BtoB企業でオウンドメディアを運営するメリットとは?

最近では多くのBtoB企業が自社サイトを持っています。その中でもオウンドメディアは自社がビジネスとして取り組む分野をメディア化し、継続的に情報発信をしていくWebサイトのことを指します。
この記事では、BtoB企業にとっての、オウンドメディアの有用性と取り組む前に知っておくべき情報をまとめています。
オウンドメディアとは
オウンドメディアとは、トリプルメディアのうちの一つで、自社が保有するWebサイトやブログなどの情報発信ツールのことを指します。
BtoBにおいては、リードを獲得するためにマーケティングで活用する情報発信用のメディアという意味合いで使われる言葉です。対面での営業活動が難しくなった昨今、オンラインマーケティングの重要性が高まっており、リード獲得やナーチャリングのためにオウンドメディアを作成する企業が増えています。
FacebookやTwitter運用との違い
情報発信といえば、FacebookやTwitter等のSNSも存在しています。オウンドメディア活用との違いは何でしょうか。
それは「情報の蓄積」ができるか否かです。FacebookやTwitterは、瞬間的な情報発信に向いていますが、発信した情報を蓄積したり、ユーザーが見たい情報を能動的に探すのには向いていません。その点、オウンドメディアは情報を蓄積していくこともできますし、ユーザーが自分の見たい情報を検索して能動的に取得しに行くこともできます。
コンテンツマーケティングとの違い
コンテンツマーケティングとは、様々なコンテンツを活用して見込み顧客の確度を高めていくことを目的としたマーケティングの手法の一つです。そのコンテンツを発信する一つの媒体としてオウンドメディアを活用します。このことからオウンドメディアはコンテンツマーケティングの一環となります。
BtoB企業にオウンドメディアは向かない?
皆さんは普段どんなオウンドメディアを目にしますか?おそらく、BtoC企業のオウンドメディアが思い浮かぶのではないでしょうか。
BtoB向けのオウンドメディアはさほど多くはありません。これは運用が難しいことが背景にあります。しかし、活用次第では、大変有効な情報発信手段となり得ます。
では、BtoB企業にとって、オウンドメディアを運用する価値はどこにあるのでしょうか。
それは、BtoB企業の製品やサービスはニッチなものも多く、競合性が低い場合が多々あるため、他社よりも先に情報発信を行うことによって、その分野で第一人者の企業のようにとらえてもらえる可能性が高いという点にあります。
また、ターゲットが至極限られていることが多いので、ターゲットが欲している情報をピンポイントで発信することで信頼を得ることもできるでしょう。
オウンドメディアをBtoBで活用するメリットとデメリット
ここでは、BtoB企業がオウンドメディアを運営することで得られるメリットと課題について解説していきます。
運営のメリット
・潜在層へのアプローチ
BtoBの場合、BtoCの商材に比べて製品の購入に至るまでの検討期間が長くなります。その長い検討期間において、オウンドメディアの情報を見てもらう機会も増えることになります。その結果、購入を検討している顧客だけでなく、潜在的な顧客にもアプローチすることが可能となるのです。
・営業資料となる
オウンドメディアで発信された情報は、常に蓄積されていきます。その情報が自社の営業資料として活用することができたり、問い合わせがあった際にはFAQとしても活用できるのです。
このようにオウンドメディアは集客効果以外にも役立ちます。
・長期的な費用対効果
オウンドメディアは始めたばかりですぐに効果を感じることは難しくても、蓄積されたコンテンツは自社の資産となります。また広告のような費用をかけずに運用することができ、良質な情報は検索サイト上位に表示されるため、長期的かつ継続的な集客効果も見込めるため、長期的な視点で見ると費用対効果が高いといえます。
・ブランディング
コンテンツを上位表示させることができれば、ユーザーがサイトに訪れる機会も増え、自社の認知度を向上させることができます。また、上位表示されることで信頼性が増し、専門家としての地位の確立・権威性の獲得にもつながります。
デメリットとなる課題
・効果が出るまで時間がかかる
コンテンツの数が多いほど成果につながる施策のため、始めて間もないうちは、結果が見えるまで時間がかかるでしょう。まずはアップを続け、コンテンツの数を増やすことが必要となります。
・継続的な運用が必要
コンテンツを公開して終了ではなく、定期的に効果を計測することが重要です。上位表示されていない場合には、修正を加えたりする必要があるため、継続的にコンテンツを発信し続ける体制や仕組み作りが必要となります。
・工数がかかる
ただ大量にコンテンツを作ればいいのではなく、読者にとって有益なコンテンツであることが重要です。それには、多くの工数や手間がかかります。即効性を求める施策ではなく、長期的にみて安定的な成果を創出するためにも、時間をかけてコンテンツを増やしていきましょう。
・優れたライターが必要
ユーザーに読まれる魅力的なコンテンツを生み出すためには、知識と経験が必要不可欠です。そのため質の高いライターを確保したり、優秀な企画担当・編集担当をアサインしたりするなど、自社の担当者以外の手を借りなければならないケースがほとんどでしょう。
オウンドメディアを始める際の手順
ここでは、オウンドメディアを始める際の手順についてご紹介します。
・目的を明確にする
オウンドメディアを運営する際には、まずオウンドメディアを運営することで「達成したい目的」を設定しておくことが重要となります。
例えば、「新たなリードの獲得」であったり、「自社のブランディングのため」など明確な目標を設定しましょう。そうすることで配信するコンテンツの内容や、コンセプトを定めることができるのです。
・コンセプトの設定
次に、目的を達成するにはどのようなコンテンツを発信するのか、方向性を定めるためのコンセプト設定を行いましょう。
コンセプトを設定するには、どのようなユーザーをターゲットにするかを決めることから始まります。マーケティング業界では、「ペルソナ設定」と呼ばれるものです。ペルソナを設定することで、ターゲット像はもちろんのこと、そのユーザー行動やニーズをある程度明確にイメージをすることができるようになります。
・コンテンツの作成
目的やその目的達成のための方向性が定まったらコンテンツを作成していきます。
ここでは、メディアの更新頻度や、設定したペルソナが求める情報とは何かを踏まえたキーワードの選定を行い、オウンドメディアに掲載するための記事を作成していきましょう。
成功のポイント
オウンドメディア運営を成功させるためには、継続的に発信を続けていくことが必要不可欠となります。成果が表れるまで時間がかかるオウンドメディアにおいて、「ユーザーにとって有益な情報を盛り込んだコンテンツを発信し続けること」が成功へのポイントとなるのです。
また、オウンドメディアの運営を始めたばかりの初期段階と、ある程度知名度を獲得できた運用段階とでは、メディアの更新頻度やコンテンツの内容を段階に合わせて更新していくことも重要となります。
まとめ
これからオウンドメディアを始めようとしている考えている方に、ぜひ知っておいてほしい情報をお伝えしました。本記事を読んで、オウンドメディアの運営は簡単ではないことをご理解いただけたと思います。
もちろん、オウンドメディア運営を軌道に乗せられれば企業に大きな利益をもたらします。そのためには、事前の準備やコンテンツを継続的に量産できる体制作りが必要不可欠です。オウンドメディアを運営するためにかかる工数と得られる利益をしっかりと天秤にかけ、どのように進めていくべきかを熟考するようにしてくださいね。