脱アナログ!差がつく名刺管理を行うためには?

ビジネスアイテムとして欠かすことのできない名刺。日本では仕事で会った初対面の相手と名刺を交換するのがビジネスの常識です。しかし、もらった名刺の管理には決まりがなく、せっかくの名刺を活用できていない人がたくさんいます。
名刺は管理次第でビジネスに有効活用できます。社内の誰が客先の誰といつ名刺交換したかが事前に分かっていれば、それだけでも商談を有利に進められる材料になることでしょう。
ここでは、名刺をビジネスに有効活用するための、名刺管理方法をご紹介します。
もらった名刺はどうしてる?
初対面の人との名刺交換は日本の社会人の常識。新卒で入社した会社の新人研修で名刺の渡し方、受け取り方のマナーを学んだことでしょう。社会人はどれだけ名刺交換するのでしょうか。
少し古いデータになりますが、事務機器メーカーのキングジムが2010年に発表した名刺に関する意識調査によると、1カ月にもらう名刺の枚数は平均13枚。いままでにもらった名刺の合計は1人あたり平均1173枚になるといいます。
では、もらった名刺はどうやって管理しているのでしょうか。名刺管理を指導している会社は意外に少ないです。同調査結果によると、72%の人が「名刺ファイル・名刺フォルダー」、24%の人が「名刺箱」を使っているといいます。つまり、96%の人がアナログな方法で名刺を管理しているのです。
アナログな名刺管理だと"管理"は名ばかり、無秩序に溜め込んでいるだけになっていることも多いです。名刺を整理する頻度は、24%の人が「1年に1回未満」、21%の人が「半年に1回」しか行わないとのこと。そのため名刺1枚を探すのに費やしている時間は、1年間に約10時間にもなるのだと言います。
そんな名刺管理を効率化する方法として思い浮かぶのが、名刺の情報をデジタル化すること。ですが、ここには高いハードルがあります。
最も簡単ですぐに始めることができるのは、表計算ソフトや簡易データベースを使って手入力していく方法ですが、「会社名」「役職」「氏名」「会社所在地」「電話番号」「メールアドレス」などの情報を一つひとつ入力していく作業はかなり手間がかかります。結局、名刺探しよりも多くの時間を費やすことになってしまい長続きしないという結果になってしまいます。
名刺の情報を一度デジタル化してしまえば、便利なのは間違いありません。社内で情報を共有すれば、ビジネスにも有効活用できます。問題になるのは名刺の情報をデジタル化する手間です。それを省力化する方法を紹介します。
名刺管理ソリューションを活用しよう
名刺管理を効率的に行うためには、さまざまな方法があります。ここでは、名刺管理ソリューションを活用することで得られるメリットと、名刺管理方法についてご紹介します。
名刺管理ツールを使うメリット
①業務の効率化につながる
名刺を紙のまま管理する場合、必要な情報がほしい時にも探す手間がかかり、効率的とは言えません。データ化されていれば簡単に検索することができ、業務効率の向上を図ることができます。
②情報共有がかんたんにできる
名刺をデータ化することで、社内での情報共有をスムーズに行えるようになります。個人で管理していては気づけなかった取引先との関係や、部署異動による引継ぎの業務など、情報が一元管理されていることでスムーズに行うことができます。
また、クラウド上に管理されている場合は外出先からも情報を閲覧することもでき、いつでも必要な情報を共有することができます。
➂SFAとの連携ができる
SFAとの連携により、これまでに行ったアプローチや、商談の履歴なども紐づけて可視化し、把握することができます。誰がどの顧客と接点を持っているのか、社内全体で把握できることで、新たな販路を見つけることにもつながります。
具体的な管理方法
①名刺リーダー
名刺情報をデジタル化する上で欠かせないのが、名刺を"読み取る"ための道具です。多くの人が名刺管理に頭を悩ませていることもあり、名刺管理専用ソリューションを複数企業が提供しています。その代表的なものが、名刺リーダー(または名刺スキャナー)。その名の通り、名刺をスキャンして情報を取り込むという専用機器です。
