ラテラルシンキングを学ぶべき理由~まだロジカルシンキングにこだわってるの?~
営業にとって、他の人が思いつかないような斬新なアイディアや、それによってイノベーションを起こすこと、既存の物事を組み合わせてこれまでにない展開をつくり出す応用力というのは、必要不可欠なものです。
そのような発想を得るためには、ロジカルシンキングだけではなく、「ラテラルシンキング」も活用していかなければなりません。
ここでは、ラテラルシンキングの意味とそれがもたらす効果、そしてラテラルシンキングを身につける方法を解説します。
ラテラルシンキングっていったい何?
ラテラルシンキング(Lateral thinking)とは、直訳すると水平思考という意味です。1967年ごろから提唱されている思考法であり、従来の既成概念や固定観念といった思考の制約になるものを取り払って、より水平的に発想や考え方を広げる思考法のことをいいます。
ラテラルシンキングを活用することによって、常識や前提にとらわれない、これまでにはなかったような独創的なアイディアを打ち出すことが期待できます。
ラテラルシンキングとロジカルシンキングの違い
思考法としてよく耳にするのは「ロジカルシンキング」だと思います。ラテラルシンキングとの違いはどんなところにあるのかを見ていきましょう。
そもそも、ラテラルシンキングは、ロジカルシンキングと思考の展開方法が全く異なります。ロジカルシンキングは垂直思考ともいわれており、これまで先人たちが論じてきた既成概念をベースとして、思考の筋道を立てて、より深く掘り下げていく思考法です。
そのため、ロジカルシンキングによって導き出される結論は1つとなります。
一方ラテラルシンキングでは、このロジカルシンキングの根っこにある既成概念を取り払うため、さまざまな方向から思考を張り巡らせることができるのです。
また、それによって解決にいたるまでの視野が広がるため、最終的に到達する結論も複数になる可能性があります。
ラテラルシンキングとロジカルシンキングは相互補完として活用することをお勧めします。まずはラテラルシンキングでアイデアの幅を広げ、次にロジカルシンキングで一つの答えを導き出すのです。
ラテラルシンキングが営業に必要な理由
ビジネスにおいて、アイディアを生み出す能力は必要不可欠です。
クリエイターのようにゼロからモノを生み出すような職種だけではなく、営業やマーケティング担当といった職種でもその能力は欠かすことができません。
なぜなら、すでにあるアイディアと同じことを行ったとしても、過去の実績を上回ることはできないからです。あくまでも焼き直しであり、良くて同じレベル、場合によっては過去の実績より悪くなる恐れもあるでしょう。そのようなことを繰り返していては、会社からの評価を得ることはできませんし、ビジネスパーソンとしての成長も期待できません。
これまで誰にも打ち出せなかったような営業展開やアイディアを生み出さなければ成長は見込めません。もちろん、過去の事実を掘り下げていくロジカルシンキングが大きな役割を果たすこともあるでしょう。しかし、現状を打破して新しい世界に一歩踏み出すためには、ラテラルシンキングを使った斬新なアイディアが必要になってくるのです。 ラテラルシンキングでイノベーションを起こしましょう。
ラテラルシンキングの手順
それでは、ラテラルシンキングの思考手順について、簡単にご紹介します。
●現状の打破
ラテラルシンキングを始めるにあたって、まずは既成概念や前提条件を打破する必要があります。それらについて「本当にそうなのか?」と問いかけていきましょう。
そうすることで、これまで見えてこなかった問題の本質や解決へのアプローチ法が見えてきます。
●視点を変える
また、物事に対して既成概念にはなかった角度の視点を持つ必要があります。次のようなポイントに注意して、思考を張り巡らせてみてはいかがでしょうか?
- ・転用できないか
- 既存にはない使い道を検討する。
- ・応用できないか
- 他の商品で活用した技術を別の商品に応用できないかを検討する。
- ・変更できないか
- よりニーズに応えられるように一部を変更できないか検討する。
- ・拡大できないか
- 「大きくする」「広くする」「重くする」「強度を上げる」などを検討する。
- ・縮小できないか
- 「小さくする」「薄くする」「軽くする」などを検討する。
- ・置換できないか
- 位置や工程、要素の入れ替えができないかを検討する。
- ・逆転できないか
- 上下、左右、前後、立場などを逆転して使えないかを検討する。
- ・結合できないか
- 既存の商品やサービスと組み合わせられないかを検討する。
ラテラルシンキングを鍛えるためには
ラテラルシンキングは、何もしなければ身につけることができません。しかし意識して鍛えることで、しっかりと活用できるようになります。
複数の視点を持つ
まず、大前提として複数の視点を持つことが大切です。多くの人は、既成概念や固定観念、そして常識にとらわれています。ラテラルシンキングを身につけるためには、これらを取り払うことが必要です。
思考する際には、自分の視点だけではなく、相手の視点、全く別の第三者の視点を活用していくようにしましょう。
思考パターンをあえて変える
また、思考パターンをあえて変えてみることも重要です。普段論理的に考えやすい場合は、「直感的に考えてみる」「統計的に見てみる」など、意識的に思考方法を変えることが有効でしょう。
実践する
そして一番重要なことは、ラテラルシンキングを数多く実践するということです。実際に、ラテラルシンキングは取り組んでいかないと身につけることができません。
仕事はもちろん、日常生活においても意識的にラテラルシンキングを取り入れるようにしてみましょう。
さいごに
ラテラルシンキングを身につけることにより、今までの既成概念では生み出すことができなかったアイディアや発想ができるようになります。
この能力は、ビジネスシーンにおいて大きな力になってくれるでしょう。意識的にラテラルシンキングのトレーニングを行い、発想力を身につけましょう。