新しい営業の形「インサイドセールス」。メリットや向いている人は?

従来の営業方法とは異なる新たな営業方法「インサイドセールス」。最近では多くの企業がすでにインサイドセールスを導入したり、導入を検討しているようです。営業にかかる移動時間の削減や、分業による業務の効率化などが期待できるといわれているインサイドセールス。導入するなら成果を出していきたいですよね。
そこで今回は、インサイドセールスを導入することで得られるメリットと、インサイドセールスに向いている人の特徴をまとめました。
改めて理解しよう。「インサイドセールス」とは?
インサイドセールスとは、取引先や見込み顧客に対して訪問する従来の営業方法(フィールドセールス)と違って、営業や商談を電話やメールなどでおこなう営業方法で、リモートセールスとも呼ばれています。このインサイドセールスは、土地面積が広く移動に膨大な時間がかかってしまうアメリカで、営業活動にかかる時間とコストを削減するために生まれました。
近年、日本でもインサイドセールスを導入する企業は増加傾向にあります。アポイント獲得、商談、受注後のフォローといった営業のすべての業務をインサイドセールスがおこなう企業もあれば、見込み顧客からの問い合わせ対応や新規営業リストに対するアポイント獲得をインサイドセールスが担当し、顧客との商談はフィールドセールスが訪問しておこなうというように役割分担をしている場合もあります。
解説記事:インサイドセールスとは?成果につなげる方法を教えます!
インサイドセールスを導入するメリット
インサイドセールスを導入することで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、「コストの削減」「業務の効率化」という二つの側面からインサイドセールスのメリットをご紹介します。
コストを削減できる
通常の商談に1時間、前後の移動に30分かかると仮定すると、従来型の営業では1案件の商談に2時間かかる計算になります。これは、顧客の検討フェーズなどに関係なく、基本的にはすべての商談に同じ時間がかかると考えてよいでしょう。
一方インサイドセールスの場合は、移動時間がかかりません。1案件の商談にかかる時間は1時間のみとなります。1日の営業時間が8時間とすると、訪問型営業の場合は最大4商談しかできないところ、インサイドセールスであれば8商談おこなうことができるのです。
また、削減できるのは移動時間だけではありません。訪問型営業では、移動のたびに交通費がかかり、場合によっては1か月に数万円かかることもありますが、インサイドセールスでは交通費は一切かかりません。
業務の効率化ができる
営業活動において重要なのは、いかに多くの受注を獲得できるか、という点です。そのため、特にフィールドセールス担当はできる限り受注確度の高い案件に集中することが重要でしょう。しかし、展示会などのイベント後や、休眠顧客・過去失注顧客へのアプローチなどは、直近の検討フェーズがわからない場合も多くあります。
このような場合には、インサイドセールスが効果を発揮します。例えば、まずすべての対応をインサイドセールが担当し、BANT情報などをヒアリングすることで、案件の優先度付けが可能にあります。そのヒアリングの結果、直近での受注確度が高い案件のみフィールドセールスが実際に訪問し、商談をおこなうといった活動も可能になるのです。
解説記事:BANT情報を活用した営業活動のマネジメント術
インサイドセールスに向いているのはどんな人?
このように、うまく活用することで大きな成果につなげることもできるインサイドセールスですが、通常の営業スタイルとは異なる点も多くあります。そのため、フィールドセールスとインサイドセールスでは向いている人が違うという場合もあります。
そこで、インサイドセールスに向いている人が持っているスキルについて、ご紹介していきます。
コミュニケーションスキル
インサイドセールスは電話やメールなどの非対面コミュニケーションによって営業活動を行います。 そのため、通常の対面コミュニケーションよりも高度なコミュニケーション能力が求められます。 例えば、顧客の課題やニーズを適切に読み取る力や自社サービスの魅力を正しく伝える能力がそれにあたるでしょう。
通常の訪問型営業であれば、相手の表情やボディランゲージなどから察することができるような情報も、インサイドセールスの場合は電話での音声やメールの文面から読み取らなくてはいけません。 また、自社サービスを紹介する場合においても同様に、音声・文面のみで正しく伝える必要があります。
継続力
インサイドセールスは基本的に、終日社内で電話やメールなどにより顧客にアプローチし続けます。フィールドセールスであれば商談と商談の間に移動時間が入るため、気分転換をすることもできますが、インサイドセールスはそういうわけにもいきません。
また、とくにフィールドセールスと役割分担をするタイプのインサイドセールスでは、その役割は「見込み顧客の中から良質なリードを見つけ出し、フィールドセールスにパスする」ことになります。その場合、自身の活動から直接受注を獲得することは非常に少なくなるため、活動の成果が見えにくくなることもよくあるでしょう。そのようなときでもモチベーションを維持し、行動し続ける力が重要になります。
さいごに
インサイドセールスは、従来の営業活動の無駄をなくすために考案された、新しい営業手法です。従業員が少ない企業でも効果的に営業を行うことができると期待され、実際に多くの企業で導入されています。しかし、しっかりと成果を出すためには、業務の特性をしっかりと理解し、より適性のある人材を配置することが重要です。
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