商談を成功させるには?事前準備からアフターフォローまで商談の進め方

ビジネスの現場では当たり前に行われている「商談」ですが、商談には様々なプロセスがあり、成功させるためには進め方をしっかりと理解しておくことが重要となります。
この記事では、事前準備からアフターフォローまで含めた商談の進め方と、成功させるために意識したいポイントについてご紹介していきます。
商談とは
商談とは、商品の販売や取引の際に交渉や話し合いを行うことです。商談では、商品やサービスのメリットや、効果、費用などを説明し、お互いの合意が取れれば契約に至ります。
また、商談の目的は自社の商品やサービスを購入してもらうことであり、売上を上げるために欠かせない営業プロセスの1つと言えます。
商談の進め方
ここでは、商談の進め方について「事前準備」「商談中」「商談後」の3つに分けて解説していきます。
事前準備
ターゲットを決める
商談の機会を獲得するためには、商談につながる可能性のあるターゲットを明確に定めることが重要です。
まずは、自社商品がどのような業種にニーズがあるのか明確にし、見込み顧客となり得る企業から優先的にアプローチを行うことで商談を獲得できる可能性が高まるでしょう。
アプローチ方法を決める
ターゲットが定まったら、企業の規模や性質に合わせて、インバウンド型かアウトバウンド型どちらの方法でアプローチするのか検討しましょう。
インバウンド型とは、自社商品の情報をインターネットなどで発信し、潜在顧客に自社を見つけてもらう方法です。問い合わせがあった際に、メールやセミナーなどでアプローチを行います。
一方、アウトバウンド型とは、営業担当者自ら顧客に積極的にアプローチをかける方法です。従来からある飛び込み営業や、テレアポが代表的な例です。
また、アプローチ方法は顧客ごとに完全に分けるのではなく、初めはインバウンド型でアプローチし、見込み度合いが上がった顧客にはアウトバウンド型に切り替えるなど、状況に応じて使い分けることも重要となります。
商談
自己紹介
第一印象となる最初の挨拶や名乗りは、明るく丁寧に行い、相手に安心感と信頼感を与えることが重要です。また今回の商談の目的を簡潔に伝え、認識のすり合わせを行うことでスムーズに商談を進めることができます。
ヒアリング
次に、顧客の課題やニーズのヒアリングを行います。困っていることや予算感など、十分にヒアリングを行い顧客の現状を把握することで、顧客ごとのニーズに寄り添った提案に進むことができます。
このヒアリングの段階では、自社商品の売り込みは行わず、顧客の状況を把握することに徹することが重要です。
商品説明・提案
顧客のニーズや課題が明確になったところで、自社商品の説明・提案に入ります。
ここで重要となるのは、相手の課題やニーズに対してメリットとなる内容を伝えることです。自社の商品やサービスを使うことによって、相手の課題解決の役に立つということを説明します。実際の導入事例や実績など、客観的なデータに基づいて伝えることが大切です。
クロージング
クロージングでは、顧客が購入や契約をすると判断した場合、契約の手続きなどを進めていきます。反対に、今回の商談で契約に至らなかった場合には、次回以降の商談をどのように進めるか認識をすり合わせ、明確にしておきましょう。
商談後
アフターフォロー
商談後には当日中か、遅くても翌日までにお礼の連絡をしましょう。
契約に至らなかった場合には、商談内容の議事録や資料も一緒に送ることで、あとから商談内容を振り返ることができたり、社内検討の際に活用してもらえる可能性もあります。迅速で丁寧な対応は、好印象を与えることができるため忘れずに行いましょう。
また契約が成立した場合にも、長く利用し続けてもらい、顧客満足度を向上させるためにもアフターフォローを行うことが大切です。
商談時に活用できる8つの応酬話法
応酬話法とは、商談時のセールストークで活用できる営業テクニックの1つです。顧客からの質問や、断りに対しての切り返しをする話法で、活用することで会話をスムーズに進めやすくなります。
1.質問話法
質問話法は、顧客に質問していき顧客の抱える課題やニーズを探っていく話法です。ニーズが明らかになることで、会話が進めやすくなります。
また、質問に対しての回答をあらかじめ予測し、事前にFAQを作成しておくことでよりスムーズに対応することができます。
例「なるほど。では〇〇ということでしょうか?」「どうして〇〇とお考えなのですか?」
2.聞き流し話法
