マーケティングオートメーション(MAツール)活用のメリットとデメリット

様々なマーケティングオートメーションが市場に登場してきており、ツールの認知が広がっています。それによって、導入を検討する企業もまた増えてきています。マーケティングオートメーションを導入する際に意識すべきポイントは、マーケティングの最適化や成果の継続的な向上を見込めるように、体制の構築や施策・ツールの選択をすることです。
この記事では、マーケティングオートメーションを活用するメリット・デメリットと、自社の体制や施策にあったツールの選定をするための注意点を解説します。
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マーケティングオートメーション活用のメリット
まずはマーケティングオートメーションを活用するメリットから説明します。
見込み顧客の状況に合わせた訴求ができる
マーケティングオートメーションを活用すれば、見込み顧客のWeb行動履歴を元に、自動で状況に応じたアプローチができます。
例えば、マーケティングオートメーションで「ステップメールの1~2通目で購入意欲を育成し、3通目に製品資料をダウンロードした人へアポイント打診のメールを送信する」という設定をすることで、「自社のメルマガ購読者のうち、自社製品の導入を検討している人に対してアポイント打診をメールを送る」ことができるようになるのです。
メルマガ購読者が全て自社製品に興味を持っているとは限らないため、全員にアポイント打診をしても効率がよくありません。しかし、マーケターや営業が個別に状況を把握し、その状況にあったメールを送るのは困難です。
そこで、マーケティングオートメーションでシナリオ設定をして、見込み顧客の状況に合わせた訴求をすることで、人の手間を省くことができるのです。
営業がフォローしきれないリードへアプローチできる
顧客の取り合いとなっている現代では、まだニーズが潜在的な見込み顧客にも積極的にコミュニケーションを取っていかないと、競合他社にうばわれてしまう恐れがあります。しかし、営業は直近で確度が高い見込み顧客へのアプローチに注力しがちで、潜在ニーズ層へのアプローチはどうしても後回しになってしまいます。
マーケティングオートメーションを導入すれば、まだ見込み度合いが低い顧客へのアプローチも効率よく行うことができるようになります。
見込み顧客のデータを一元管理できる
多くの施策を実施し、管理する情報が増えれば増えるほど、さまざまなツール、Excel、名刺や紙など、見込み顧客情報の管理がバラバラになりがちです。マーケティングオートメーションを使うことで、見込み顧客のデータを一元管理することができます。見込み顧客ごとに、資料のダウンロード履歴やセミナーの参加状況、Webサイトの閲覧状況などのデータをまとめて見ることができます。
営業とマーケティングで連携しやすくなる
上でも触れましたが、マーケティング施策の履歴やWebサイトの閲覧状況などがまとまって管理されているため、マーケティングと営業の間で、状況の共有がよりスムーズにできるようになります。
また、「Web上のアンケート回答で自社製品に興味を示した人へインサイドセールスから架電」「商談はしたけれど失注、半年後Web上で情報を収集し始めたので営業から再度アプローチ」など営業活動とマーケティング施策の連携も、マーケティングオートメーションを活用すれば、実現可能です。
マーケティングオートメーションを導入するデメリット
メリットがある一方、マーケティングオートメーションは魔法のツールではないのでデメリットも存在します。導入を検討するならば、デメリットも合わせて把握しておきましょう。
導入コスト・人的リソースがかかる
導入直後の慣れないうちは設定に手間取り、業務が増えるかもしれません。特に導入前にはリード情報の整理や名寄せ、既存のツールとの連携といった作業が必要です。
導入事例やホワイトペーパーなどの足りないコンテンツの作成も重要ですし、場合によっては複雑な施策の設計を事前に行う必要があることもあります。立ち上げ当初は時間・コストなどがかかることを覚悟しておきましょう。
運用が難しく、使いこなせないこともある
マーケティング初心者にとってはシナリオやスコアリングなどの高度な設定が難しく、最初は思うようなリードナーチャリングや確度が高いリードの抽出ができないかもしれません。多機能なツールを導入しても、結局使っているのはメール配信機能だけという話もよく聞きます。
複雑な機能をいきなり使いこなそうとせず、最初はシンプルに使い始めることがおすすめです。
マーケティングオートメーション導入時に注意したいポイント
マーケティングオートメーションは便利なツールではあるものの、「とりあえず導入しただけで終わってしまった」、「導入したが使いこなせない」などという失敗談もよく聞きます。このような失敗を防ぐために、注意したいポイントを解説します。
自社のマーケティングレベル、体制や施策状況に合ったものを選定する
さまざまな特長を持ったマーケティングオートメーションが存在しますが、選定する上で一番重要なのは「自社に合っているかどうか」です。
既に高度なマーケティングに取り組んでいる大企業であればそれに見合った高機能なツールを、中小企業で専任のマーケターがいないのであれば、スモールスタートできるようなツールや、導入支援・サポートが充実しているものがよいでしょう。
また、実際に運用する担当者のレベルや、取り組む予定のマーケティング施策を整理して、それに合ったツールを選ぶことも重要です。
運用体制を構築し、定期的に分析を行う
日々の業務に忙しくとも、メール配信の結果やCV数などを分析したり、シナリオやスコアリングの見直しをしたりといった分析や改善をしなければマーケティングオートメーションを導入する意味がありません。
マーケティング施策に追われてしまうのを防ぐには、導入前に運用フローを構築し役割分担を決めておきましょう。定期的な分析とPDCAが見込み顧客に届くマーケティングにつながるのです。
マーケティングオートメーション導入のメリット・デメリットを把握し、適切な運用をしよう
マーケティングオートメーションの導入を検討する際には、メリット・デメリットを把握し、自社にとって適切なマーケティングオートメーションの導入を検討してみてください。
マーケティングオートメーションの比較ポイントはこちらの記事へまとめています。