営業ロープレとは?メリットや効果的に進めるための5つのポイントをご紹介!
おそらくこの記事をお読みになっている多くの方も、新人時代に先輩とロープレをしたことがあるのではないでしょうか。あるいは、これから営業ロープレを控えているという新人営業パーソンかもしれませんね。
今回はこの営業ロープレを行うメリットや進め方、効果的に進めるための5つのポイントについてご紹介します。
営業ロープレとは
ロープレとはロールプレイングの略で、現実に起こる場面を想定した疑似体験を通じて、ある事柄が実際に起こったときに適切に対応できるようにする学習方法の一つです。
営業ロープレでは、自分以外の人に顧客役をやってもらい、テレアポや商談の練習をします。BtoBの営業に限らず、お客様とコミュニケーションがあるような職種では広く採用されている教育手法のひとつです。
営業ロープレのメリット
本題に入る前に、まずは営業ロープレのメリットについて今一度整理します。
営業スキルの向上
営業ロープレは、実際の商談を想定したトークや提案の練習を行えることから営業スキルの向上が期待できます。顧客の質問に対する切り返しなど、様々な状況を想定してロープレを行うことで、座学だけでは習得が難しい実践的なテクニックを身につけることができるのです。
また、ロープレを行った後に改善点や良かった点をフィードバックしてもらうことは、さらに営業スキルを高めることにつながります。
課題が明確になる
テレアポにしろ商談にしろ、上手くいかない場合にはどこかに問題があります。ただし、何もかも全てダメというケースは実際には少なく、プロセスを分解してみると「これとこれはOK、ここはあと一歩」という風に、出来ている/出来ていない(課題)が混在していることがほとんどです。
これらを見極める手段として、営業ロープレはとても効果があります。また、課題が明確になるからこそ、教育担当者は適切な打ち手を示すことができますし、メンバー自身もやるべきことが明確になります。
商品理解が深まる
自社が売りたい商品がどういうものなのか理解できていなければ、顧客に勧めることもできません。商談を成功させるためには、特徴やセールスポイントを前もってしっかり理解しておくことが大切です。
営業ロープレでは、自分の言葉で商品やサービスについて話すことで、商品への理解を深めることができます。商品理解が深まることで、顧客に対しても自信をもって商品を勧めることができます。
話すことに慣れる
自社商品・サービスの知識をインプットすることは、ある程度1人で進めていくことが可能かと思います。しかし、実際にお客様に伝えること、話すことは、相手の存在が前提になるので、普段よりも緊張してしまったり、想定外の質問があって頭が真っ白になったりと、慣れていないからこそのつまずきがあるものです。
そうならないためにも、まずは営業ロープレで話すことに慣れることで自信が付き、堂々と喋れるようになります。
事前準備に漏れが無いかを確認できる
このメリットは主に商談ロープレに当てはまるものですが、前述のとおり、新人のうちはお客様から想定外の質問があり、対応出来ないということが往々にしてあります。
そこで、実際の商談で想定される質問を事前に投げかけることで、準備がしっかり出来ているかのチェックをすることができます。
営業ロープレの種類
ロープレにはいくつかの種類があり、営業担当者が抱えている課題ごとにロープレのやり方も変えていくことが重要です。
・ケース型ロールプレイング
ある状況を想定したロープレのことを指します。細かく顧客の業種、立場、課題を設定し、より現実に近づけることで、実際の対応の仕方を学びます。
・グループロールプレイング
グループに別れ、役割を交代しながら進めるロープレです。営業現場では相手の立場になって考えることが重要なため、営業・顧客両方の役割を演じられるグループロールプレイングで得られる学びも多いです。
・問題解決型ロールプレイング
現実に起こっている課題を解決することがテーマになっているロープレです。実際に起こった過去の問題をテーマとして取り上げるケースもあります。実際の対応などを違った視点で協議することで、新たな解決方法を模索することができます。
・モデリング型ロールプレイング
誰かのロープレをそのまま模倣して行うロープレのことを指します。先輩社員や優秀な営業担当にモデルをしてもらい、それを真似することで基本的な営業の型を身につけることができます。
営業ロープレはこう進めよう
次に実際のロープレの進め方を見ていきましょう。
