失敗しない!マーケティングオートメーション(MAツール)導入を成功させる7つのポイント
近年、日本のビジネス界でも一般的になっている「マーケティングオートメーション(MAツール)」。周りでも「実際に導入している」または「導入を検討している」企業が増えているのではないでしょうか。
しかしメジャーになっている一方で、「どのツールを導入したらよいかわからない」「導入はしたものの、使いこなせない」「費用対効果がわからない」など、悩みを抱えているケースも少なくありません。マーケティングオートメーションの導入には多くの工数や費用が掛かるため、自社の体制に合うツールを導入したいものです。
この記事では、これからマーケティングオートメーションの導入を検討している方向けに、失敗しないためのポイントをご紹介します。
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マーケティングオートメーション(MAツール)とは?
マーケティングオートメーションとは「マーケティング活動を自動化し、営業活動の効率化をサポートする仕組み」です。
また、マーケティングオートメーションを運用するツールやソフトウェアを「マーケティングオートメーションツール(MAツール)」と呼びます。
マーケティングオートメーションを導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか?導入から運用までの流れも合わせて紹介します。
MAツールを導入するメリット
マーケティングオートメーションでは、大きく分けて以下の3つのことができます。
- ・リード情報の一元管理
- ・リードとの定期的なコミュニケーション
- ・見込み確度の高い顧客の抽出
例えば「オンライン展示会の参加者はスプレッドシートで管理」「自社サイトの問合せ者はサイトのデータベース」「この顧客は価格表をよく見ているからそろそろ購入意思が高まりそう」といった見込み顧客の状況を直接関わっていない人でも把握しやすくなります。
マーケティングオートメーションを使い、メールやサイトなどのコンテンツを通して顧客にアプローチすることで、わざわざ営業担当が相手先に訪問しなくても、定期的なコミュニケーションが可能です。
また「メルマガからサイトに来てくれたあの見込み顧客には、事例紹介を配信したらより興味をもってもらえそう」というように、顧客ごとに適切なタイミングで、より興味を持ってもらいやすい施策を実行することができます。
MAツール導入~運用開始までの流れ
マーケティングオートメーションを導入し、実際に運用を始めるまでの流れは以下の通りです。
- セールス担当のヒアリングから、自社の現状課題を明確にする
- 自社が保有している見込み顧客のデータを整理する
- マーケティングオートメーションで「必要な機能」は何かを選定する
- マーケティングオートメーションの比較と選定をする
- ベンダーと契約し、マーケティングオートメーションを導入する
まずは自社に合うツールを吟味して選び、しっかり検討を重ねてから導入していきます。
最終的に売上向上につながるよう、マーケティングオートメーションで管理している顧客情報は、社内全体で共有することが重要です。
マーケティングオートメーションの導入でよくある失敗
マーケティングオートメーションを導入したものの、運用が上手くいかなかったり、肝心の営業活動で効果が上がらなかったりすることもあります。まずはマーケティングオートメーション導入後によくある失敗例と、その対策を見てみましょう。
マーケティングオートメーションを導入しただけになる
「マーケティングオートメーションがあればマーケティング活動や営業の効果が上がるはず」と導入することだけが目的になり、「なんのために」「どのように」運用するか道筋を決めておかないと、思うように運用が進まず、本来の効果を発揮できません。
まずは、マーケティングオートメーションを導入する理由と解決したい課題をきちんと洗い直し、導入の前に明確な目的を定めておきましょう。
例えば「メール配信を通して資料請求の数を増加させたい」と考えている場合の、現状・課題・MA導入の理由を考えてみましょう。
- 現状:
- メール配信で見込み顧客の育成をしたい
- 課題:
- 一斉メルマガを配信するだけで、相手の関心に合わせた訴求ができていない
- MA導入の理由:
