受注率とは?受注率を上げる7つの方法とトークで使える3つのテクニックをご紹介!
せっかく営業で案件を多く獲得しても、最終的に受注率が低ければ評価は上がりません。受注率を上げるポイントとは、具体的にはどうしたら良いのでしょうか?
今回は「効率化」と「営業トーク」の両方の観点で、受注率を高める営業テクニックをご紹介していきます。
受注率とは?
受注率は、成約率とも呼ばれ、商談件数に対して成約に至った転換率を表す数値です。受注率の把握は、営業活動の効率を測ることにもつながります。また、受注率を算出することで、受注目標に対して必要な商談件数を逆算することもできます。
多くの商談を獲得していた場合にも、受注率が低ければ成約数は上がらず、営業パーソンのモチベーション低下だけでなく、営業効率も下がるばかりです。そうならないためにも受注率を向上させることが重要となります。
受注率の算出方法
受注率は、
成約に至った商談の総額(件数) ÷ 商談の総額(件数)×100
で求めることができます。
受注率が低い人のやりがちな失敗
ここでは、受注率が上がらない原因について見ていきましょう。
見込み度の低い案件に時間を使っている
営業案件には見込み度合いの高いものとそうでないものが存在します。それぞれの案件の見込み度合いが分かれば、リソースの優先順位をつけやすくなりますよね。
しかし、見込み度合いの管理が苦手な営業パーソンも少なくありません。見込み度合いの管理が不十分だと、確度の高い案件とそうでない案件全てに同じ時間をかけてしまい、貴重な時間を無駄にしてしまいます。
クロージングの際にアピールするべき決裁者を間違えている
クロージングを行う際、需要なのは「決裁者」にアプローチをすることです。
しかし、受注率が低い営業パーソンは、最終的に決裁権が誰にあるのかの見極めが出来ておらず、力を入れてもしょうがないところで力を入れてしまうことが多いです。
押し売りになっている
お客様が欲しいものは「課題を解決できる方法」です。しかしお客様が本当に欲しいものを見極められず、自分の売りたい商材やサービスのアピールだけをしてしまう営業パーソンがいます。せっかく商談の機会を頂いたのに、お客様の課題に寄り添えず成約を逃してしまうのはもったいないことです。
受注率を向上させる7つの方法
ここでは、受注率向上のために行うべきポイントを7つご紹介します。
1. 売り上げ目標の設定
営業活動の最終的なゴールは受注の獲得です。しかし、受注以前のアポ率の向上ばかりにこだわってしまうことで、見込み度合いの低い顧客との商談が増えてしまい、受注率が上がらないといったこともあります。
そこで売り上げ目標を設定することが重要です。目標を設定することで、目標達成のために行うべきことが明確になります。設定した売上目標を達成するために必要な商談件数や、見込み顧客の獲得件数などを逆算し算出することで今、自身が行うべきプロセスを洗い出しておきましょう。
2. 顧客の対応履歴をデータ化し見込み顧客情報を管理をする
忙しい営業パーソンの限られた時間を最大限活用するには、見込み顧客管理をすることが重要です。
営業パーソンの仕事は、リストの作成からテレアポ、商談、そしてクロージングです。見込み顧客管理とは、お客様との最初の接触からやり取り、それに基づいた見込み度合いを一元管理することを指します。こうした情報を整理・管理するにはツールの導入もひとつの手です。
SFAツールやMAツールを導入することで、見込み顧客の精査・優先度付けを行えるので、より確度の高い見込み顧客に対して優先的にクロージングを行うことができるようになります。
3. 見込み客は3つの段階に分けてアプローチ手法を変える
顧客管理を行うことで見込み度合いの可視化ができたら、それぞれ優先順位をつけていきましょう。
優先度1:話を聞く温度から興味が高く、適切なアプローチで動きそうな案件
このような案件は、いわゆる「今すぐ客」です。お客様にすでにニーズがあり成約の可能性が高い案件なので、まずは優先的にアプローチをしていきましょう。
優先度2:直近では動かないが、時期がくれば変化する可能性のある案件
このような案件は「そのうち客」と呼ばれることがあります。こうした案件は、すぐに成約には至りませんが、時期が来ればお客様になっていただける可能性が高いです。「そのうち客」は、見込み顧客のニーズが高まったタイミングをとらえることが重要です。
優先度3:興味も薄く、こちらの説明に対して現状ではまだ反応自体が薄い案件
このような案件は「まだまだ客」と呼ばれます。すぐに成約に至る可能性が低いため、営業リソースを割くのはもったいない案件といえます。こうした見込み顧客には、まず見込み度合いを高めるためにリードナーチャリングから始めます。リードナーチャリングはマーケティング部隊と協力して行うのが良いでしょう。
4. 直接営業をするのは直近で動く可能性の高い案件に絞る
営業パーソンの仕事は多岐に渡るため、より限られた時間で成果を上げていく必要があります。そのため、すべての案件に平等に時間をかけるのではなく、成約の見込みの高い案件にのみ力をいれる必要があります。
そこで、おすすめしたいのが、上述した優先度1の案件にのみ直接営業を行うことです。
5. 信頼関係を構築する
受注につなげるためには、顧客の抱える課題やニーズに応えることのできる商品を提案する必要があります。そのためにも、丁寧なヒアリングを行うことが欠かせません。
