【営業100人アンケート 04】目指せ残業ゼロ!みんながやっている仕事術

政府による働き方改革の推進により、企業側でも残業を減らすさまざまな方針が打ち出されています。しかし、いくら上から言われても、業務に追われて終業時間までに仕事が終わらないという悩みをもつ人は少なくありません。
ここでは、残業時間をなくすための工夫に関するアンケートを見ながら、仕事術と残業を改善させる方法を解説していきます。
早く帰宅できるように実践している工夫はありますか?

「早く帰宅できるように実践している工夫はありますか?」というアンケートの回答では、「出社時間を早める」の23%が第1位、「スケジュール・タスク管理の見直し」の19%が第2位、「他の人にも協力をあおぐ」の18%が第3位という結果となっています。
「出社時間を早める」では「特に予定があるときには早く出社して、定時に業務を終わらせている」という回答が多く見られました。
「与えられた仕事のノルマをこなせば帰宅できるので、早め出社を心掛ける」と毎日の仕事量から逆算した結果、早朝出社を選ぶという人も多いようです。
また、「通勤が空いていることもあって早い出社のほうが効率が良い」「通常業務が始まる前にひとりの環境で集中しておこなう様にしている」といった、効率面で早い時間の出社を選択している意見も見られます。
「スケジュール・タスク管理の見直し」では、スケジュール管理、リストアップ化、箇条書きと見直しなど、個人的に業務の進行をコントロールできるよう工夫している様子が伺われます。
「他の人にも協力をあおぐ」ではお互いに声をかけあって似たような業務内容をまとめたり、「その道の経験者」に聞いたりして効率化を図っているといった意見が多くなっています。
「みんなで協力していかないと早く帰れないから」という回答もあり、ひとりでこなすのには限界があるという切実さが伝わります。
残業を減らすための個人的な解決方法
残業時間を無くすためにもっとも多く取られている手段は出社時間の調整ですが、残業ではないものの働いている時間が長くなることは同じです。個人的な解決としては苦肉の策と言えますが、根本的な解決になっていません。
早く出社した疲れが途中で出てしまっては、意味がありません。始業時間の前に一度休憩を取るなどして、適度にリフレッシュをすることが大切です。
また、スケジュールやタスク管理の見直しを上手に活用している人は、ToDoリストを作りっぱなしにせずに随時見直しを行っています。優先順位は時々で変わりますので、効率的な仕事をするためには、その時点での状況を常に把握していかなければなりません。つまり、毎日の残業を無くすためには、短期的ではなく、長期的な視点に立って物事を考える必要があるのです。
「今何をしなければならないのか」にばかり気を取られていると、時間配分がうまくできません。項目ごとに締め切りを置き、タイムテーブルを組んで業務に取り組むとよいでしょう。
また、残業をしないために、あえて平日に予定を入れるという手段もあります。用事があれば無意識のうちに仕事を早く進めようという気持ちが働き、ムダの削減にもつながります。
"みんなで"早く終わらせる工夫
アンケートの中でも、「自分だけで頑張っていても効率的に仕事は出来ないから」という回答がありました。
自分ひとりで無理に進めようとしても、個人の時間と能力には限界があります。日頃から声をかけられる雰囲気づくりをしておけば、「お願い」する際にも抵抗がありません。お互いさまという共通の意識を育てることで、職場全体がうまく回るようになります。
個人の業務は、最終的には会社の利益をもたらすものです。「自分の仕事」「誰かの仕事」ではなく、全員のタスクであることへの理解が必要です。
「部長が役割をみんなに割り振ってくれた時は効率よく仕事が回っていて、残業が減った。」という回答からは、上手な調整役の存在が業務効率化への有効策であることがわかります。上司に頼るだけではなく、業務の割り振りの取り決めをするなど自分たちでできる工夫もあるでしょう。
また、限られた業務時間の中で効率的に仕事をするためには、集中できる環境づくりが欠かせません。必要であればパーティションを設置したり、レイアウト変更による動線を工夫したりするなどして作業効率アップにつなげていきます。
残業しないための時間の余裕づくり
形骸化して中身のない会議ほどムダな時間はありません。 アンケートの中でも「会議の中身の議題を絞り込んで必要のないものはカット」「事前にこういう会議をおこなうと言っておき、考えてもらっておく」といったように、残業時間の削減に向けて会議の内容を工夫する動きが見られました。
会議を効率化するためには、会議自体の必要性を見直すことが非常に有効です。少人数の打ち合わせで済ませられるもの、メンバーを絞り込めるものなど、これまでの慣行にとらわれない視点から確認していきましょう。
例えば、会議の目的を明確にし、結論の先延ばしを厳禁とします。会議の時間は厳守で例外を設けないなど、会議によってほかの業務時間が圧迫されないような断固とした姿勢をもたなければなりません。ただの顔合わせや集会で終わるのでは、企業の会議の在り方としては失格です。
また、毎日同じような業務に時間を取られているのでは、残業を減らすのは困難です。アンケートでは、「マクロなどを使って自動化できるところは自動化しつつ、少し余裕を持ってスケジュールを組むようにしている」「エクセルマクロなどを作成し、パソコンに弱い人でも使えるような自動化を進めている。以前に比べて若干勤務時間が短縮された」など、業務をサポートする自動ツールについての意見も見られました。
残業時間をなくすためには、その分の時間をどこかでねん出する工夫が実現のポイントとなります。
会議を減らしたり、業務の自動化を図ったりすることによって、実りなく消化されていた時間が活かされるようになります。残業時間の削減ではただ時間内に業務を終わらせるだけではなく、各自が内容の濃い仕事ができた上で定時に終業できることが理想的です。
さいごに
毎日健康的に会社生活を送るためには、過剰な残業時間を可能な限り減らしていかなければなりません。しかし、残業時間により企業全体の業務効率が低下していることは、すでに社会的な問題となっています。
個人で実施可能な仕事術、部署ごと、会社単位での改善など、工夫すべき点は多々見つかります。そのような点を一つ一つ改善していきながら、残業が当たり前という意識から抜け出し、効率の良い仕事を目指すことで、業務の効率化だけではなく、成果の向上にもつながっていくでしょう。