コンプライアンス違反に注意!マーケティングオートメーション導入時に整備しておきたいコンプライアンス対応

個人情報を扱い運用するMAツールにおいて、コンプライアンスの遵守は重要な課題です。マーケティング活動を効率的に行うことのできるMAツールを、安全に運用するためにも今一度コンプライアンスについて確認しておきましょう。
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MAツールとは
マーケティングオートメーションとは、新規顧客の獲得や、見込み顧客の育成なども含めたマーケティング活動をサポートするためのツールのことです。
新規商談を獲得する際には、自社の見込み顧客に対して継続的にコミュニケーションを取り続け、それぞれの興味・関心に寄り添ったコンテンツを提供し、ニーズが顕在化したタイミングでアプローチすることが重要となります。しかし、一連の業務を全て手動で行おうとすると、莫大な工数が生じてしまいます。
MAツールは、これらの施策を自動化し、業務の効率化を図ることができるのです。
MAツール導入時に確認すべきコンプライアンス
MAツールのコンプライアンスには、「個人情報保護法」と「特定電子メール法」の2つの法律が関係しています。ここでは、この2つの法律について解説していきます。
個人情報保護法
個人情報保護法とは、個人情報の適正な取扱いに関し、事業者が守るべき義務などを定める法律です。平成27年9月に改正法が施行され、取り扱う個人情報の数が5000以下である事業者を規制の対象外とする制度が廃止され、全ての事業者が対象となりました。
この法律において個人情報とは、「生存する個人に関する情報であって当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの」とされており、マーケティングオートメーションは個人情報を取り扱うツールとなるので、個人情報保護法が適用されます。
・個人情報利用目的の通知・公表
個人情報を取得する場合は、その利用目的を本人に通知、又は公表する必要があります。どのような目的で個人情報を利用するのかについて、具体的に公表し、あらかじめ公表していない場合には、本人に通知しなくてはなりません。
MAツールで個人情報を取得する際は、Webサイト上にその利用目的を掲載しましょう。
・プライバシーポリシーの掲載
MAツールでは、Cookieを利用し見込み顧客のWebサイト上での行動解析を行います。プライバシーポリシーには「Cookieを取得すること」と「Cookieにより取得した行動履歴と個人情報を関連付ける場合があること」を掲載する必要があります。
特定電子メール法
特定電子メール法とは、迷惑メールの送信を規制するための法律です。
インターネットの普及に伴い、電子メールによる一方的な広告宣伝を送りつける迷惑メールが社会問題となりました。電子メールの利用について良好な環境の整備を図るため、特定電子メール法が施行されました。メールの一斉配信を行うMAツールでは、特定電子メール法の対象となります。
・オプトインとオプトアウト
オプトインとは、メール配信を行う送信先に対し、事前に配信許可を得ることです。オプトインを取得できていない場合は、メールを配信することができません。
これに対し、受信者がメールの配信停止を行うことができるのがオプトアウトです。
MAツールでメール配信を行う際は、事前にこのオプトインを取得する必要があります。
・特定電子メール配信の際の表示義務
広告・宣伝メールを配信する際は、下記の表示が義務付けられています。
- ・配信者の氏名または名称と住所
- ・受信拒否ができる旨
- ・受信拒否をする際のメールアドレスまたは、URL
- ・苦情や問合せなどを受け付けることができる電話番号、メールアドレス、URL
MAツール運用でコンプライアンスを守るには
ここでは、個人情報を利用するMAツールにおいて、コンプライアンスを遵守し運用するために注意すべきポイントについてご紹介します。
・セキュリティに強いツールを選ぶ
MAツールで扱うメールアドレス等の個人情報は、クラウド上で管理されることがほとんどです。そのためツール自体のセキュリティが脆弱だと情報漏洩や、サイバー攻撃によるリスクが高まります。
MAツールを選定する際には、導入企業数や実績のほかにも、セキュリティに関する情報を事前に確認しましょう。
・IDやパスワード管理の徹底
MAツール自体のセキュリティだけでなく、運用する企業で注意したいのがIDやパスワードの管理です。IDやパスワードが外部に漏れた場合、顧客情報の漏えいにもつながり兼ねません。定期的なパスワード変更など、担当者が個人情報保護の意識を高めて行動することも大切です。
コンプライアンス違反に注意しよう
コンプライアンスに違反してしまうと、損害賠償責任を負うだけでなく、社会的信用や顧客からの信用を失い、企業イメージを著しく損なうことになります。
そうならないためにも、企業にとってコンプライアンスの遵守は重要です。コンプライアンス違反を起こさないために、個人情報保護についての意識の向上が必要となります。また知識不足のため、気づかずに違反していたということが起きないよう、今一度社内での周知を徹底しましょう。
まとめ
マーケティングオートメーションの運用には、個人情報の保護やセキュリティなどさまざまな対策が必要となります。コンプライアンスを遵守をするためにも、社内での意識の徹底だけでなく、コンプランス対応のMAツールを選定しましょう。