リードナーチャリングにおけるKPI設計方法は?BtoBでの具体例も紹介

リードナーチャリングを行う上で重要なのは、成果を確かめるための指標設定です。適切にKPIを管理することができれば、評価がしやすくなるのです。
そこで、この記事では、今一度リードナーチャリングについて理解を深め、適切なKPI設計のポイントについて解説します。
リードナーチャリングとは
まずは、リードナーチャリングについておさらいしておきましょう。
リードナーチャリングとは、見込み顧客を育成することです。
展示会やイベント、コンテンツマーケティング、Web広告などで集めたリードに対し、メールやセミナーなどの施策を通じて、有益なコンテンツを継続的に提供し続けてコミュニケーションを取ることで、検討度が上がったタイミングを判別し、商談につなげる活動のことを指します。
リードナーチャリングが注目されている背景
これまでは、製品の導入検討をする際にはまず営業担当に問い合わせをするのが主流でした。しかし、インターネットの普及により、顧客が自分で能動的に情報収集するようになったため、実際に企業に問い合わせが入る頃には、顧客は粗方の導入検討を終了していることも多くなりました。
こうした市場の環境下でも顧客との信頼関係を築き、自社を選んでもらうために、早い段階で顧客に接触し、顧客の見込み度合いを高めていくリードナーチャリングの手法が求められているのです。
リードナーチャリングを成功させる、KPI設計例
KPIとは「Key Performance Indicator、重要業績評価指標」です。最終目標であるKGI(Key Goal Indicator、重要目標達成指標)に対し、KPIは目標達成に向けた中間指標となります。
リードナーチャリングの場合、活動のゴールは商談数の増加であり、そのための手法は主にメールやセミナーが挙げられます。そこで、メールやセミナーで設計すべきKPIを具体的に紹介していきます。
メール配信での主なKPI

メール配信リスト数
メールを配信できるリスト総数です。
そもそも配信リスト数が少なければ、そこから獲得できるCV数は少なくなります。そのため日頃から営業活動などでメールを送れるリードを多く獲得しておくことが重要です。
メール開封数
配信したメールが開封された数を示す数値です。
この数値はHTMLメールのみでしか測定できないものの、メールの内容に関心があるのか、件名は興味喚起ができているのかを把握する上で有用な指標です。
クリック数
配信したメール本文に含まれるURLがクリックされた回数です。
メール内に自社製品の紹介サイトや、価格や導入事例を記載したWebページへ誘導するリンクを設定し、見込み顧客の興味・関心を図ることが可能です。
コンバージョン(資料ダウンロード・お問い合わせなど)数
メール配信の最終的な成果指標となります。
総配信数に対してお問い合わせなどのアクションがあった割合を指し、配信したメールが適切だったかどうかの判断の基準になります。
セミナー開催での主なKPI

セミナー集客数
セミナーへの参加申込数です。
集客数の最大化だけを目指して、自社サービスとの関係が薄いテーマを企画してしまうと、その後の商談創出などに悪影響が出てしまいやすくなるため、しっかりと目的を意識してテーマを企画するようにしましょう。
セミナー参加数
集客数に対して出席率が何%なのかが指標となります。
参加しやすい時間帯を選んで開催したり、リマインドメールを送るなどで改善することができます。
アンケート回答数
出席してくれた人数に対して実際にアンケートに回答してくれた人数です。
間接的に、「セミナーテーマが参加者にとって有益なものだったか」を測る指標となります。
有望回答数
セミナー開催での最終的な成果指標となります。
アンケート回答の中から自社製品に興味のあるリードをピックアップし営業にトスアップできる数字となります。
このように段階的にKPIを設定し、適切に管理することで営業へのトスアップができるリードにつながるでしょう。
また、リードナーチャリングは「営業部門にリードをトスアップして、商談数を増やす」ことが目的のため、「リードナーチャリング施策によって獲得できた商談数」を検証するようにしましょう。
設定したKPIを達成するために
効果的なリードナーチャリングを行うためにも、数値化できる明確なKPIを設定することが重要です。達成したい目標(商談数の増加)に対して整合性があり、誰が見ても理解できるシンプルで測定可能な目標にすることでゴールに向かいやすくなります。
KPI設定をした後も、PDCAサイクルを回し実際に改善できているのか、そうでないとしたら何が原因なのか、現状を分析してみましょう。では、例として、実際にメール施策でのPDCAを確認してみましょう。
P(plan)計画を立てる
メール配信前に、配信の目的やKPIの設定を行います。
D(do)実行する
メールを配信します。
C(check)検証する
配信後、ユーザーがどう反応したのかを数値化して、効果があったのか、なかったのかを測定します。KPIが達成できていなければ、原因を追及し改善してみましょう。
A(action)改善する
「なぜこのような結果になったのか」という観点から改善点を明確にしましょう。改善の仕方について、開封数とクリック数を例に挙げご紹介します。
開封数
メールの開封率の場合はメール開封前に目にするタイトルに問題があったと推測できます。いかに本文を見たくなるようにするかが大切です。読むことで得られるメリットをストレートに訴求したり、具体的な数字を使って訴求するなど様々な工夫をしてみましょう。
配信の度に開封率の分析を進めて、見込み顧客がどんなことに興味があるのか、どんなタイトルであれば開封しやすいのかを把握し、改善していきましょう。
クリック数
文章が長いメルマガの場合、途中で読むのを止められてしまう場合が多く、せっかく記載しているURLもクリックしてもらえないでしょう。メールの文章は簡潔で読みやすく、続きが気になる内容にまとめ、詳細をリンク先で確認できるようにしましょう。
配信時間の設定も重要です。受信者となる見込み顧客が最もメルマガを見てくれそうな曜日や時間帯を推測し、最初はあえて複数のタイミングのパターンで配信してみましょう。
このように問題点を洗い出し、今後の施策を考え継続的に向上させていくことで着実にKPI達成へと近づくことができます。
まとめ
中長期的に行うことが必要なリードナーチャリングにおいて、ゴールである営業へのトスアップまでの道筋を見失わないためにも、中間目標であるKPIの設定をすることが重要となります。適切なKPIの設定をし、成果を実感できるリードナーチャリングにしていきましょう。