名刺リーダーは、名刺に記載されている情報を画像データとして読み取ります。画像データのままでは検索性が劣るので、OCRソフトを併用することが一般的です。ちなみに、OCRとはOptical Character Recognitionの略で「光学的文字認識」という意味。画像データとして取り込んだ文字をコンピュータで利用可能なデジタル文字コードに変換する技術のことです。
ほとんどの名刺リーダー製品には名刺をスキャンする機器とOCRソフト、それに名刺管理用のデータベースソフトが同梱されています。
②スマートフォン用名刺管理アプリ
名刺リーダーは非常に便利ですが、やや値段が高いという欠点があります。もっと手軽に名刺情報をデジタル化したいという人にお勧めするのが、スマートフォン用の名刺管理アプリです。
AndroidのGoogle Play、iOSのApp Storeに行くと、数十種類の名刺管理アプリが並んでいます。多くのアプリは、スマートフォンのカメラを使って名刺の写真を撮り、その画像データから文字情報を読み取ってデータ化し、名刺管理データベースに保存するという機能を持っています。
そのなかでも利便性が高いのが、Google GmailやApple iCroud、Microsoft Outlookなどのアドレス帳に名刺情報をリンクさせることができるアプリ。また、名刺管理のクラウドサービスと連携し、クラウド上に名刺情報を蓄積できるというアプリもあります。いくつかのアプリを試してみて、使い勝手の良いアプリを社内、あるいは部署内標準アプリとして使えば、名刺情報を共有することも可能になります。
③名刺管理専門のクラウドサービス
コストは度外視していいので、効率的に名刺管理を行いたいというのであれば、名刺管理専門のクラウドサービスという選択肢もあります。名刺の写真をスマートフォンで撮影して送信するだけで、名刺の情報をオペレーターが正確に手入力してデータベース化してくれるというサービスで、商談管理や案件管理といった営業支援機能もオプションで利用できます。
このように名刺管理をデジタル化する手段はいくつもありますが、名刺の情報をうまく活用できれば仕事がスムーズに進むことでしょう。ぜひ試してみて下さい。
名刺管理ツールの選び方
ここでは、実際にツールを導入する際に、意識しておきたい選定のポイントについてご紹介します。
・取り込みやすさ
取り込むのに手間がかかるようでは後回しになってしまい、名刺がたまっていってしまうこともあります。ソフトを選ぶ際は、簡単に名刺の取り込みができるものを選ぶのが良いでしょう。
スマホのカメラを使って取り込めるものは、外出先でも取り込みができるため手軽にデータ化することができます。しかし、社内に大量の名刺がある場合、1枚ずつ撮影するのは手間がかかるため、一度に多くの名刺を取り込めるスキャナータイプを検討しましょう。
・データ化の精度
名刺をスキャンした際の精度も、選定の際に重要なポイントとなります。文字を正しく認識し、正確にデータ化できるものを選びましょう。
また正常にテキスト化されないなどのエラーの際には、オペレーターが目視で補正するなどの対応をしてくれるかどうかも確認しておきましょう。
・料金体系
名刺管理ソフトの料金体系はさまざまです。初期費用や月額費用がかかるもの、管理する名刺の枚数に応じて料金が変わるものもあります。費用対効果を考慮し、検討しましょう。
・セキュリティ
名刺に書かれている情報は、重要な個人情報です。個人情報の流出は、社会的信用や顧客からの信用を失い、企業イメージを著しく損なうことになります。
ソフトによって情報セキュリティのレベルはさまざまなので、選定する際には事前に確認しましょう。
さいごに
名刺をデータ化し、一元管理できていれば、非常に有益な顧客資産となります。組織的な営業活動はもちろん、マーケティングオートメーションに活用するためのハウスリストにも使うことができるでしょう。
もし、営業の机の中にたくさんの名刺が眠っている場合には、一度名刺管理を検討してみてはいかがでしょうか。
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