の件名:多くの企業から支持され続ける「製品A」の魅力について紹介
あくまで一例ですが、メール配信後の効果測定によって見込み顧客のニーズや自社の課題を浮き彫りにできます。
デメリット
1.中長期的な運用が必要
メールマーケティングは、一度送信すれば効果が出るものではなく、中長期的な運用が必要です。見込み度合いに合わせたコンテンツの配信を続けることで、徐々に見込み顧客の興味関心度を高めていくことができます。
そのため、中長期的にメールマーケティングを運用できる体制作りを行う必要があります。
2.コンテンツの制作に手間がかかる
見込み顧客それぞれの興味関心度合いに合わせたコンテンツの配信を続けることが重要なメールマーケティングで、見込み顧客の興味のないコンテンツを配信することは、購読解除につながり兼ねません。そこで重要となるのがコンテンツ制作です。
しかし、見込み顧客にとって有益なコンテンツを作り続けるには、人的コストがかかります。十分なリソースが割けない場合、担当者の負担となることや、業務効率の低下にもつながります。メールマーケティングを行う際には、そうした運用体制の構築も考える必要があります。
メールマーケティングでよく使われる5つの手法
メールマーケティングでは、次に紹介する5つの手法がよく使われています。
1.メルマガ
「メルマガ」とは「メールマガジン」のことで、多くの企業が自社のアピールのために配信するメールです。配信リストを元に「一斉に」情報を配信できるため、新製品やキャンペーンの情報を多くの見込み顧客へ知らせるのに向いています。
BtoBビジネスに適しているメルマガの内容の例は以下を参考にしてみてください。
- ・新製品のリリース情報
- ・業界のトレンド情報
- ・自社製品導入後の成功事例
- ・自社の取り組み(セミナー開催、メディア掲載など)
前述の通り、見込み顧客の興味関心はそれぞれ異なります。そのため、全ての見込み顧客へ配信するメルマガは「どの段階であっても知り得たい情報」を盛り込んだ内容を配信することがおすすめです。
2.ステップメール
ステップメールとは簡単にいうと「段階的に配信する」メールです。見込み顧客が起こしてくれたアクションを起点に、メールを何段階かに分けて配信し、徐々にアピールしていきます。見込み顧客が資料請求をしてくれた場合を例に、ステップメールの配信について見てみましょう。
- 見込み顧客が自社サイトから資料請求をする
→即日に、資料請求をしてくれたことに対する「お礼メール(1通目)」を配信 - 1通目配信から3~5日後、自社製品の導入事例(2通目)を配信
- 2通目配信から3~5日後、他社製品とのデータ比較(3通目)を配信
- 3通目配信から5~7日後、カンファレンス開催のお知らせ(4通目)を配信
もしメールを受け取ってカンファレンスに見込み顧客が参加してくれた場合は、カンファレンスから1週間以内に「無料トライアル」の案内を配信します。実際に自社製品を利用してもらえるようにつなげれば、より購買意欲が高められるでしょう。
ステップメールは、段階的にメールを配信することでじわじわと見込み顧客との距離を縮めていくのです。
3.セグメントメール
セグメントメールとは「配信対象を絞って配信」するメールです。見込み顧客の興味度合いに合わせた内容を個別に配信します。新製品情報のメルマガを配信した場合を例に、セグメントメールの配信の流れを見てみましょう。
- A:メルマガを開封しただけ
- →最新トレンドと新製品を絡めた内容のメールを配信し「新製品への興味」を高める
- B:メルマガに載せたURLをクリックした
- →新製品の情報に少なからず興味があり、基本情報をざっと見ている可能性が高いため、「新製品の導入事例やレビュー」を配信し、より具体的な理解を促す
- C:Webサイトの製品ページを見た
- →新製品を購買しようか検討している可能性が高いため「他社との比較」や「期間限定の無料トライアル」などを配信し、意欲を高める
まだ新製品に対してあまり興味がないと思われるAのセグメントに対して「無料トライアル」の案内をしても、あまり反応は良くないと考えられます。逆に購買意欲が高まっているCに対して、新製品のざっくりとした情報を配信していては、興味度合いを高められず、他社に流れてしまう恐れがあります。