しかし、信頼関係が構築されていない状態では、企業内の事情や課題を聞き出すのは難しいでしょう。そこでまずは、信頼関係の構築を最優先に、誠意をもって対話し、顧客の課題解決の力になれることを示すことが重要となります。
6. スケジュールを明確にする
商談の際に必ず必要となるのがスケジュールの提示です。顧客がいつまでに何をすべきなのか明確にしておきましょう。回答期限などのスケジュールが曖昧だと、顧客による意思決定が後回しになってしまうことがあります。
担当者が顧客の状況を把握するためにも、契約日や納品日、サービス開始日などの明確な期日を提示しましょう。
7. 価格を明確に提示する
受注につなげるには、商品やサービスの価格提示を明確に行うことが重要です。割引の提示やオプションの説明などにより、具体的な価格が明確に提示されないことで顧客は不信感を抱きます。
顧客が社内での稟議を通すためにも、明確に価格を提示することが大切です。商品の価値に合う価格であることを踏まえ、きちんと説明しましょう。
受注率が上がる営業トークの3つのテクニック
受注率を上げるためにも、営業パーソンのトーク力も重要です。ここでは、押さえておきたい営業トークのテクニックについて解説します。
友好的関係を構築する「ミラーリング」と「バックトラッキング」
トークが苦手な人でも、テクニックを使うことでお客様としっかり会話をすることができるようになります。おすすめなのはミラーリングとバックトラッキングです。
ミラーリングとは、「人は自分と同じ仕草・行動を取る人を仲間と認識してしまう」という習性を利用した営業心理学の一つです。例えば、相手が資料を見たタイミングで自分も資料を見る、相手が飲み物を飲むタイミングで自分も飲むなどです。しかし濫用するのは逆効果になりますので、使いどころの見極めが重要です。
もう一つはバックトラッキングです。いわゆる相手の言ったことを復唱するオウム返しの手法です。相手とうまく同調しながら話を聞くことで、相手から話を引き出しやすくなります。
提案をするときは松竹梅の3段構えで段階を踏む
こちらも「ドア・イン・ザ・フェイス」という営業心理学を使ったテクニックです。
本来の提案をする前に、断られることを前提とした提案を行うことで、本来の提案を承諾してもらいやすくなります。 理想の着地は『竹』として、1ランク上の『松』の提案から入ることで上の条件よりも承諾しやすくし、『梅』まで用意することで最終的にゼロを防ぎます。
最後に提案するのはサービスではなく問題解決の方法である
営業現場は、自分の売りたいものをアピールする場ではなく、お客様の課題をヒアリングし、解決に導く手伝いをする場です。
つまり、ただ自社の商品を売るのではなく、その人の解消したい問題に対して「解決策がこの商品です」という提案をするのが商談を成約に導く近道といえるでしょう。
受注率を向上させるツールの導入
営業の受注率を高めるためにも、営業活動の効率化が欠かせません。そこでITツールの導入がおすすめです。ここでは、営業効率化に役立つツールを3つご紹介します。
CRMツール
CRMとは、「カスタマーリレーションシップマネジメント」の略で、顧客情報を管理するためのツールです。CRMでは、すでにサービスや商品の購入の履歴がある既存顧客を対象とし、これまでの購入履歴のほか、要望や問い合わせなど、自社とのコミュニケーション情報をベースに顧客情報の蓄積や共有を行います。
これまで顧客とのやりとりは営業パーソンが個人的に記録していることが多く、属人的になりがちでした。しかしCRMツールを活用することで、組織全体として顧客との接触履歴を共有することができます。それにより、担当者の不在時や、他部署への問い合わせの際にも安定した顧客対応を行うことができるようになります。また優秀な営業パーソンの成功パターンやノウハウの共有もできることから、受注率の向上も期待できるでしょう。
SFAツール
SFAとは、「セールスフォースオートメーション」の略で、営業活動を支援するためのツールです。営業が商談を開始してから受注に至るまでの進捗状況をデータ化し、管理を行います。
「これまでにどのような営業活動をしたか」や「その際の見込み顧客の反応はどうだったのか」など営業部門全体の動きが可視化され、営業活動の蓄積や、共有ができることで、次はどのようなアプローチやセールスが有効なのか明確になります。これにより、営業部門は本来の営業活動に専念できることから営業活動全体を効率的に行うことができるようになります。
MAツール
MAツールとは「マーケティングオートメーション」の略で、マーケティング活動を自動化するためのツールです。見込み顧客の獲得・育成・抽出までの一連のマーケティング施策を自動化し、業務の効率化を図ることができます。
MAツールの導入により、Webサイト上での行動解析からそれぞれの見込み度合いを判別し、最適なアプローチを行うことができます。見込み顧客それぞれの段階に合った施策を継続的に行うことで、受注率の向上が期待できます。
さいごに
昔から言う「数打てば当たる」という営業スタイルも確かにありますが、限られた時間の中でどうしたら効率よく動けるかを考えるのが成約を促す大きなカギとなります。
生産性を高めるためにも常に温度の高い案件にアンテナを張り、お客様に寄り添う営業活動を目指しましょう。
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