インサイドセールスで成果を出すポイント

近年では電話によるインサイドセールスが再注目され始め、内製化を進める企業が増えてきています。ある企業では社内の優秀な営業を集めインサイドセールス部隊を組織するなど、その重要性は高まってきています。
今回は、インサイドセールスが再注目される背景と、効果的なインサイドセールスの手法についてお伝えします。
インサイドセールスとは?
インサイドセールスとは、電話やメールなどの非対面の手段を通じてお客様とコミュニケーションを取る営業活動のことを言います。反対に、実際にお客様先へ訪問し、対面型のコミュニケーションを取る従来型の営業はフィールドセールスと呼ばれます。
インサイドセールスが求められる近年の背景
インサイドセールスが求められる背景には、単にフィールドセールスの営業効率を上げたいという理由ももちろん挙げられますが、インサイドセールスを活用することで、リードに対してまずインサイドセールスがコンタクトを取り、より確度が高いとわかったリードのみフィールドセールスにトスアップして訪問する...というような訪問営業の効率化を図ることが出来ます。
それ以外にも、以下のようなここ数年表面化してきた課題も挙げられます。
・クラウドやASPなど安価なサービスの台頭
以前は何百万といったコストをかけなければ実現しなかったIT化が、クラウドやASPサービスなど台頭により、月額数万円で実現可能になりました。反面、サービスの提供側から見ると1社当たりの売上単価は少なくなるため、受注獲得コストを抑える必要が出てきています。
・マーケティングと営業の架け橋の必要性
近年、リード獲得をミッションとするマーケティング部が企業の中で独立することが増えてきた一方、獲得したリードの質は様々であり、中にはフィールドセールスが対応する必要のないリードも存在します。しかし、せっかく獲得したリードに営業がフォローをしないと、マーケティング部のモチベーションが低下したり、営業との間に溝が出来るなどの問題が生じるので、両部隊の架け橋となるようなリードを精査してトスアップできる新たな部隊の必要性が出てきました。
インサイドセールスが効果を発揮するシーン
では、どのような場合にインサイドセールスの活動による効果がでるのでしょうか。いくつかのシーンをご紹介します。
・イベントフォロー
インサイドセールスが効果を発揮する典型的なシーンは、展示会やセミナーなどのイベントがキッカケで大量にリードを獲得し、フォローをしていく必要がある場合です。イベントで獲得するリードには、ニーズの高いものから低いものまで様々です。そこで、インサイドセールスが一旦コールにて精査をかけ、具体的にはBANT情報などをヒアリングしてフィルターをかけた上で、フィールドセールスへトスアップすることで、効率のよい営業活動が出来るようになります。
・休眠顧客の開拓
インサイドセールスは、これまでに集めたリードの中からHOTリードを見つける場合も効果的です。フィールドセールスは目先の数字や案件に追われることが多く、いますぐ商談化しない"見込み顧客"に対しては、ついフォローが後手に回りがちです。大量のハウスリストを保有し、月間のお問い合わせ件数のうち、数件でもハウスリストの中にあるリードからのお問い合わせがあるのであれば、インサイドセールス活用の検討は十分にする余地があります。
・Webからの問い合わせに対する一時対応
ホワイトペーパーやリスティング広告などで獲得できるリードは、コストをかければ一定の問い合わせ件数は確保できますが、ユーザーからすれば簡単に情報収集できてしまうので、ノイズが含まれる可能性はどうしても捨て切れません。そこで、一時対応専属のインサイドセールス部隊を設置し、フィールドセールスにトスアップするかどうかのフィルターをかけるのも効果的です。
インサイドセールスを成功させる5つのポイント
最後に、インサイドセールスを成功させるためのポイントについて、いくつかご紹介します。
① 目的を決める
インサイドセールスといっても一時対応といった簡易なものから、リードナーチャリング的に行われる比較的難易度の高いものまで様々ありますので、自社のインサイドセールスは何のために何をするのか?といった目的の設定は必要不可欠です。
② 顧客ステータスをしっかり共有する
インサイドセールスは非対面で顧客とコミュニケーションをとることになるので、できるかぎり顧客の人物像や背景を想像できる環境を整備することも重要です。例えば、どこで名刺交換をしたのか(どこで接点を得たのか)、過去にどんな商談をしたのか、なぜこのタイミングで電話するのかなど、いくつか項目を整理して顧客ごとに共有をすることが重要です。
③ ヒアリング項目を定型化する
目的によって項目は変わりますが、例えばインサイドセールスの目的が営業へのトスアップであれば、顧客がどのような状態なら営業はフォローするモチベーションが上がるのか(訪問する気になるのか)をヒアリングした上で、それをいくつかの項目に因数分解して定型化することが重要です。
④ 営業へトスアップする線引きを明確にする
上記で項目を決めたら、どのラインを超えたら営業へトスアップできるかの線引きを事前に決めておくことも重要です。例えば、「BANTのうち2つに○がついたら営業へトスアップする」などのルールです。ここを曖昧にしてしまうと、せっかくインサイドセールス部隊を設けても、営業の効率化にはつながりません。
⑤ フィールドセールスからフィードバックをもらう仕組み・仕掛けを作る
自分がフィールドセールスへトスアップした案件が上手くいけば、やはりインサイドセールスとしては嬉しいものです。逆に、上手くいかないのであれば、何故上手くいかなかったのかを具体的に明示し、場合によっては④で挙げたトスアップの線引きを変えていく必要があります。いずれの場合にも、フィードバックをする仕組み・仕掛けは、彼らのモチベーションやPDCAを回すために重要と言えます。
さいごに
いかがだったでしょうか。インサイドセールスを行うことで成果が上がるシーンも多くあると思います。皆様の営業組織や活動を考える上で、何かのキッカケにしていただけたら幸いです。
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