「送りっぱなし」から卒業せよ!メールマーケティングの成果を上げるA/Bテストとは?

皆さんの会社でも、メルマガをはじめとしたメールマーケティングに取り組んでいると思いますが、「配信して終わり」になっていませんか?
「どうせ成果はいつもと変わらないから工夫しても意味がない...」と思われがちですが、A/Bテストを行うことによってその認識は変わるかもしれません。件名や送信者などの小さな変化で大きく成果を上げる可能性を秘めているメール。今回は、メールマーケティングにおけるA/Bテストについて見ていきましょう。
A/Bテストとは?
A/Bテストとは、メールマーケティング以外にもバナーやWebサイトなどの効果を最大化するために実施されるテストの一つです。ある特定の要素を変更したAパターンとBパターンをランダムにユーザーに表示し、それぞれの成果を比較することで、より高い成果が得られるパターンを見つけることができます。
A/Bテストを用いるメリットには「同時並行」で検証ができることが挙げられます。
仮にAパターンのバナーを掲載した数か月後にBパターンのバナーを掲載した結果、Bパターンが高い成果を得られたとします。この場合、実はBパターンのバナーが優れているとは安易に判断できないのです。なぜなら、高い成果が得られた原因には掲載した時期や他社のキャンペーンと被るなどの外部要因も考えられるからです。しかし、A/Bテストの場合は同一条件でテストを実施できるため、変更した要素の評価を正しく行うことができます。
また「A/Bテスト」という名前ではありますが、3つ以上のパターンでテストをすることもあります。さらに複数箇所のテストを行いたい場合には、多変量テストという複数の変更箇所の中で最適なものを見つけ出す手法もありますので、目的に応じて活用してみましょう。
メールマーケティングにおけるA/Bテストを行う目的
メルマガやステップメールなど、メールマーケティングで重要なことは、メールを読者に読んでもらうことです。開封率やクリック率の低いメールに対しA/Bテストを実施し、問題点を見つけて改善を行います。
読者に選択肢を与え、どちらがよいのか選んでもらい、その結果から、効果的なメールへと改善しメールマーケティングの成果を向上させていくのです。
A/Bテストをするメリット
A/Bテストを行うメリットは、WebサイトなどのA/Bテストと比べて簡単にテストを行える点にあります。
Webサイトでは複数パターンのサイトを作成するのは手間がかかりますし、それぞれのサイトへの導線も確保しなければいけません。その一方、メールマーケティングでは件名や本文の文言を複数パターン作成することは比較的容易に行うことができます。また、メールマーケティングの手法の中でもメルマガは定期的に送付するため、繰り返しの検証を行いやすいこともメリットの一つです。
A/Bテストで検証する項目
メールマーケティングでA/Bテストを実施すべき項目を解説していきます。
・件名
受信したときに一番初めに目にするのがタイトルです。メールの開封率を上げるためには、開封したくなるタイトルの設定が重要となります。
例えば、数字を入れる、開封するメリットとなるインセンティブの押し出し、興味を引くキラーワードなど、端的で具体的なタイトルにすることがポイントです。
・差出人
差出人においても、タイトルと同じように最初に目にする部分です。どこの誰からのメールなのかがわかり、安心してメールを開封できる差出人にします。
例えば、会社名だけの場合、個人名も一緒に入れたり、アルファベット表記ではなく漢字を使うなど一目で誰からかわかる様にするのがポイントです。
・本文
メール本文は、「コンテンツ数」「文字色」「画像の数やサイズ」「クリックボタン」など、さまざまな要素が検証対象となります。まずは、スクロールせずに見える部分の改善から行いましょう。本文の改善により、開封後のクリック率の改善につながります。
メールマーケティングでA/Bテストを行う際のポイント
ここからはA/Bテストを実際に行うときのポイントを見ていきます。ポイントを押さえることで、より効果的なA/Bテストを実施できますので参考にしてください。
A/Bテストする箇所は1箇所に絞ろう
AパターンとBパターンで比較箇所が複数あると効果検証がしにくくなってしまいます。
例えば、件名Aのメールを9:00に配信し、件名Bのメールを13:00に配信した結果、件名Aのほうが成果が高かったとします。それが「件名による違いなのか」「午前中に配信したためなのか」を検証することは困難ですよね。
そのため、A/Bテストにおける比較箇所は1箇所に絞るようにしましょう。
評価する指標は事前に確認しよう
テストを行う前には評価する指標を確認しなければいけません。
メールの開封率を高めるために、一生懸命メールの文面を工夫したとしても、メールの文面が開封率に影響を与えることはありません。開封率に影響を与えるのは、件名や配信タイミング、差出人などです。このように、評価する指標を事前に確認しておかないと、適切なA/Bテストを行うことができないため注意が必要です。
評価指標の代表例としては、「開封率」「読了率」「URLのクリック率」「説明会などの申込率」「商品/サービスの契約率」などが挙げられます。それぞれの指標に影響を与える要素を事前に確認したうえで、比較箇所の設計を行いましょう。
仮説を立てよう
あてもなくA/Bテストを行っては、成果を上げるメルマガを作り上げるまでに時間がかかってしまいます。効率的にA/Bテストを行うためには、決めた評価指標について「どうすれば今よりも良い数値を獲得することができるのか」という仮説を立ててから検証を始めることが重要です。
そのために、まずは「メルマガの送付対象(性別・年齢層など)はどこか」「取り扱っている商品・サービスの特徴(価格帯・季節性など)はなにか」を分析するようにしましょう。
結果の検証もしっかりと
メールマーケティングで陥りやすいのが「送りっぱなし」です。定期的に送付することが目的になってしまうと、成果につながらないメールを送り続けていたということにもなりかねません。これは、A/Bテストでも同じことが言えます。最初の数回はきちんと結果を検証するものの、何度か繰り返すうちにA/Bテストを行うこと自体が目的になってしまうことは少なくありません。
テストを繰り返し行っていると、仮説と異なる結果が出ることやAパターンとBパターンで違いが出ないこともあるかもしれません。しかしそれも一つの検証結果です。その学びを次のA/Bテストへと活かすことが重要ですので、配信後の結果は必ず毎回レポーティングし、何度もテスト・検証を繰り返してみてください。
A/Bテストを失敗しないための注意点
ここでは、A/Bテストを失敗させないために注意すべきポイントについてご紹介します。
1度の配信で判断しない
1度のA/Bテスト配信の結果では正しい判断ができません。数回同じ内容で効果検証することで、精度の高いA/Bテストの結果が得られます。毎回結果の記録をし、時間をかけて検証を行いましょう。
同じ条件で配信する
比較箇所を1箇所にして行うことで効果測定できるA/Bテストですが、配信条件も同じにする必要があります。
例えば、Aパターンの配信リストが既存ユーザー宛で、Bパターンに新規ユーザーが多く含まれている場合、新規ユーザーの方がレスポンスがいい傾向にあります。
精度の高い結果を得るためにも、配信対象者の条件も同じにすることが重要です。
さいごに
メールのA/Bテストは比較的簡単に実行でき、メールマーケティングの成果向上を期待できます。とくにメルマガは定期的に送るため、A/Bテストに取り組みやすいといえるでしょう。これまでメルマガを送付して終わりになっていた方は、まずは件名のA/Bテストから始めてみませんか?
その結果をきちんと検証することにより、自社のメルマガの現状を把握することができますので、様々な要素でA/Bテストを実施してみてください。
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