BtoBのSNSマーケティング運用のコツは?メリット・デメリットも紹介

最近、企業がFacebookやTwitterといったSNSを活用したマーケティングに参加しているのをよく見かけませんか?経済産業省は、SNSを始めとしたソーシャルメディアの活用が企業の活動を促進するための取り組みとして「有望な分野である」と報告しています。
この記事では、「SNSマーケティングに興味がある」「これからSNSマーケティングをはじめたい」という方に向けて、主要なSNSの特徴をご紹介しながら、活用方法をお伝えしていきます。
SNSマーケティングとは?
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)とは「ユーザー同士がつながること」を目的とした、Web上でユーザー同士が情報を交換するサービスです。
よくソーシャルメディアとSNSを混同してしまう方がいると思いますが、ソーシャルメディアは「双方向にコミュニケーションが取れる媒体」を指すので、ブログや口コミサイトも含まれます。もちろん双方向にコミュニケーションが取れるという点ではSNSも当てはまるので、SNSはソーシャルメディアの一部であるといえますね。
SNSマーケティングとは、そうしたSNSを活用したマーケティング活動を指します。
BtoB企業のSNSマーケティング
ガイアックスが行った調査によると、BtoB企業でのソーシャルメディアの活用率は68.9%。特にFacebookは57.1%のユーザーが効果を実感するなど、BtoB企業でもSNSマーケティングが有効であることが分かります。
出典:BtoB企業のソーシャルメディア活用率は69%!実態調査から見えてくるBtoBとSNSの現状を分析。|ソーシャルメディアラボ
BtoB企業がSNSマーケティングを行うようになった背景のひとつに、スマートフォンの普及が考えられます。スマートフォンの普及に伴いソーシャルメディア、特にFacebookやTwitterといったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の利用者が急増しました。
それによりユーザーはSNSから情報を得たり、SNSからの情報に影響を受けるようになりました。そのため、企業がSNSを活用することでより近い距離でユーザーとコミュニケーションがとれるようになったのです。
SNSマーケティングのメリット・デメリット
多くの企業が、SNSマーケティングに取り組みはじめています。では、具体的にSNSマーケティングのメリットやデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?SNSを上手に活用するためにも、メリットやデメリットを知っておきましょう。
- メリット
- ・ユーザーと直接コミュニケーションがとれる
- ・コミュニケーションをとりながら、さり気なく企業ブランディングができる
- ・ユーザーが簡単に情報を拡散できるため、潜在顧客にも認知してもらうことができる
- デメリット
- ・ファンができるまではリーチできるユーザーが少ない
- ・流行り廃りに影響を受けやすい
- ・良い評判の拡散で効果が見込める一方で、悪い評判の拡散も早い
また、SNSマーケティングは、始めるよりも「継続する」ことのほうが難しい傾向にあります。
そもそも、コンテンツに魅力がなければユーザーは反応や拡散をしてくれませんし、新しいコンテンツもコンスタントに提供していかなければ飽きられてしまいます。
ユーザーに反応されるような質の高いコンテンツを作り続けることは、意外と工数がかかることをあらかじめ認識しておく必要があるでしょう。
SNSマーケティングをはじめる前の準備
SNSマーケティングを始める際には、目的・ターゲット・活用するメディアを定めてから始めることが効果的です。詳しく見ていきましょう。
SNSを活用する目的を決めよう
あなたがSNSマーケティングを活用する目的は何でしょうか?多くの顧客に情報を届けたいからですか?見込みのある顧客を見つけたいからですか?あなたの目的を決めることで、発信すべき情報の方向性が決まってくると思います。
まずは、何を目的にしてSNSを活用するのか明確にしておきましょう。SNSマーケティングの目的は大きく3つ挙げられます。
- ・認知度向上
- SNS上でユーザーが検索をした場合に、目に触れるようにしたり、拡散されやすくしたりする。
- ・ブランディング
- どんな企業なのか、どんな商品・サービスがあるのかを発信。また、CMなどと異なりコストを抑えて継続的に露出をすることができる。
- ・ロイヤリティの向上
- SNS上でのユーザーとの対話を通し、企業への信頼や安心感を高め、継続して購入してもらいやすくする。
例えば、電気機器メーカーの「Nikon」は自社製品を利用した写真や動画の投稿をSNSでしています。投稿を見たユーザーの中には、「そんなアングルがあったのか、僕も週末に何か写真を撮りにいこうかな」「Nikonのカメラはこんな綺麗な写真を撮れるんだ、私も買ってみようかな」など心を動かされる方もいます。
このように、SNSマーケティングはメディア内でユーザーとコミュニケーションをとることを目的としています。
出典:https://www.facebook.com/NikonImagingJapan/
ターゲットを明確にしよう
ユーザーは、友人とオンライン上でコミュニケーションをとることや、同じ趣味を持つ人同士の交流の場としてSNSを利用しています。それ以外にも知りたい情報を探したり、全世界の人々と情報の交換や共有をしています。
ユーザーが誰かにシェアしたいと思うコンテンツにすることで、拡散効果があります。また、発信したコンテンツに面白みがあることで、ユーザーは「また情報が欲しい」と思うはずです。
そこで、自社のターゲットとなるユーザーを明確にし、ユーザーがSNSを利用する目的に寄り添った情報を発信することが重要です。
4P分析と4C分析を活用することでSNSユーザーのターゲットが明確になります。では、4P分析と4C分析について詳しく見ていきましょう。
- ・4P分析
