改めて知ろう!Webマーケティングの歴史

Webマーケティングは、インターネットの普及と共に始まりました。今では企業・個人問わず、マーケティングをおこなう上で欠かせない存在となっていますが、どのように誕生し、普及・発展していったのでしょうか。今回は主なWebマーケティングの歴史を振り返ってみたいと思います。
Webマーケティングの始まり
下図は、インターネットの誕生からWebマーケティングの進化過程を表したものです。1980年代頃に誕生したインターネットが実際に普及したのは1990年以降ですが、それから現在までに様々なWebマーケティング手法が登場しました。
インターネットマーケティングの進化(Preziで作成)
※「BI」...「Before Internet」で、インターネット誕生前の意味。
【インターネット黎明期】
バナー広告時代 1994年~
普及し始めたばかりの1994年、ある出来事が起こりました。米国最大手電話会社のAT&T社が、オンライン雑誌『HotWired.com』に世界で初めてバナー広告を掲載したのです。これにより、インターネット上での広告は新しい時代を迎えました。
世界初とされるバナー広告
現在のバナーと比較すると、かなりシンプルで地味なバナーだと思われるかもしれませんが、当時は「ここをクリック」と言われるとインターネットユーザーはどんなデザインでもクリックしてしまったのではないでしょうか?
また紙やテレビでの広告と違って、バナー広告はどのぐらい見られたか、どのぐらいクリックされか等のデータも判明することができ、マーケターにとっては非常に画期的な広告手段でした。このバナーの登場後、Web上でのバナー数は急増しました。お互いのWebページにバナーを掲載し、紹介し合う時代が始まったのです。
【検索エンジン登場】
SEO、リスティング広告の誕生 1995年~
インターネット上のWebサイトが増加すると共に、世の中のWebサイトを一つのポータルにまとめて検索できるような仕組みが必要になりました。そのニーズに応えるために、検索エンジンというものが発明されました。インターネット普及の初期からArchieやWorld Wide Web Wanderer等、様々な検索エンジンがありましたが、特にインターネットユーザーに影響を与えたのはYahooとGoogleでした。
■Yahooの登場
まずYahoo社が1995年にYahoo Searchを世に出しました。当時のYahoo Searchはディレクトリ型の検索エンジンと言われ、検索結果に表示されるために、自分たちのホームページを自ら登録しないといけませんでした。検索対象となるサイトは手作業で入力するため、検索対象となるサイト数が多いと対応できないという欠点がありました。
■Googleの登場
その3年後、さらに先進的なロボット型検索エンジンのGoogleが生まれました。自分たちで登録する作業が必要ない上に、Googleのクローラーは自動的にWeb上にある多くの情報を効率よく収集することができたため、インターネットユーザーにとっては非常に便利な検索エンジンとなりました。
検索エンジンの普及とWebサイトの増加に伴い、検索結果の上位に表示されユーザーに見つけてもらうこと、いわゆる「SEO」がWebマーケティング手法で最も重要となってきました。そして、そのユーザーの母数を活用した広告も発明されました。2000年にGoogleがAdwordsをローンチしたのを機に、「検索連動型広告」、いわゆるリスティング広告時代が始まりました。
検索エンジンの歴史に関してはSEO Japanの以下の記事のインフォグラフィックがわかりやすくまとまっています。
【ブログ、SNSの急成長】
バイラルマーケティングの流行り 2003年~
1999年にBloggerが、続いて2003年にWordPress、My spaceが登場し、誰でも簡単にサイトを立ち上げ、ブログを書くことができるようになりました。日本でもアメブロやライブドアブログなどを使って個人でもすぐに情報発信ができたり、WordPressなどを使って簡単にWebサイトを立ち上げることができる時代になってきたのです。
PWeb Designer Depotによると、1999年当時、インターネット上でのブログ数はわずか23サイトしかありませんでしたが、2006年には5000万と爆発的に増加しました。その後すぐFacebookやTwitter等のソーシャルネットワークが登場し、バイラルマーケティングとSNSマーケティング誕生の土台が築かれました。
この時代は、とにかく面白いコンテンツや衝撃的なコンテンツ、インターネットで話題になりやすいコンテンツを作成・配信して、有名人や人気ブロガーにお金を払ってシェアしてもらうなどのマーケティング手段が流行りました。
【コンテンツ爆発】
データドリブンマーケティングに応用 2007年~
個人ブログの成長により、誰もがWebサイトを通して自由に情報を発信できるようになりました。2007年のわずか1年間に、人類がそれまで書いた書籍の情報量の約300万倍の情報が流れたとも言われています。
その大量のデータを分析し、ユーザーの行動に合わせて広告を出すようになった2008年頃からDSPやSSP、DMPなどの「データドリブンマーケティング」と呼ばれる手法が誕生しました。
【コンテンツマーケティング時代】
2010年~
2010年、Hubspot社はインバウンドマーケティングを発信し、同じ時期にContent Marketing Institute社はコンテンツマーケティングという概念を発信し始めました。このインバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングは、呼び方は違うものの、目的は同じだと思います。なぜなら、その本質は「物の売り込み」よりも「お客様の課題解決」にフォーカスしているからです。情報があふれている今、本当に価値のあるコンテンツを提供しなければ、注目を集められないだけではなく、企業活動が存続できない時代になってきていると思われます。
まとめ
Webマーケティングの歴史を振り返って見ると、インターネットの登場、通信環境の劇的な改善、タブレットやスマホなどのクライアント端末の進化、ユーザーをとりまく情報の急激な増加、購買プロセスの変化など、短期間でのテクノロジーの目覚ましい進化とユーザーの行動の変化に合わせて変遷してきていることがわかります。
今のユーザーや状況に合わせてマーケティング手段を選択していくのももちろんですが、それと同時に、将来を予測する必要もあるのではないかと考えています。コンテンツマーケティング、インバウンドマーケティングの次に登場するマーケティング手段とは何か、ユーザーが何を求めているのか。ぜひ皆さまと一緒に議論していきたいですね。
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