- Webサイト閲覧ページやこれまでの接触履歴などから、見込み顧客ごとに訴求を変えたメールを配信し、より反応率を高めたい
この様に、しっかりと目的を整理しておくことで、導入後も運用を続けやすくなります。
機能を使いこなせていない
マーケティングオートメーション導入後によくありがちなのが「一部の機能のみしか活用できていない」という問題です。
メールを配信しているだけ、Webサイトのコンテンツを増やしているだけでは、マーケティングオートメーションの機能を生かしきれません。複数の機能を組み合わせることで、以下のように効果が上がるのです。
- 展示会で名刺を獲得し、お礼メールを送る
- 「お礼メールを開封した」「URLから製品資料をダウンロードした」などの情報を取得
- アクション別でリードをセグメント
- ダウンロードした人に営業がアプローチ
マーケティングオートメーションの機能を上手く利用することで、一つのアクションからリードへの接点を派生させられます。限られた機能しか使えていないのは、導入したのに損をしていることになるのです。
Web上のコンテンツが少ない
マーケティングオートメーションを活用したナーチャリング活動では、コンテンツは不可欠です。製品情報の資料やWebサイト、メルマガなどを豊富に用意することで、リードとの接点が多くなり、関心を引き寄せやすくなったりします。
サービスや製品を検索している見込み顧客が自社のWebサイトを閲覧したとき、価格やスペックだけしか掲載されていなかったら、具体的なイメージがわかず、購入にはつながりにくいでしょう。
とくにBtoBビジネスの場合は購入までのプロセスが長く、検討材料が多くないと候補から外されやすくなります。Webサイトには製品情報に加え、導入事例やよくある質問、お役立ち資料などを用意しておくことで、より導入イメージを膨らませられるでしょう。
また、資料請求や問い合わせフォーム、最新情報を配信するメルマガ登録などの窓口を用意しておくことで、見込み顧客への積極的なアクションが起こりやすくなるはずです。
メールマーケティングにおいても、見込み顧客の検討度合いに合わせたメールを配信することが成功の鍵を握っています。そのためにはできるだけ多くのメールコンテンツが必要なのです。
マーケティングオートメーション導入に失敗しないための事前準備
マーケティングオートメーションの導入を成功させるには、導入前の事前準備が重要となります。
市場には多くのマーケティングオートメーションツールがありますが、ツールによって備わっている機能や価格などが異なります。
自社にとって適切なものを導入し運用を成功させるためにも、事前に自社に必要なツールを理解する必要があります。ここでは、導入前にしておくべき事前準備についてご紹介していきます。
1.MAツール導入の目的をまとめて整理する
「あの企業がマーケティングオートメーションを導入して業績を伸ばしているから、うちも導入したい」というざっくりとした目的では、導入しても上手く使いこなすことは難しいでしょう。
マーケティングオートメーションを導入する前に、「どのような機能を活用し、どのようなマーケティング施策を行いたいのか」を整理することが重要です。
ひとくちに「マーケティングオートメーション」と言っても持っている機能や種類は様々で、高機能なものもあれば、機能が限定されているものもあります。例えば、Webコンテンツの作成に強いもの、メールマーケティングの機能に特化しているものなどです。
「リードをもっと増やしたい」「今ある見込み顧客リストの中から、営業がアプローチすべき対象を見つけたい」など、自社のマーケティング施策でやりたいことや目的に優先順位をつけましょう。
そのうえで、必要な機能、あれば欲しい機能、あると便利そうだがなくてもよい機能などと仕分けしておきます。
2.自社のリード情報について把握しておく
マーケティングオートメーションを導入する前に、ナーチャリング対象となるリードを自社でどのくらい保有しているか確認しておきましょう。
また、顧客ごとに検討状況に合った施策を行うために、「購入検討に至っている状態」か「まだ自社を認知し始めた状態」かなど、自社と顧客との関係性を把握しておきます。
それによって、マーケティングオートメーションを導入したあと、どの様にアプローチしていくかを設計することができるようになります。
3.マーケティング施策を設計する
導入前に必要なのが「マーケティング施策の設計」です。