見込み顧客のニーズを把握し、適切な内容でメールを送りわけることが重要です。
4.リターゲティングメール
リターゲティングメールは、自社へのアクションを起こしてくれた見込み顧客に対して「後押しするために配信」するメールです。自主的に動いてくれた見込み顧客に対して配信するため、購入意欲をより強くさせる内容を配信します。
BtoBビジネスで配信するリターゲティングメールの例は以下の通りです。
- 製品ページを見てくれた見込み顧客
- →製品導入の成功事例、他社との比較など、製品に関するより具体的な内容を配信
- 製品を購入しようとしたが、最終締結に至らなかった見込み顧客
- →製品の展示会やセミナーの案内を配信
- セミナーに参加し購入意欲がとても高い見込み顧客
- →1か月無料トライアルの紹介を配信
具体性を持たせた内容で見込み顧客の理解を深めたり、実際に製品を使ってもらったりして、自社製品を深堀し興味をより強く引きます。
5.休眠顧客発掘メール
休眠顧客発掘メールは、一度は商談が成立しそうなところまで至ったものの、何らかの事情で離脱してしまった見込み顧客に対して「再アピールと近況を伺うために配信」するメールです。
「過去に関わりがあった=自社に対して少なからず興味を持ってくれていた顧客」であるため、有益な情報を配信すればまた戻って来る可能性はゼロではありません。自社サイトや一度送付した資料では見られない独自の情報やホワイトペーパーの提供、個別相談会の案内など、再度アプローチして購買意欲を高めます。
ただし休眠顧客は「一度離脱している」ということを念頭において、配信頻度を考えなければなりません。毎月状況伺いのメールを休眠顧客へ配信しても、1カ月単位で状況はあまり変わらないでしょうから、「最終商談後、半年ごとに連絡をする」など、ある程度期間を空けることをおすすめします。
メールマーケティング実施のステップ
ここからはメールマーケティングを実施する流れを紹介します。
1.メールを配信する目的を明確にする
メールを配信する目的を決めてから配信を始めないと、施策の途中でぶれてしまうこともあります。そうならないよう、メールマーケティングを始める前に、KGI(重要目標達成指数)と、目標達成できるかの中間指標となるKPI(重要業績評価指標)を明確にしておきましょう。
資料請求の数を増やしたい、自社で開催するセミナーの参加者を増やしたい、など目標によってメールで配信するアプローチの内容が変わってくるため、ゴールを決めてから道筋を考えるようにしましょう。
2.配信リストの準備
メールを配信する数が少ないと、メールマーケティングの効果が上がっているかどうかがわかりにくいものです。そのため、設定した目的を達成するためにはどのくらいの配信数が必要か考察し、もし配信先情報が不足している場合は、保有するメールアドレスを増やすところから始めましょう。
メールアドレスは、営業先で交換した名刺や、自社サイトに訪問し資料ダウンロードしてくれた顧客の情報などからも増やすことができます。
3.メールコンテンツの作成
メールマーケティングで成果をだすためには、配信するコンテンツの内容が非常に重要です。
コンテンツ作成前には、どのような相手にメールを配信するかを明確にする「ペルソナ設定」と、最初に決めた目的に沿って見込み顧客はどのような行動をとるかの可視化する「カスタマージャーニー」を設定し、有益な情報や関心を引く内容を考えましょう。
配信したメールによって購買意欲を高め、見込み顧客の育成が行えるのがメールマーケティングの理想的なあり方なのです。
4.メール配信
コンテンツ作成が完了したら、見込み顧客へ配信します。手動で配信することもできますが、大量のメール配信には「メール配信ツール」や「マーケティングオートメーション」などのツールを活用する方が時間や労力を削減でき便利です。
また、ツールを活用することで、メール配信後の開封率やクリック率などのデータ観測も簡単に行うことができます。
5.配信結果から効果測定
メール配信後は、最初に決めた目標に対してどのくらいのメールが読まれたか、メールからアクションを起こしてくれた顧客はどのくらいいたのかを検証するために、配信結果をチェックします。はじめに設定したKPIとの乖離を分析することで、改善点や今後の課題が見えるはずです。