聞き流し話法とは、顧客から否定的な意見などに対して、一旦別の話をはさむ等して話題を変える話法です。
別の話題でクールダウンしたところで、切り出して話を戻します。そうすることで無駄な押し問答の時間を短縮し、商談が進めやすくなります。
例「......ところで、〇〇ですが」「ところで先ほどの件ですが」
3.ブーメラン話法
ブーメラン話法は、顧客の否定的な主張に対して「だからこそ」のように、プラスに転換する話法です。
例えば、商品の金額に対して否定的であれば、金額に見合った品質であると切り返すことができます。
例「だからこそ〇〇ですよね」「そういった方にこそ〇〇はおすすめです」
4.Yes but話法
Yes but話法は、まずは顧客の意見に対して肯定し、意見をしっかりと受け止めてから反論する話法です。
最初から自分の意見を否定されることは、相手の気分を悪くしかねません。YESとなる「そうですね」や「わかります」などで肯定したあとに、「ですがこういったメリットもあります」のようにBUTで続けることで、顧客も話を聞き入れやすくなります。
例「おっしゃる通りです。しかし...」「たしかにそうですね。ただ...」
5.Yes and話法
Yes and話法は、まずは顧客の意見を肯定したうえで、さらにこちらの意見も伝える話法です。
「それであれば」「したがって」など反発が生まれにくい言葉を使うことによってYes but法よりも柔らかい印象を与えることができます。
例「おっしゃる通りです。それであれば...」「そうですね。では...」
6.否定話法
否定話法は、顧客の意見を否定する話法です。
商談がある程度進み、顧客の疑問や不安要素を解消するために活用するのが効果的です。
例「そのことでしたら心配ありません」「そんなことはございません」
7.資料転換話法
資料転換話法は、口頭だけでは伝わりにくい内容の時に、資料を活用しながら商談を進める話法です。資料を見せることで顧客の理解度を深めることができます。
また会話に行き詰った際にも、資料やデータを見てもらうことで会話を進めるきっかけを作ることもできます。
例「こちらの資料をご覧ください」「では資料でご説明します」
8.例話法
例話法は、例え話を使ってトークを展開していきます。具体的な例え話は、顧客に商品購入後の想像をしてもらうことができ、購入への後押しとなります。
例えば、これまでの取引実績を紹介することで安心感につながり、同業他社の導入事例などの紹介は、購買意欲を高めることができます。
例「例えば、〇〇社様では...をご利用いただいております」「もし購入された場合...」
商談を成功させるための3つのポイント
ここでは、商談を成功させるためのポイントについて見ていきましょう。
1.商談プロセスを標準化する
商談は、「自己紹介」「ヒアリング」「提案」「クロージング」の4つのプロセスに分かれます。各プロセスで何をすべきか、また次のプロセスに進むためのゴールは何かを明確にしておくことが大切です。
商談プロセスを標準化しておくことは、プロセスごとのゴールが明確化するだけでなく、属人化しがちな営業活動において、部門全体としてパフォーマンスの底上げにもつながります。
優秀な営業担当者の商談のやり方をプロセスに落とし込んだり、これまでの商談結果を振り返り、内容を改善していくなど、回数を重ねるごとに質の高い商談プロセスへとブラッシュアップしていきましょう。
2.商品知識を深める
商談を成立させるには、自社の商品やサービスの知識を深めておくことも大切です。自社商品についてよく知らずに商談を行うと、顧客の課題やニーズに対して適切な提案を行うことができません。製品について深く理解することで、メリットや魅力、新たな強みも発見することができるかもしれません。
また、自分自身が製品の良さを知ることで、顧客に対しても自信をもって勧めることができるようになります。そのためにも顧客にとって利益となる部分は何か、今一度洗い出してみましょう。
3.営業力を身につける
商談を成立させるには、自身の営業スキルも必要となります。コミュニケーション能力やヒアリング能力など様々ありますが、全てを座学で学ぶことは難しいでしょう。
先輩の商談に同行したり、実際の商談を再現したロールプレイングを行うなど、少しづつ経験を重ねて自身の営業力を向上させていくことも大切です。
まとめ
商談とは何か、改めて理解できたでしょうか。各商談プロセスにはゴールがあり、ステップを踏むことで成約へとつながります。商談の流れを十分に理解し、自身がそのプロセスで何をすべきか明確にし取り組むことが大切です。