【営業100人アンケート 03】仕事をしたつもりになるのはもうやめよう!非効率な仕事の改善策
流れの速い現代社会では時間の使い方ひとつで、業務の成果が変わってきます。しかし、効率良く仕事をしたいと思いながらも、なかなか改善できない人は少なくありません。
効率化を図り、業務を改善していくためにはどのようにしていけば良いのでしょうか。ここでは仕事の方法についてのアンケートを見ながら、業務効率の向上について考えていきます。
非効率だけどやってしまっている...という仕事方法はありますか?
「非効率だけれどやってしまっている仕事方法」に関するアンケートでは、第1位の「会議が多い」が33%と、他を大きく引き離しています。次いで「書類はすべて紙」が17%、「ツールを使いこなせない」が14%と続きます。
第1位と比較すると他の項目は数字的にそれほど大きな差がなく、会議が業務を圧迫していることへの問題意識の高さが伺われます。
「会議の数が多いこと」の内容としては、「無駄な会議が多いことに対して意見を言えずにいる」「中身がない」「最終的に決まらない」など、苛立ちを抱えている意見が多く見られました。
「意味のないただの習慣、とはいえ自分達の代でやめさせるのは不可能」といったあきらめが感じられる回答もあります。「一種の儀式化」「会社の方針」「何かあったらまずいので開いている」と、会議自体が目的のようになってしまっているケースも少なくないようです。
「書類はすべて紙」についても、慣習化されているので変えられないという回答が多数あり、「書類がどこにあるのかわからなくなる」「保管場所に苦慮している」という声も上がっています。
紙の書類が多くなることと関連していると見られるのが、第3位の「ツールを使いこなせない」という項目です。 連絡手段や情報共有などでデジタル化を進めれば効率が向上するとわかっていながら、現実にはITの使いこなしに格差が存在しています。また、次々と導入されるツールを習熟することができずに、悩む声も多く聞かれました。
悪習慣に阻まれる業務の効率化
「会議が多い」「会議ごとの資料作成」「書類はすべて紙」は、いずれも過去の悪習慣を断ち切れないことからくる問題です。
会議が多いせいで業務時間を取られてしまい、その都度大量の資料を印刷しなければならない。すぐに捨てるわけにもいかず、重ねて置くうちに本当に重要な書類が紛れてしまう。こうした悪循環により、不要な書類が増え、必要書類を探す手間もかかります。
しかし、いくら効率が悪いからといっても、ひとりで会議を廃止するのは不可能です。会議が多すぎるという思いは、恐らく周囲も感じているはずです。少しずつやり方を変革する方向で、負担軽減を目指していくしかありません。
会議のやり方を改善するための提案としては次のようなものがあります。
- ・事前に会議の必要性をチェックする
- ・時間を制限する
- ・参加メンバーを絞り込む
- ・レジュメを作り込む
- ・ファシリテーター役の選任
会議が減れば会議ごとの資料作成の回数も減っていきます。会議の前に情報をメールで共有するなどして、予備知識を与えておけば余分な印刷物を減らすことは可能です。
また、書類を本格的に減らそうとするならば、コスト面から訴えるのがもっとも効果的です。運営側に書類を減らした場合の費用シミュレーションを提示し、全社的に書類の削減を推進するように働きかけるのが良策です。
まずは自分の分だけでも紙ではない方法での情報整理を考え、身の回りから不要な書類を削減していきましょう。
ツールの使いこなし・情報共有の改善法
「ツールを使いこなせない」「連絡方法が訪問・電話・メール」では、ITツールの使いこなしに差があるという共通の課題が見えてきます。会社内でのデジタルデバイドが問題となっていて、「わかる人」と「わからない人」の差が開き、情報の共有の仕方が統一されていません。
このような場合には、ツールの導入時に体系的な学習ができる体制を整えるよう、運営側に要望として上げるのが根本的な解決につながります。導入コストが回収できないということを伝えれば、会社としても考えざるを得ません。
また、SNSをビジネスに活用している例も多くなってきていることを訴え、その利便性をアピールして浸透を図るという手段もあります。とりあえずは賛同してもらえる部局内など狭い範囲で活用を実践し、連絡方法の改善事例として報告するのが現実的な方法といえるでしょう。
アンケートの中には、「相手先との打ち合わせを電話やメールで済ませてしまえば時間が短縮できると思いつつも、直接相手先に訪問して顔を見て話し合いをしてしまう」という回答も見られました。
顧客との関係性を保つための訪問は外すわけにはいきません。一回の訪問を実り多いものとし、回数を減らしていくために、日頃から訪問目的の要点をまとめてリストアップしておくと効果的です。
マルチタスクを効率化するために
今は過去の時代にように、潤沢な人資源に恵まれている社会ではありません。どんな職場であっても、マルチタスクは働く人の命題ともいえます。 アンケートの中にも「複数のプロジェクトに配置されてるので避けられない。突発作業が発生すると帰れないことがある」といった、ひとりの人間にかかる負担の大きさが伺われる回答がありました。
マルチタスクの問題点として、業務が煩雑になり結局どれも中途半端になるという意見が多く見られます。改善手段としては、次のような方法が挙げられるでしょう。
- ・業務の棚卸を行う
- ・時間をパートごとに分ける
- ・部分的シングルタスクを徹底する
業務の棚卸は日々の日課とし、その日の優先順位をしっかりとToDoリストにまとめます。優先順位は時々刻々と変化するため、都度見直すようにしていきましょう。
また、自分でなければならない業務以外は、人に任せることも大切な決断です。
パートごとに時間配分をし、決められた時間内はシングルタスクに徹します。よほどの緊急時以外は、他の業務と混同しない姿勢を貫くことで、マルチタスクの精度向上を目指していきましょう。
さいごに
非効率だと感じながら、行動パターンを変えられずにいるビジネスパーソンは多いようです。過去の慣習から抜け出せず、業務負担が軽減されない例が少なくありません。
会社の方針など自分ひとりでは変えるのが難しい場合でも、実例を作って少しずつ提案を行うことで改善される可能性もあります。まずは自分から、そして周囲へと改善を進めていきましょう。