【マーケ基礎用語】トリプルメディアとは?3つの分類を図解で解説。

トリプルメディアとは、企業がマーケティングを行う上で消費者との接点になるメディアを「オウンドメディア」「ペイドメディア」「アーンドメディア」の3つに分類したフレームワークのことです。
マーケティング業界では非常に有名な考え方ですが、最近はこのトリプルメディアはもう古いという意見もあります。
今回は、トリプルメディアと新しい基準「PESO」について詳しく解説していきます。
トリプルメディアとは?
皆さんは「トリプルメディア」の意味をご存知でしょうか。 まずはこの意味を解説していきましょう。
トリプルメディアの意味は?
トリプルメディアは、広告業界用語の一つで、企業や団体がマーケティングを行う上で消費者と接点となりうる媒体(メディア)を3つに分類したフレームワークのことです。
このトリプルメディアという概念は、2009年日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会が提唱したとされています。きっかけは、2016年ごろのソーシャルメディアの普及と言われています。トリプルメディアはそれぞれ以下のように分けられます。
- ・ペイドメディア
- ・オウンドメディア
- ・アーンドメディア
マーケティングの目的に合わせて、それぞれのメディア戦略を変えていこうという考え方です。
トリプルメディアの相互作用とは?
トリプルメディアのそれぞれのメディアは独立しながらも互いに「コンテンツの発信者、拡散者、仲介者」という相互関係で成り立っています。
- ・オウンドメディア:コンテンツの発信者
- ・ペイドメディア:コンテンツの仲介者(広告経由でオウンドメディアへ誘導する)
- ・アーンドメディア:コンテンツの拡散者
メディア戦略を作るときは、これらの関係性を意識したうえで、どのメディアでどのようにコミュニケーションをとるかを考えていくとよいでしょう。
トリプルメディアの3つの分類
次にトリプルメディアそれぞれの分類について詳しく見ていきましょう。
ペイドメディア
「ペイド」とは「お金を払う」という意味で、お金で買うことができる広告のことです。マス広告(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)やインターネット広告(リスティング広告、バナー広告など)など、不特定多数のユーザーにアプローチする広告媒体を指します。
ペイドメディアのメリットは、短期的な効果を出せることです。興味関心を持つユーザーとの接点を作るのが得意なメディアです。
反対に、デメリットとしては「コストがかかる」という点が挙げられます。きちんとターゲティングをしたうえで運用しないと、かけたコストが無駄になってしまう場合もありますので、気を付けてください。
オウンドメディア
オウンドメディアの「オウンド」は、「所有する」という意味で、企業やサービスが自分たちで所有しているメディアのことを指します。Webサイトやブログ、パンフレットなど自社の情報発信ができ、かつ自分たちでコントロールができるメディアが含まれています。
近年では、オウンドメディアを通してユーザーと密接な関係を築いていくことが重要になっています。オウンドメディアを閲覧するユーザーは、自分で興味を持ってサイトに訪問してきたり、自社とすでに何らかの接点があったりする人が中心です。そのため、他のメディアと比べて、ユーザーに対して「自社(サービス)」をより詳しく知ってもらえる」というメリットがあります。
しかし、ペイドメディアのようにすぐには効果が表れない点や、継続的に情報を発信し続けるために運営リソースが必要な点がデメリットといえるでしょう。
アーンドメディア
アーンドメディアはFacebookやTwitter、InstagramなどのSNSなどを指します。はてブなどのソーシャルブックマークもアーンドメディアに含まれます。
「アーンド」は「得る、受ける(earnd)」という意味がありますが、ここではユーザーからの信頼・評判を"受ける"という意味です。 アーンドメディアのメリットは、「拡散力」にあります。とくにSNSなどは自社とユーザー間の双方でコミュニケーションを取ることができ、かつ、「共感を呼ぶコンテンツ」は爆発的に拡散されやすくなります。
ただし、アーンドメディアもオウンドメディアと同じく、短期的に成果を上げることはなかなか難しい点がデメリットです。また、「誰に」「どんな」コンテンツを届けるかを選定する必要があるということも考慮しましょう。
トリプルメディアはもう古い?新基準「PESO」とは?
ここまでトリプルメディアの説明をしてきましたが、実はトリプルメディアはもう古い考えであると言われています。
そのかわり、新しい基準として「PESO」という考え方がはやり始めています。そこで、このPESOについて見ていきましょう。
トリプルメディアは海外では通用しない!
ちなみに、「トリプルメディア」は海外では通用しません。
この概念は海外では一般的には「POEM」と呼ばれています。「ペイド(Paid)」、「オウンド(Owned)」、「アーンド(Earned)」の3つの頭文字と、Mediaの頭文字を取ってそう呼ばれています。 しかし現在はPOEMではなく、「PESO」の方が主流であると言われています。
トリプルメディアの進化系「PESO」モデルとは?
「PESO」モデルはアーンドメディアを更に細分化したものです。
「ペイド(Paid)」、「アーンド(Earned)」、「シェアド(Shared)」、「オウンド(Owned)」の4つ頭文字をとった言葉です。 SNSなどのソーシャルをシェアドメディアと呼びます。これはアーンドメディアをユーザーの口コミである「シェアドメディア」とPRなどによる「アーンドメディア」の2つに分けたものです。
近年、このシェアードメディアの参入・成長は著しく、多くの企業にも影響を与えています。シェアドメディアには、FacebookやTwitter、Instagram、LinkedInなどのSNSのほか、YoutubeやVineなどの動画共有メディアなどが当てはまります。 こうしたメディアはユーザー(消費者)が主体となって活用されているため、企業が完全にコントロールすることは難しいものです。
PESOモデルを活用した場合、広報活動のパブリシティ先として従来のマスメディアやメディアに加えて、ブロガーやインフルエンサーなど"拡散力のあるユーザー"が加わります。そういった「企業人」でないユーザーとどのように付き合っていくかが、このPESOモデルで成果を出すためのポイントと言えるでしょう。
さいごに
今回ご紹介したトリプルメディアの特徴を掴み、それぞれの相関関係を理解することにより、より効果的に効果を得ることができるでしょう。
自社のサービスを宣伝するためにどこから始めるのか、最も効果的な方法はどれなのかを考えながらPESOモデルの考え方も含めて活用していきましょう。
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