顧客目線に立ち「自社の見込み顧客はどのような課題を抱えているのか」「課題を解消するためにはどのようなコンテンツを用意するべきなのか」など、施策を立ち上げるための指標を打ち出します。
企業によって施策を実施する目的は変わってきますが、「とりあえず導入して試して考えよう」という風にマーケティングオートメーションを始めてしまうとなかなか上手くいきません。
また、マーケティングオートメーションを導入し、目的を持って施策を実施しても、必ず成果が上がるわけではないことも理解しておきましょう。
そのような場合、改善するために次の施策を立てなければなりません。「現状のボトルネックとなっている箇所はどこか」「より顧客の興味を引くためには、どのような訴求内容の広告を出すべきか」「どのタイミングでどんなコミュニケーションをとれば課題喚起ができるのか」など、現状の課題と解決策を考える必要があります。
そのためにも、施策ごとにKPIを設計することをおすすめします。
4.課題解決に必要な機能が搭載されているツールを選ぶ
一番最初に整理した、「マーケティングオートメーション導入の目的」に沿って、自社にとって必要な機能が備わっているツールを選定しましょう。
情報収集や提案を受けていると、「あれもいいな」「これもいいな」となってしまい、本来の目的を見失ってしまうかもしれません。すると、本来の目的を達成するための機能が搭載されておらず、自社に合わないツールを導入してしまう可能性もあります。
導入前に決めた軸はずらさないよう検討を進めましょう。
5.現状の施策や体制に合ったツールを選ぶ
マーケティングオートメーションの種類が様々あるように、企業によって体制や注力しているマーケティング施策も様々です。
場合によっては、「導入したツールにマーケティング施策を合わせる」という考え方から、導入前に立てていた体制を変えることもあるかもしれません。
しかし方向転換には効果が出始めるまでに時間や工数がかかるため、「自社の体制に合ったツールを選定する」という前提に立ってツールを導入するほうがスムーズでしょう。
「これから強化していきたい施策に特化した機能を持っている」「元々自社で導入している他のシステムと連携できる」「低価格で導入と運用ができる」など、種類によってメリットが変わるため、自社の要望に合ったものを選ぶようにしましょう。
マーケティングオートメーション運用時の注意点
マーケティングオートメーション導入のためにしっかりと事前準備を行い、自社に適したツールを導入できたら、いよいよ実際にマーケティングオートメーションの運用を開始します。ここでは、運用時に意識しておきたい注意点についてご紹介します。
・他部門との連携をしっかり取る
主にマーケティング部門がマーケティングオートメーションを運用する企業が多いかもしれません。
しかし、マーケティングオートメーションを導入する最終目的は「受注を増やす(ための商談数を増やす)」ことであるため、営業部門との連携が必須です。
過去の顧客との商談成立まではどのような過程だったか、顧客から製品に対してどのような意見が挙がりやすいかなどを、マーケティング部門でも把握できる体制を整えておきましょう。社内全体で情報共有ができれば、改善策が立てやすくなったり、新たな課題を見つけやすくなったりするはずです。
・MAツールの運用フローを整備
自社で打ち出した施策にそった分析や改善を行うためには、マーケティングオートメーションを専任で担当する人を決めておく必要があります。
マーケティングオートメーション導入後、一度施策が軌道に乗り順調だったとしても、その効果がずっと続くことはほぼありません。時期や時代によって、顧客が求めるものが変わってくるためです。
常に変動しやすいリードのニーズを把握し、時に変更しなければなりません。施策改善と柔軟な対応をするためには、実際にマーケティングオートメーションを運用し、PDCAサイクルを上手く回せる担当者を決めておくことが重要です。
自社に合うマーケティングオートメーションを選ぼう
マーケティングオートメーションは導入が進んでいる一方で、「使いこなせない」という理由から、別ツールへの乗り換えを検討したり、活用をやめてしまう企業も少なからずあります。
自社が抱えている課題と「なぜマーケティングオートメーションを導入するのか」という目的を明確にし、体制に合ったツールを導入するようにしましょう。
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