BtoB企業がEメールマーケティングに注力するべき理由とは?

「Eメールマーケティング」と聞くと、古いマーケティング手法のように思う人も中にはいるのではないでしょうか。世界中でSNSが流行し、Youtube動画が増加する中でも、BtoBにおいてはEメールマーケティングは有効な手法です。
なぜなら、SNSマーケティングや動画マーケティングは1対多数のマーケティング手法であるのに対し、Eメールマーケティングは1対1のコミュニケーションが取れる数少ないツールだからです。
この記事では、BtoB企業がなぜEメールマーケティングに注力すべきなのか、正しいEメールマーケティングの手法や流れについて解説します。
「Eメールマーケティングは古い」という考えを捨てたほうがいい理由
冒頭でも触れましたが、Eメールマーケティングがまだ有効である理由は次の2つがあります。
- ・BtoBマーケティングにおいてはメールでのやり取りが基本
- ・1対1のコミュニケーションが取れるツールはメール以外に数少ない
BtoBマーケティングにおいてはメールでのやり取りが基本
まず、BtoB企業はSNSが普及した今でもメールでの連絡が一般的です。
一般社団法人「日本ビジネスメール協会」が実施した「ビジネスメール実態調査2019」によると、ビジネスパーソンの97.46%が仕事で使う連絡手段がメールであると発表されています。
これがBtoCなら、普段ネットを使う比率はSNSが圧倒的に高く、メールはほとんど使われないため、メールマーケティングはあまりおすすめできません。しかし、「ビジネスで使われる=BtoBにおいて主流」であるメールは、BtoBのビジネスにおいて依然有効なのです。
1対1のコミュニケーションが取れるツールは少ない
また、Eメールマーケティングと聞くと、前からある手法のメルマガを想像する人が多いのではないでしょうか。
実は、メルマガとはEメールマーケティングの一部に過ぎません。Eメールマーケティングには他にもステップメールやセグメントメールなどさまざまな手法があります。このことについては次の章で触れていきます。
SNSと比較すると、確かに多くの人に情報を届けるツールとしてはSNSのほうが効率的かもしれません。しかし、BtoBにおいては、SNSやメルマガのような「1対多数」のコミュニケーションではなく、「1対1」のコミュニケーションが特に有効です。これを「One to Oneマーケティング」と言います。
「One to Oneマーケティング」では、一人ひとりのニーズや属性にあわせてマーケティング活動を展開します。BtoBはBtoCに比べて、自社の製品・サービスを購入する可能性がある人数は圧倒的に少ないため、One to Oneでその人が求める情報を確実に届けることがより強く求められるのです。
最近は、メッセージアプリの公式アカウントを活用するケースもありますが、BtoBにおいては、まだまだメールが主流であると言えるでしょう。
Eメールマーケティングはメルマガだけではない
さて、前の章で触れたようにメールマーケティングはメルマガのことだけではありません。他にも次のような手法があります。
- ・ステップメール
- ・セグメントメール
Eメールマーケティングの手法①ステップメール
ステップメールとは、特定の人に段階的に情報を与えるEメールマーケティングの手法です。
例えば、商品を購入した人にステップメールを送るとすると、次のような使い方が考えられます。
- ・1通目は、購入直後にお礼のメールを送る
- ・2通目は、購入3日後に商品の詳しい活用方法や豆知識などを送る
- ・3通目に、同じ商品を購入した人がよく次に購入するものを紹介する
マーケティングにおいて、ユーザーとの接触回数は非常に重要です。心理学で言う「単純接触効果」により、接触回数が増えるとユーザーがこちらに対して親近感を抱くようになるからです。
そして、親近感が高まったところで違う商品をおすすめすることで、アップセルやクロスセルを売りやすくなる、という流れが構築できるのです。
Eメールマーケティングの手法②セグメントメール
セグメントメールとは、設定した条件に該当する人だけにメールを配信するEメールマーケティングの手法です。
