ついていきたい!営業リーダーに共通する7つの考え方
「来月から、営業チームのリーダーとしてチームを牽引していってほしい」
上司から呼び出され、昇進を告げられたあなた。
社会人として名誉なことではあるけれども、これまでは単なるチームメンバーでしかなかったあなたは、これからどのように振る舞えばよいかわからないということもあるでしょう。
そこでここでは、営業リーダーに求められることと、成功しているリーダーに共通している考え方についてご紹介します。
営業リーダーに求められることとは
営業リーダーに求められるのは、自分の営業成績だけではありません。
リーダーの役割は大きく「部下の育成」「チーム全体としての目標達成」の2つがありますが、 自分の営業成績は「チーム全体としての目標達成」の中の一部分でしかないのです。
リーダーとしての2つの役割を全うするためには、チームメンバーのモチベーションが重要な鍵になります。メンバーそれぞれのモチベーションが高ければ成長スピードも早まり、結果として個人の目標も達成しやすくなるでしょう。
モチベーションが高まる要素は人によって様々ありますが、その中の一つの要素として「上司・部下などの人間関係」があります。つまり、リーダーは、メンバーから「この人と一緒に働きたい」「この人についていきたい」と思われるような人であることが求められるのです。
考え方が尊敬できる!7つの営業リーダー像
では、ついていきたいと思えるリーダーは、どのような考え方をするするのでしょうか?自分が部下のときはあれこれ思うことがあっても、いざ自分がリーダーの立場になると、意外とわからないものです。今回は、ついていきたいと思われる営業リーダーによく見られる考え方を7つご紹介します。
1.チームメンバーが働きやすい環境を作る
チームとしてのパフォーマンスを上げるためには、メンバーが気持ちよく働きたくなるような環境で仕事を与え、問題があれば素早く解決に動く。時には、上層部に掛け合う姿を見ていると、部下は自然と「リーダーを助けたい」「役に立ちたい」と思えるようになります。
例えば、受注数の目標に対してチームメンバーの数が明らかに足りない時は増員の手配をしたり、チームの人間関係を把握して、相性のいい組み合わせで仕事をさせるような配慮をしたりするなど、チームメンバーが少しでも働きやすい環境になるようにするのもリーダーの腕の見せどころです。
2.チームのミッションを共有する
全社のミッションを部署、チームの業務内容まで落とし込み、更には各メンバーの目標にまでつなげて明確に説明できると、チームメンバーは納得感を持って業務に取り組めるようになるでしょう。自分たちの業務が、会社のミッションに対してどの様に紐付いているのか理解し、各メンバーが目標を達成するとどのような状態になるのかをイメージできることで、モチベーションも高いレベルで保てるのです。
ミッションを何も知らされず「これを片付けておいて」と作業を渡されるだけでは、部下は自分がチームに貢献できている実感が持ちにくく、モチベーションも低下しがちです。
3.自分の弱点を認め、ミッション達成に必要な人材をアサインする
自分およびチームメンバーの能力と弱点を把握し、認めることは、業務をスムーズに進めるうえで非常に重要なポイントです。
弱点を認識しているからこそ、ミッション達成に必要な能力と自分やチームの能力を比較して、自分が苦手な業務は部下の力を借り、メンバー全体に不足している部分は積極的に必要な人材をアサインするなどの手を打てるのです。このような体制であれば、部下たちも頼りにされていると感じられますし、「この人についていけば仕事は成功する」と信じられるようになります。
例えば、細かい数字管理が苦手なリーダーであれば、全体の方針や戦略・戦術はリーダーが取りまとめ、各メンバーのアポイント数、商談数など細かいKPIの管理は得意な部下に頼むとよいかもしれません。
逆に、自分やチームの弱点を認められないと、「何かと無理をするリーダー」となってしまいがちです。人も増やさず、納期や作業量の調整もせず、ただチームにやれとしか言えないリーダーでは、部下たちも先が見えず疲れ切ってしまいます。
4.部下を信じて仕事を任せる
プレイヤーとして優秀だったリーダーほど、なかなか部下に仕事を任せるのは難しいようです。一つ一つの業務ごとで見れば、人に任せるよりも自分で進めてしまったほうが早いと考えているからでしょう。
優秀なリーダーは、逆に部下を信じて仕事を任せます。自分が直接手を下すことは決してしません。なぜなら、部下の仕事を奪ってしまうと、やる気も奪ってしまうことを知っているからです。今いるチームメンバーのパフォーマンスを最大限に上げるには、信じて任せる我慢強さも必要といえるでしょう。
また、重要なクライアントに対する提案を積極的に部下に任せるのも良いでしょう。プレッシャーも大きくなりますが、その分やりがいもありますし、何より成功した時の達成感はひとしお。部下の大幅なモチベーションアップにもつながります。
ただし、仕事を任せるのは、責任を放棄するのとは違います。仕事ぶりが心配な部下に対して、困っていそうなタイミングを見計らって声をかけ、相談内容を聞いて支援します。そして、最終的に部下が仕事をやり遂げ、達成感を持てるように配慮しましょう。困っているときに声をかけるということは、部下に対して「いつでも見守っている」という言外のメッセージにもなり、安心感を与えます。
5.部下の長所やがんばりは認め、手抜きは叱る
部下に対して長所やがんばりは積極的に認めたうえで、実力よりも少しレベルの高い仕事を与えることで部下のやる気を刺激します。ただ、部下を褒めてばかりではなく、時には叱ることも大切です。具体的に叱らなければいけない場面は、部下が手抜きをしたとき。手抜きを見逃すと、部下は仕事に対して手を抜くことを覚えてしまいます。