- 設定を決める
- 役割を決める
- 事前準備をする
- フィードバックをする
1.設定を決める
どんなに準備をしても、テレアポ、商談では予想外の質問がお客様から飛んできたりするものです。ですから、ロープレでは出来るだけそのような環境に近づけるために、様々なパターンを想定し、設定をしておくことが望ましいと言えます。
具体的には「どんな企業」の「どんな部署・役職の方」で「どのような雰囲気の方」か、などになります。
2.役割を決める
次に、顧客役と営業マン役の役割を決めます。顧客役を上司や先輩が演じ、新人営業担当者が営業マン役を行うことで、トークに慣れたり、切り返しのテクニックを身につけることができます。
場合によっては逆の役割を演じることで、新人営業は先輩のテクニックを学ぶ機会にもなります。
3.事前準備をする
実際の商談を行う際も、事前準備は必要不可欠です。この事前準備もロープレの一環として行うことで、実際の商談をよりリアルにイメージすることができるでしょう。
営業担当者役は、顧客役に対してどのような提案を行うのかを考え、必要な資料を準備しておきましょう。また、フィードバック用にチェックシートを用意しておくことも忘れずに行います。
4.フィードバックをする
ロープレを受けたら、その感想を上司や先輩にフィードバックしてもらうことを忘れてはいけません。 フィードバックする側は、「良かった点」「こうしたらもっと良くなる点」といったGood&Moreで伝えることが望ましいです。
また、ロープレを受ける側が指摘した事項などは、メモをして残しておきましょう。そうすることで、同じ事象が再度出てきた際に、苦手な部分が見えてきたりもします。
営業ロープレを進める上での5つのポイント
ここからは、本記事のメインである「営業ロープレを進める上での5つのポイント」についてご紹介します。
1.ゴールとスケジュールを明確にする
営業ロープレの目的はもちろん営業スキル向上にあり、この点においてはみなさん納得のいくところと思います。
ただし、意外と盲点なのがスケジュールを立てることです。具体的には、「いつまでに」「何ができるようになっているか」というスケジュールを立てて取り組むことが重要です。
2.短い時間で細かく進める
一度のロープレ時間が長くなると、指摘や気付きのボリュームが多くなり、全てを吸収できないまま次回のロープレを迎えることになります。
そこで、商談の最初から最後まで全てのロープレを毎回行うのではなく、前回の反省を踏まえ、苦手な提案だけ、クロージングだけといったように部分的に行うことが効果的です。内容にもよりますが、15分〜30分程を1セットで進めていくといいでしょう。
3.型を示す
これは皆さんも実践されていることと思いますが、先輩ができないことは、普通であれば新人もできないものです。事前にしっかりと先輩がやり方などをやってみせることが重要です。
まずは、基本的な流れを落とし込んだトークスクリプトを作成しておきましょう。また、先輩営業マンの成功トークなどを取り入れることで、より効果的なロープレを行うことができます。
4.動画を撮影する
ロープレの様子を動画で撮影することで、ロープレ後に内容を確認できるのはもちろん、何度でも振り返ることができます。
フィードバックされた内容だけでなく、客観的に自身の良かった点や、改善点を把握することも大切です。また、会話のスピードや話し方など自身で確認することで気づけることもあるでしょう。
5.オブザーバーを入れる
営業ロープレは、顧客役と営業マン役の二人いれば実施することができますが、オブザーバーを入れた三人一組で行うことが効果的です。
顧客役と営業役の二人だけで行った場合、教育担当も役を演じながらフィードバックする内容をチェックすることになります。そのため、チェックの抜け漏れもあるでしょう。そこで、第三者目線でオブザーバーがチェックすることで、より正確にフィードバックを行うことができます。
さいごに:営業ロープレを受ける側のスタンスが大切
参考までに、山本五十六(やまもと いそろく)の名言で「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」というものがあります。
ロープレを受ける側(顧客役)のスタンスも、まさにこれに通じるものがあるのではないでしょうか。みなさんの営業ロープレを行う際の参考になれば幸いです。
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