カスタマージャーニーマップで、顧客視点に立ったマーケティング施策を立案する方法

顧客が商品の購入検討から、最終的に購買に至るまでの道のりであるカスタマージャーニー。マップ化することで、顧客視点に立ったマーケティング施策の立案を行ったり、自社の抱える課題の明確化につながります。
この記事では、カスタマージャーニーマップを設定するメリットや、マップの作成方法について解説していきます。
また、マーケティング活動で特に重要な10のフレームワークの解説と、印刷して使えるテンプレートをご用意しました。カスタマージャーニーマップのテンプレートもありますので、ぜひ御覧ください。
カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーとは、顧客が自社の製品やサービスを認知し、購入検討から最終的に購買に至るまでの一連の行動のことです。
そして、カスタマージャーニーの中で顧客接点や、顧客の感情や行動を可視化したものをカスタマージャーニーマップと呼びます。カスタマージャーニーマップにより、顧客視線に立つことで自社の課題や顧客のニーズ発見につながります。
カスタマージャーニーの設定で得られるメリット
ここではカスタマージャーニーを設定することで得られる、メリットについてご紹介します。
顧客視点を理解することで課題の明確化ができる
マーケティング戦略の立案には、顧客のニーズに寄り添うことが重要となりますが、企業側の理想で考えてしまうことも多くあります。
顧客の感情や行動を可視化することができるカスタマージャーニーの設定で、それぞれの場面での課題や、接点の発見につながり、課題に合わせた施策の立案ができるのです。
社内での認識の共有
さまざまなメンバーが携わるプロジェクトの中、カスタマージャーニーの設定で顧客の共通認識をもつことができます。
メンバーの認識が共通することで、認識のズレから生じるトラブルを減らすことにつながり、効率よくプロジェクトを進めることができます。またカスタマージャーニー設定の際にも、メンバー間で認識をすり合わせながら作成することで、より顧客接点の理解を深めることができます。
カスタマージャーニーマップの作り方
では実際にカスタマージャーニーマップの作成手順についてご説明します。
1.ペルソナの設定
カスタマージャーニーマップ作成の際、まず初めにペルソナの設定を行います。
ペルソナとは、自社の製品やサービスを購入する典型的な顧客像のことで、カスタマージャーニーマップにおける主人公となります。具体的なユーザー像を設定することで、行動や感情の想定、アプローチの方法を考えることができます。
2.フェーズの設定
次に、設定したペルソナが自社の製品を認知し、最終的に購入に至るまでの一連のプロセスを「課題認識」「情報収集」「商品認知」「比較検討」「購入」等のフェーズで分類します。
3.行動の想定
分類したフェーズの中でペルソナがどのような行動をするのか想定します。またBtoBでは、個人での購入とは違い、情報収集する担当者と購入決定する担当者が異なるなど、行動フローが分岐することが想定できます。
4.感情の想定
最後にそれぞれの行動の中で、ペルソナの感情や意識について想定します。ペルソナがどう感じたか想定することで顧客の求める情報を明確化し、自社の課題や改善点を洗い出すことができます。
カスタマージャーニーマップ作成時の注意点
ここでは、カスタマージャーニーを設定する際に意識しておきたい注意点について解説します。
理想ではなく事実をもとに作成する
企業側の理想や思い込みを反映するのではなく、事前に収集した情報をもとに根拠のある現実的なカスタマージャーニーの設定を行いましょう。
複雑に作りこまずシンプルな設定をする
複雑なカスタマージャーニーを作成するのは時間も労力も必要となります。また細かすぎる設定は、思ったようにフローで動かないこともあるため、まずはシンプルに作成してみるといいでしょう。
作って終わりではなく、PDCAを回す
カスタマージャーニーは作って終わりではなく、PDCAを回し続けることが大切です。
市場の変化とともにペルソナの行動フローも変化します。定期的に見直しを行いブラッシュアップすることが必要です。また始めにシンプルに作ったカスタマージャーニーもブラッシュアップを重ねるうちにその後得られた情報から精度を高めていくことができます。
想定通りに動かない場合も
時間をかけて作成したカスタマージャーニーでも想定通りに動かないことはよくあります。カスタマージャーニーはあくまでも参考程度とし、顧客視点に立った施策の立案という基本を忘れないことが重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。マーケティング戦略の立案を行う際に重要なことは、顧客のニーズに寄り添った施策を立てることです。
しかし自社の理想が先行してしまい、売り手目線の施策になってしまうことも多くあります。そこでカスタマージャーニーマップの作成により、顧客行動の可視化をすることで顧客視点に立ち、顧客の求める情報に寄り添った施策の立案を行うことができるのです。
また、複雑なマップの作成は時間も労力もかかるうえ、思ったようにフローが動かないこともあります。そのためまずは、シンプルなマップを作成し徐々にブラッシュアップしていくことで、カスタマージャーニーマップの精度を高めていくと良いでしょう。