開封率が低かった場合「メールのタイトルがいまいちだったから読まれなかった」「配信者の情報がわかりにくかった」などの原因が考えられ、クリック率が低かった場合は「CTAボタンの場所が悪かった」「具体例が入っていなくて参考にならない内容だった」などの原因が考えられます。
原因がわかれば改善策が立てやすく、メールマーケティングの質をどんどん高められるのです。
6.改善後の再配信
効果測定に基づいて課題を改善したら、再び配信を行います。異なるパターンの配信を繰り返すことで、どちらが効果的な配信だったかを検証するA/Bテストを行うこともできます。
再配信後も引き続き効果測定と改善を繰り返し、徐々に効果的なメールへとブラッシュアップさせていきましょう。
メールマーケティングをスムーズに行えるツール
メールマーケティングを行うのに適したツールを導入すれば、配信漏れを防いだり、多くの時間を取られずに運用したりすることができます。ここでは、メールマーケティングを成功に導くための具体的なツールと、必要な機能について紹介します。
メールマーケティングを効果的に行えるツール
メールマーケティングを効果的に行えるツールは2種類あり、「メール配信ツール」と「マーケティングオートメーション」です。それぞれの特長は以下を参考にしてください。
- 【メール配信ツールの特徴】
- ・マーケティングオートメーションと比べて低コスト
- ・メール配信に特化した機能設計のため、シンプルに使うことができる
- ・メールからWebサイトに到達したあとの動きなど、より深い分析はできない
- 【マーケティングオートメーションの特徴】
- ・メール内のURLクリック率だけでなく、その後のページ閲覧や問合せ/資料請求などのゴールまで一貫して解析ができる
- ・見込み度合いの高い顧客の抽出など、より営業活動に直結した活動を行える
- ・多機能のため、メール配信ツールと比べると高コスト
メール配信ツールとマーケティングオートメーションの大きな違いは「メールマーケティングに特化しているか」という点と「導入にかかるコスト」です。
マーケティングオートメーションは自社サイトに訪問してくれた見込み顧客も取り込みやすく、メール配信以外でもマーケティング活動をしやすくしてくれます。しかしその分導入するためのコストがかかるため、メールマーケティングだけを強化したい場合は、メール配信ツールの方が低コストで始められ、機能も限定されているため使いやすいでしょう。
メールマーケティングの効果を上げやすくするのに役立つ機能
ツールを導入し、メールマーケティングの効果を上げやすくするには、以下のような機能があるとよいでしょう。
- ■配信先グループ作成・One to One配信
- ■配信日時設定・ステップメール
- ■レポーティング
■配信グループ設定・One to One配信
見込み顧客のニーズに合った情報を配信し「営業につなげやすくする」のがメールマーケティングの最終目標であるため、見込み顧客の状況に合わせて内容を細かく分けて送ることが重要です。
そのため、配信先をいくつかのグループに分けたり、必要に応じてone to oneでメールを送れる機能があると、より効果を上げやすくなるでしょう。
■配信日時設定・ステップメール
配信日時設定機能では、毎回配信の直前にメールを作らなくても、事前にまとめて送信時間を設定することができます。あらかじめ作成しておいたメールを、見込み顧客別で開封されやすい日時に自動配信できるようにしておくことで効果的な配信にすることができます。
同様に「Aのメールを受け取った人には、◯日後にBのメールを、その△日後にCのメールを送る」ということが決まっている場合には、ステップメール機能を使えばより効率的に配信することができるでしょう。
■レポーティング機能
配信後の集計は手作業でもできますが、ツールを使用することで結果が一目で確認でき、効率的です。見やすくまとめていた分の労力と時間を改善策の考案などに使えるようになり業務の効率化を図れます。
メールマーケティングの効果を上げるために見るべき指標(KPI)とは?