例えば、メルマガの中に商品に関するリンクを貼り、そのリンクをクリックした人だけに条件を設定し(セグメントする)、その商品についての詳しい情報をメールで配信するという使い方が考えられます。
また別の使い方として、過去にセミナーに来てくれてからしばらく動きがない見込み顧客に絞ってメールを配信することで、休眠顧客を復活させるという使い方もよいでしょう。
全員に同じ内容を送るのではなく、セグメントした対象の属性に合わせた内容のメールを配信することで、メールの開封率やリンクのクリック率が上がります。
Eメールマーケティングの正しい流れ
Eメールマーケティングをするにあたり、ただやみくもにメールを配信するのでは大した効果は得られません。Eメールマーケティングの正しい流れを踏むことで、その効果を得られます。
具体的には、次の順番にアクションを行いましょう。
- ・Eメールマーケティングの目的を決める
- ・KPI(数値的な目標)を設定する
- ・誰にどんな配信をするのか考える
- ・配信し、その効果を測定する
Eメールマーケティングの流れ①目的を決める
マーケティングにおいて、最も重要なのが目的を定めることです。
Eメールマーケティングでは、商品の購入にしても新規顧客向けか、リピート促進かで動きが異なります。またセミナーの集客や見込み顧客の育成などもEメールマーケティングでは可能です。
何を目的にEメールマーケティングを実施するのか、最初に検討することが大切です。
Eメールマーケティングの流れ②具体的な目標数値を設定する
次に、計測可能で具体的な数値目標を設定します。例えば次のような目標が考えられます。
- ・メールの開封率10%以上
- ・URLのクリック率30%以上
- ・問合せ数を10件獲得する
このように、目標は必ず数値である必要があります。これが例えば「問い合せ数を増やす」というあやふやな目標では、達成できたのかどうかがわかりづらくなるためです。
Eメールマーケティングの流れ③誰にどんな配信をするのか考える
次に実際の配信内容を考えるのですが、どんな配信をするのかだけでなく「誰に」配信するのかも非常に重要です。
誰に配信するのかで、前の章で触れたようにメルマガを使うのか、ステップメールを使うのか、有効な手法が異なります。
また配信内容において、メールの本文よりも件名のほうが重要です。なぜならメールの件名で興味を引くことができなければ、開封する=読んでもらうことすらできないからです。そのため件名には、誰宛てなのか、どんな内容なのかが分かりやすいものをつけましょう。
メールの本文では、リンクのクリックをしてもらうのが狙いなら、リンクの位置を分かりやすい位置に配置し、他の情報は極力少なくする必要があります。また何かを説明するメールなら、画像を入れると読みやすくなります。
Eメールマーケティングの流れ④配信し、その効果を測定する
見落とされがちですが、Eメールマーケティングでは配信したあとの動きも重要です。
本文に入れたリンクがどれくらいの数クリックされたのか、そもそも開封はされているのか、効果を測定することで目標値とどれだけ離れているのかを明確にします。
例えばリンクのクリック率が高いのに申し込みが少ないなら、リンク先の内容に問題があるか、メールとリンク先でイメージが違うという可能性が考えられます。
このように測定結果から問題点を浮き彫りにし、その問題を解決するために仮説を立てるというPDCAを回すことで、よりEメールマーケティングの精度を上げていけます。
EメールマーケティングはBtoBでこそ力を発揮する
この記事では、なぜBtoB企業がEメールマーケティングに注力すべきなのか、正しいEメールマーケティングの手法や流れについてお伝えしました。
基本的にEメールマーケティングは手動でメールの配信をするのではなく、ツールを使って実施したほうが効率的です。マーケティングオートメーション(MA)ツールを活用すれば、メール配信後に読み手が自社サイトに来訪したかなど、Web上での行動を解析することもできます。
新しいマーケティング手法を考えている方は、ぜひEメールマーケティングを取り入れてみてはいかがでしょうか。