予実管理とは?予実管理プロセスと成功に導く4つのポイント

予実管理とは、経営手法の一つです。設定した予算に対して、実績が伴っているか比較・分析し改善することで予算と実績の乖離を埋めていくことを目的とします。
この記事では、企業で予実管理が必要とされている理由や、管理するツール、管理プロセスまで詳しく解説していきます。
予実管理とは
予実管理とは、企業の予算と実績を管理することです。事前に設定した予算に対して、実績を比較して分析を行います。これにより、予算に対しての差異や課題が明確になり、今後の対策を立てることができます。ここでは、予実管理が必要とされている理由と、管理方法について解説していきます。
予実管理が必要な理由
予実管理を行うことで、設定した予算の達成度合いがわかります。達成率が低い場合には、その原因を明確にし、改善策を講じることができます。
このように自社の状況を定量的に分析することができる予実管理は、自社が取り組むべき課題を明確にし、改善するために必要な経営手法といえます。
予実管理の方法
予実管理を行うためには、それを管理するツールが必要となります。ExcelやGoogleスプレッドシートなどで予実管理表を作成することもできますが、SFAなどのシステムの活用で、より効率的な管理を行うことができます。
SFAのほかにも、専用の予実管理システムもあります。システムの導入は、入力の手間や、時間的コストや人的ミスの削減などといったメリットが得られるでしょう。
予実管理の進め方
ここでは、予実管理を行う際のプロセスを見ていきましょう。
1.予算を立てる
予実管理では、予算と実績の差異を確認して改善を行います。そのためにはまず、予算目標を立てることからはじめましょう。
最初に会社全体として予算目標を設定し、そこから部門ごとに具体的な数値として落とし込みます。この際、過去の実績などを踏まえ適切な予算を立てることが重要です。
2.予実の差異を分析する
設定した予算に対して、実績がどうだったのか集計し、差異が出た原因を分析します。
各項目の差異の発生原因は何か、徹底的に分析を行うことが重要です。発生原因を特定することで、次期の予算策定や乖離を埋めるための策の立案につながります。
3.対策を実行する
分析の結果を社員にフィードバックし、課題が見つかったのであれば、その課題を解決するための対策を検討しましょう。また対策を実行に移すところまでが、予実管理のプロセスとなります。
さらに課題だけでなく、達成した際にプラスとなった要因についても共有し、強みとなる部分については次期に活かせるようにしておくことも大切です。
予実管理を成功させる4つのポイント
予実管理を進めるうえで、意識しておきたい4つのポイントを紹介します。
1.定期的に分析する
予実管理では、予算と実績の乖離を早めに発見し、改善を行うことが重要です。そのためにも比較、分析は月ごとに行うなど、定期的かつ頻繁に現状を把握しておく必要があります。業種によっては、週次、日次での分析でも良いでしょう。
2.適切な予算を設定する
予算と実績があまりに乖離している場合、そもそもの予算設定を誤っていることも考えられます。実現不可能な高い予算や、反対に簡単に到達できる低すぎる予算設定では社員のモチベーション低下につながります。
予実管理を継続して行うことで、過去の実績などをもとに、より正確な予算設定が可能となり、達成率を高めることにつながるのです。
3.KPIを設定する
予実管理には、各部門ごとに明確なKPIを設定しておくことも大切です。どの時点でKPIが達成できていないのかがわかれば、要因を見つけやすくなります。このとき、予算を達成するために必要なアクションを具体的にKPIとして設定しましょう。
4.PDCAサイクルを回す
予実管理は何度もPDCAサイクルを回していくことで改善され、予算と実績の乖離を埋めていくことができます。常に現状を把握し、分析結果を次期の施策や対策として活かしていくことが重要となるのです。
予実管理でよくある失敗
最後に予実管理でよくある失敗を見ていきましょう。
分析することが目的になってしまう
よくある失敗の1つに、差異を分析すること自体が目的となってしまうことがあります。
予実管理の目的は、あくまでも経営改善の対策を立て実行することです。設定した予算を達成できずに差異が発生した場合には、その原因を分析し、改善まで行うことが重要となるのです。
設定予算が低すぎる
予実管理では、目標を達成しやすいように予算を低く見積もってしまうことがあります。また社員が目標が高く設定されることを避けるために、実績を過少報告することで低すぎる予算設定となっていることがあります。
実現不可能な高い予算では、社員の疲弊につながることも考えられますが、過去の実績などをもとに達成可能な範囲で高めの予算を設定するのが良いでしょう。
まとめ
適切に予実管理を行うことは、迅速に課題を発見し、経営改善へとつながります。Excelなどで管理することも可能ですが、課題をより早期発見するためにも、SFAや予実管理システムなどのツールの導入がおすすめです。