メールマーケティングの最終目標であるKGI(重要目標達成指数)を達成するためにもKPIの設定が重要となります。KGI達成に向けたプロセスの中で、必ず到達すべき中間指標となるのがKPIです。ここでは、メール配信後に着目して分析すべきKPIについて紹介します。
1.到達率
到達率は、「作成した配信リストのうちどのくらいの顧客にメールが届いたか」を指します。低い場合は有効なメールアドレスが少ないと想定されます。メールマーケティングではまず顧客にメールが届かなければ意味がないため、「配信リストの見直し」や「メールアドレスの収集」など、早急に対処すべきポイントといえます。
2.開封率
開封率は、配信し無事に届いたメールのうち、どのくらいの対象がメールを開いてくれたかを確認できるポイントです。低い場合は、メールの件名や差出人などに不足があったり、配信時間や頻度が適切でなかったりということが考えられます。
3.クリック率
クリック率は、メール本文内のURLを押してくれたかどうかが分かるポイントです。低い場合はメール本文で見込み顧客を上手く誘導できなかったことが考えられ、本文の構成や内容の改善・改良が課題となります。
4.コンバージョン率
コンバージョン率は「資料請求を増やしたい」「セミナーの集客をしたい」など、メールマーケティングで達成したい目標に対して、結果が得られたかどうかを確認できる指標です。この指標が低い場合は、メール内のURLからの導線がよくなかったり、メールを配信した対象が適切でなかったりということが考えられます。
5.購読解除率
購読解除率は、配信メールから顧客が「配信解除」の申請をしたかどうかが分かります。高い数値が出た場合、メールの配信頻度が多い、購読しても有益な情報が得られない、など適切な情報提供ができていないことが考えられます。
KPIを改善する方法
メールマーケティングを開始する前に掲げたKPIが下回った場合、ポイント別で対策を立てて改善していきます。ここでは、改善のためにできるアクションを見ていきましょう。
【メールの件名を熟考する】
メールマーケティングを展開するにあたり、まずはメールを読んでもらわないと始まらないため、開封率を左右するメールの件名は重要なポイントです。顧客は自社のメール以外にも多数のメールを受信しているため、受信ボックスを見て興味のひかれるタイトルのメールのみを厳選して開封します。
「メール本文の内容が一目でわかる」というのを支柱に、「緊急性」や「訴求力」が伝わる件名を「15字~25字以内」でまとめられるよう工夫しましょう。
【ファーストビューにこだわる】
件名を見直したことで開封してもらうことができても、冒頭の内容で、読むメールと読まないものに判断されます。そこで離脱されない工夫が必要です。
まずは冒頭で「必要そう」「読みたい」と思わせることが大切です。「自分にとって有益な情報が記載されているから読む必要がある」ということを認識させるのです。さらに、メールを開いたとき最初に目にするファーストビューに、見切れないようにURLを設置することでクリック率やコンバージョン率の改善を図ることができます。
【配信頻度や配信日時を見直す】
自信を持って作成したコンテンツであっても、配信するタイミングが悪いと開封されない場合もあります。終業のタイミングや週末の締め作業で忙しいときにメールを配信してしまうと流されやすく、読んでもらうために数で攻めると「しつこい」という印象を与え購読解除されるかもしれません。
メール配信を重ねながら「いつ」「週に何回」配信すると開封されやすいのかを把握し、メールマーケティングの運用に活かしましょう。
【配信リストを見直す】
顧客によって求めている情報が個々で違うため、配信する条件を設定してリストを絞りこみ、メールの内容も変えて配信したほうが開封率は高くなります。
製品ページを見た顧客には製品導入後の事例紹介を配信したり、セミナーに参加してくれた顧客には限定でお役立ち情報を配信するなど、顧客のニーズに合ったメール配信をすれば開封率も上がり、クリック率やコンバージョン率も比例して高まるはずです。
【要点をひとつに絞る】
メール内のURLをクリックした人が、再度メールを読み直す確率はかなり低いです。そのため、様々な内容を詰め込むと、クリック率が分散し、本当に押してもらいたいURLを押してもらえなくなります。
クリック率を高めるためにも1通のメ―ルの内容は、もっとも伝えたいメッセージ1つのみに絞ることが大切です。
【信頼できる送信元の設定】
メールの送信元は、必ず自社ドメインのアドレスを使用しましょう。フリーメールのアドレスの場合、迷惑メールと判断されてしまうこともあります。また、誰から届いたのか一目でわかるよう会社名や名前を記載しておくことで開封率の改善につながります。
まとめ:メールマーケティングで顧客の購買意欲を高めよう
メールマーケティングは低コストで始められ、定期的に見込み顧客へアプローチできるため、マーケティング活動において損のない施策といえます。
最初から上手くいかないかもしれませんが、効果測定と改善を繰り返していくことで効果が上げやすくなるのです。メールを通して見込み顧客の購買意欲を高め、見込み顧客の自社に対する興味度合いを把握しておけば、双方のよいタイミングを狙って営業活動ができ、成果を上げやすくなるでしょう。