褒めるときとと叱るときを見極めているリーダーは、部下から深く信頼され、適度な緊張感を持って仕事を進めるチームとなるでしょう。
6.失敗の原因を探る支援をしつつ、次は自分で解決するように導く
いくらがんばっても、失敗するときはあります。そういうとき、どこが間違っていたのかをじっくり考えなくては成長できません。優秀なリーダーは、部下が失敗したとき、さりげなく失敗の原因を部下自身が気づけるような言葉かけをします。部下が自分自身で原因を理解しなくては、次に生かせないことを知っているのです。
このような部下への接し方は、部下が自律的に考えて動けるような成長を促す方法の一つで、組織全体の底上げにつながります。
ただし、失敗したこと自体をいつまでも責め続けたり、部下の人格を否定してしまうようでは、部下が萎縮してしまい、思ったようなパフォーマンスを発揮できなくなってしまいますので、注意が必要です。
7.自分のサービスに自信を持つ
自身が提案している商材・サービスに自身を持つことは、メンバーのモチベーション向上に重要な意味があります。サービスに自身を持っているからこそ、クライアントに対してメリットをしっかりと伝えることができますし、部下に対しても、提案の内容についてアドバイスができます。
また、常に自社サービスのメリットを語っていると、部下も自信をもってクライアントに提案するようになるため、結果的にチーム全体の業績も向上しやすくなるでしょう。
ついていけないリーダーの考え方3つ
逆に、ついていけないと部下に見放されてしまうリーダーの考え方はどのようなものがあるのでしょうか。
1.何でも自分でやろうとしてしまう
自身の能力が高くて仕事に優れた人ほど、「自分はできるのにどうしてこれぐらいのことができないのか」という考えに陥りがちです。特に、優秀な成績を認められて立場が変わったばかりの人は、自分が担当として実務をこなしていたころの思考に引きずられて、つい自分が全部やってしまいます。
これでは部下もだんだんとやる気をなくしてしまいますし、リーダーに依存して自分からは動かなくなってしまうでしょう。このような状態では部下がいつまでも成長せず、組織として与えられたミッションをこなせません。
組織を効率よく回していくには、今のメンバーがプレイヤーとなって動きやすいように環境を整え、部下自身が自律的に考えられるような成長を遂げる仕事を与える必要があります。リーダーとして任命されたときに、「今までとは仕事のすすめ方が決定的に異なってくる」ということを認識できれば、自然と部下に仕事を任せられるようになるでしょう。
2.部下を褒めない
ダメ出しばかりして、部下ががんばっている部分を認めない上司は、部下を非常に疲れさせます。もちろん、手抜きがあるなど、明らかに問題がある場合はきちんと注意しなければなりません。しかし、注意ばかりでは「自分はあなたを信頼していない」という言外のメッセージを発し続け、部下はだんだんと上司から離れていきます。
人は、うれしいことよりも嫌なことのほうが10倍強く記憶に残るといわれています。「部下の良い部分を常に認めている」という信頼関係があってこそ、叱るときの言葉が部下に届くと考えてください。
3.朝伝えた指示が夜変わる「朝令暮改(ちょうれいぼかい)」
営業リーダーが朝礼などで目標達成のために、意気揚々と部下へ指示をすることはよくあります。しかし、「夕方に外出から戻ってみると言っていることが二転三転している」ということでは困りものです。いわゆる「朝令暮改」タイプのリーダーは、組織全体の方針をしっかりと読み込むことができていないため、矛盾した指示を与えてしまいます。
これでは、部下は疲弊してしまうでしょう。信頼してリーダーの指示通りに動いても、たびたび方向転換されていたのではついていけません。
もちろん、急に全社的な方針転換があるなど、どうしても指示が変わってしまうことがあるかもしれません。ただし、その場合でも、指示が変わった背景などはしっかりと伝えたほうが、部下も納得感をもって業務に取り組みやすくなるでしょ。
部下がついていきたいと思えるリーダーはチームを幸福にする
部下がついていきたくなるリーダーの考え方と、ついていけないと感じてしまうリーダーの考え方を比べたとき、その大きな違いは「チームを幸福にしているか不幸にしているか」ではないでしょうか。
ついていきたいと思えるリーダーの下についていると、仕事に自信が持てるようになり、実際に実力もついてきます。逆に、ついていけないリーダーの下についていると、部下は自分の力を思うように発揮できず、成長速度も鈍ってしまうため、会社生活があまり幸福であるとはいえません。
リーダー自身が有能でなくても、チーム全体を幸せにし「仕事も順調に回すにはどうしたらいいのかを考えられる人」は十分部下に尊敬され、ついていきたいと思われるリーダーとなれるでしょう。
まとめ
部下からついていきたいと思われる営業リーダーの考え方7つと、逆についていきたくないと思われてしまう考え方3つをご紹介しました。シンプルにまとめれば、部下が「この人についていきたい」と思えるリーダーとは、自分のことよりも部下およびチーム全体のことを考えて行動できる人といえるでしょう。
自分の勝手で部下を振り回し、チームを信頼できずにスタンドプレイに走るリーダーは、部下を疲れさせ、信頼を失ってしまいます。自分が営業リーダーとして上に立つときには、ぜひこれらの考え方を思い出してみてださい。
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