営業ナレッジマネジメントとは-戦略会議を充実させる仕組み

営業ナレッジマネジメントとは、営業の知恵や知識を社内で共有し、活用するマネジメント手法を指します。
多くの企業では、営業活動は各個人に委ねられています。しかしそれでは新人がなかなか育たなかったり、営業によって顧客の対応の仕方が変わってしまい、なかなかナレッジが溜まりません。そこで話題になっているのが「営業ナレッジマネジメント」です。 売れる営業担当者が育つ風土はどのようにして作られるのでしょうか?
営業ナレッジマネジメントとは
営業ナレッジマネジメントとは、営業に関するナレッジ(knowledge:知識、知恵)を組織内で共有することにより、組織が活発化するマネジメント手法を指します。
営業活動は属人化しがちです。営業ナレッジマネジメントは、そういった優秀な営業パーソンのノウハウやテクニックをまとめて営業部隊全体に共有することにより、営業全体のスキル向上につながるのです。
営業ナレッジマネジメントに必要なしくみ
営業ナレッジマネジメントを根付かせるためにはしくみ作りが重要です。
「ナレッジを集約するぞ!」と張り切っても、現場のメンバーの意識づけができていなければナレッジは集まってきません。営業ナレッジマネジメントを根付かせるために必要なしくみは、「ナレッジを共有することによって得られるメリットの周知」「共有しやすい風通しのよい風土」です。
ここではそれぞれについて説明しましょう。
◆共有することによって得られるメリットの周知
営業パーソンは、商談の準備から商談後のお客様対応など、常に忙しいものです。かつ、営業成績の良い優秀な人ほど仕事が集まりやすく、わざわざ自分の貴重な時間を割いてナレッジを共有することを嫌う場合も多いようです。
しかし、こうした優秀な営業パーソンのナレッジが共有されれば、営業部門の底上げにつながります。そこで、忙しい営業パーソンでもナレッジを共有したくなるような「メリット」を提示・周知することが重要です。
たとえば、共有したナレッジに「Aさん式営業法」「Bさん式クロージング」などの冠をつけて公開したり、そのナレッジを活用して成果を出した営業パーソンとナレッジ共有者にご褒美ランチなどに招待したりなど、意識づけを工夫してみましょう。
◆報告しやすい風通しのよい風土
ナレッジを共有する場を定例で設けることも重要です。
そういった決まった場がないと、忙しい営業パーソンがナレッジを共有するタイミングを逃してしまいがちだからです。また、決まった場があることで、、ナレッジ共有にも積極的になるでしょう。
例えば、毎月の営業会議で「ナレッジ共有コーナー」を設けるなどがすぐに実践できる方法です。他にも、各営業パーソンが抱える課題を取り上げて、それに対する解決策を募集するのも良いでしょう。
ナレッジとして共有すべき内容
営業のナレッジを共有するといっても、一体どんな内容を共有するべきでしょうか。
先に述べたように、営業パーソンは忙しく、時間を無駄にはできません。そこで今後の営業やマーケティングの成果につながるような情報を共有するのが重要です。
ここでは共有するべき営業ナレッジの例をご紹介しましょう。
・反応が良かった・悪かったセールストーク
「こんなことを話したら、クロージングがうまくいった」「~というトークはお客様をさらに迷わせてしまった」など、良かった/悪かったセールストークを共有しましょう。
・提案資料データ
提案資料作りは大変工数のかかる業務です。提案に役立ったデータなどを営業部内で共有することで、工数の削減や提案力の底上げに寄与できます。
・ヒアリングでアップデートされる顧客情報
お客様情報は常に最新であるべきでしょう。お客様やその業界、市場の情報など、ヒアリングできた内容はしっかり共有しておくことが大切です。
・受注、失注の要因分析
なぜ受注に至ったのか、失注してしまったのかは今後につながる貴重な情報です。また、共有をすることによって、ほかの人からさらに有用なアドバイスがもらえる可能性もあるでしょう。
さいごに:営業チームで得られるものは売上だけではない
営業パーソンのミッションは、もちろん受注を獲得し売り上げに貢献することです。しかしそれを自分だけの知識にするのではなく、チームや部内で共有をすることによって今後の営業活動やマーケティングに役立つナレッジとなります。
ナレッジマネジメントを導入することで、チームメンバー全員が相互に助け合い、これまでよりも良い成果を生み出すことができるようになるでしょう。