【4つの視点から解説】BtoBマーケティングのKPI設定とは?

企業活動をおこなう上で「KPI」という言葉をよくよく耳にしますが、目標を達成するために、KPI設計は重要なポイントのひとつです。
データ分析の重要性が高まっていく一方で、テクノロジーの進歩により"システム化"や"高度化"が進み、可視化できる活動や数字や見るべきデータは増えていくばかりです。あまり指標を多くしすぎても改善すべきポイントが分散してしまうので、できるだけシンプルなKPIを設定することが重要です。
本記事では、そもそもKPIとは何か、どのように成果につながるシンプルなKPIを設計していくかについてまとめました。
そもそもKPIとは
KPI(Key Performance Indicator)とは、組織や業務の目標達成度合いを測る指標のうち、目標達成に大きく影響する重要な指標のことです。目標を達成するためのプロセスを分解し、そのプロセスごとの目標値を設定します。
KPIと対になって使われる言葉に「KGI」があります。KGIはKey Goal Indicatorの略で、最終目標が達成されているかどうかを測る指標です。
なぜKPIを決めるのか
KPIに注目する理由は、日々の進捗を可視化することで課題を明確にし、施策の改善サイクルを短くする為です。
例えばKPIを設定しないまま「1か月の売上1000万」という目標を持ったとします。月の半分が経った時にまだ200万円しか売り上げていなかった場合、どうしたらよいでしょうか?
もしKPIを設定してその進捗を見ていれば、以下のような数値が判ります。
- 営業活動のKPI設計
- コール数 600/1,000
- アポ数 15/50
- 受注数 3/10
- 受注単価 100万/100万
数値を見ると、コール数に対してアポ数が少ないということがわかります。ですので、すぐに取り組むべきポイントは「アポ率」ですね。
そうとわかれば、リストの改善やテレアポトークの改善など、すぐに打ち手を打つことができます。
この例は半月過ぎたタイミングですが、残り半月でアポ数を取り戻すには、当初の目標よりさらに高いコール数とアポ率を担保しなければなりません。この例では、残り半月で600コールしたとしても、前半の3倍のアポ率が必要です。
打ち手が遅れれば遅れるほど、取り戻すのが困難になりますので、日々進捗を確認し、達成できていないKPIは早めに改善することを心がけましょう。
どのようにKPIを決めるべきか
では、具体的にKPIを決める時には、どうしたらよいのでしょうか。次の点に注意してKPIを設計していきましょう。
1.定量的であること
「売上アップ」や「満足度向上」などぼんやりした数値では、達成度合いがわかりません。「売上5,000万円」「継続率20%アップ」など、具体的に計測できるものにしましょう。進捗や達成率が判ってはじめてKPIは効果を発揮します。
2.達成可能であること
達成が不可能な目標を立ててしまっては、どこが課題でどう改善すべきかが判断できません。また、どんなに頑張っても達成できない目標では、メンバーも意欲的に取り組めません。現実的な目標とKPIを設定しましょう。
3.関連性があること
それぞれのKPIやKGIに関連性をもたせましょう。KPIを達成したのにKGIが達成されなければ意味がありませんし、KGIへの影響の少ないKPIを設定してしまっては、どれだけKPI達成のために活動の改善を行っても、KGI達成に貢献できずムダな努力になってしまいます。
- KPIの一例
- KGI=Webからの資料請求数 20件
- KPI=CV率 1%
- 流入数 2,000ユーザー
4.自社や業種の特徴に合わせた設計をすること
KPI設計に100%の正解はありません。営業人数や営業体制、業種や商材、マーケティング施策など、それぞれの状況によって、KPIは変わってきます。自社に合ったKPIの指標や数値の設定をするためには、現状の理解と過去の実績もしっかり把握して取り組みましょう。
BtoBマーケティングでもKPI設計をしよう
このようなKPI思想が普及した背景には、インターネットの普及があります。技術の発達とともに、Web広告やメールマーケティングなどではクリック率や開封率、直帰率といった様々な数字が得られるようになりました。その結果、明確な数字をもとに意思決定を行うKPI思想が広まりました。
しかし、BtoBビジネスでは、受注までの期間が長かったり、意思決定に関わる人数が多かったりしてWebだけで取引が完結しません。そのため、BtoCのサービスに比べ数字をもとに打ち手の改善を考える発想が浸透しづらく、今でも「Web広告はやっているけど、CPAは計算したことがありません」といった企業は多くあります。
ところが、Webだけで完結しないとはいえ、BtoBでもマーケティングにおけるWebの重要性は高まる一方です。KPI設計をしていない会社が少なくない今こそ、BtoB企業は積極的に考えることが必須といえるでしょう。
おわりに
本記事では、KPIの概要と設計の重要性についてまとめてみました。マーケティング施策がいわゆる「打ちっぱなし」になってはいませんか?心当たりのある方は、KPIから見直してみてはいかがでしょうか。
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