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まず4P分析の「4P」とは、
- ・Product(製品)
- ・Price(価格)
- ・Place(流通)
- ・Promotion(販促)
の4つの頭文字を取ったものです。
商品やサービスを販売する際、顧客のニーズに応える製品を提供するために、- 「何を」
- 「いくらで」
- 「どこで」
- 「どのようにして」
売るのかといった4つの領域を分析し、企業視点での効果的なマーケティング戦略を立案します。
- ・4C分析
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4C分析の「4C」とは、
- ・Customer Value(顧客価値)
- ・Cost(コスト)
- ・Convenience(利便性)
- ・Communication(コミュニケーション)
の4つの頭文字を取ったものです。
4P分析が企業側視点の戦略であるのに対し、4C分析は買い手側、つまり顧客目線で考えたマーケティングです。
このように企業側と顧客側の両視点から商品やサービスについて検討し、自社の商品の購入につながりやすいターゲットの設定を行いましょう。
ターゲット層が多いメディアを選択しよう
上述したように、それぞれのメディアには特徴があり、特徴に応じてユーザー層も異なります。そこで、自社のターゲット層が多いメディアを選択する必要があります。
拡散性の高さを求める場合は、Twitterが効果的といえます。また、動画を使った情報発信にはInstagramやYouTubeの活用が有効です。さらに、Facebookでは、画像・動画ともに活用できるうえに拡散性も期待できるメディアといえるでしょう。
これらの特徴を踏まえ、自社のターゲット層や目的に合わせた適切なメディアを選択しましょう。次の見出しでは、より詳しく注目度の高いSNSについて紹介していきます。
人気のSNS5選と、それぞれの特徴
SNSでは、直接ユーザーの反応を見ることができるので、ユーザーが求めていることや興味のあるものが分かり、マーケティング活動に大きく役立てることができます。今回は、SNSの中でも注目度の高い5つのメディアとその特徴をご紹介します。
世界で20億人以上が利用している、大規模サービスです。
ユーザーのアクセス解析ができるため、ユーザーの行動からどんなことを考えているのか・趣味嗜好などを仮説することができます。
また、ユーザーの「いいね!」やコメントの履歴が、その友達に表示されるため拡散効果もあります。さらに、Twitterに比べ、多くの写真や長い時間の動画、文字数制限なしの投稿ができるのが特徴です。
日本では主に10代、20代のユーザーが利用しています。
Twitterはリアルタイムに情報を提供することができます。ツイートする際のポイントは、投稿時間です。平日の朝の通勤時間やランチタイムに投稿するとユーザーからの反応が良い傾向にあります。また、ツイートの更新頻度が高いと閲覧数が増加します。写真や動画も投稿できますが、字数制限があり140字以内となっています。
出典:「平成28年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表|総務省情報通信政策研究所
ここ数年で若者の支持を多く集めている写真投稿をメインにしたSNSです。10代、20代の女性にとっては生活の一部になっているともいわれています。
日本においては、20代~30代の女性に多く利用されていて、2015年に実査されたトレンダーズ株式会社の調査によると、Instagramの投稿から刺激を受け購買に至った経験を持つ女性が回答者の約4割を占めています。最近では、Instagramに広告を出稿する事業者も増えてきており、新しいユーザーとのコミュニケーション手段の一つとなっているといえます。
出典:「女性のInstagram活用」に関する意識・実態調査
LINE
若年層に限らず幅広い年齢層に利用されています。LINEが公開した資料によると、日本でのアクティブユーザー数は7,100万人以上、アクティブ率が80%以上と非常に高いです。
個人にプッシュ通知することができるため、集客効果に繋がりやすくなっています。ただし、メッセージの頻度が多い場合はブロックされてしまう危険性もあるので注意する必要があります。
YouTube
YouTubeは動画投稿専門のSNSです。動画を活用することでユーザーにわかりやすく情報を伝えることができます。BtoB企業の参入はまださほど多くないため、先行者利益を得やすいともいえるでしょう。
他のSNSやホームページと連携させることで、認知の拡大やブランディング効果をより一層高めることができます。
SNSマーケティング運用のコツ
さいごに、効果的なSNSマーケティングを行うための運用ポイントについて解説します。
定期的な効果測定を行う
SNSマーケティングでは、ただ投稿して終わりではなく定期的な効果測定を行うことが重要です。各SNSには、アナリティクス機能という投稿ごとの反響数などが把握できる機能が備わっています。
投稿の際は仮説を立て、投稿後にはアナリティクスもとに仮説とどれだけの乖離があるか検証・分析を行い、ターゲットの反応の良い内容へと改善していくことが大切です。
継続的な更新が必要
SNSマーケティングでは、投稿頻度を増やすことで認知度が高まります。そこで、投稿は毎日行うことが必要です。また、一日に一度の投稿ではなく数回投稿することがおすすめです。これを継続的に続けることで、露出度が上がり認知獲得につながります。
複数人での管理を行う
SNSの運用は投稿回数を増やし、継続的に行うことが重要とお伝えしましたが、1人の担当者が投稿し続けることは避けましょう。属人的な運用になると、担当者の思想などにより投稿内容が偏ることから炎上するリスクも高まります。
そこでSNSマーケティングを行う際は、事前に複数人で運用できる体制作りをしておくことも大切です。複数の担当者で投稿内容のチェックを行うことで、投稿ミスや炎上するリスクを抑えることができます。また、担当者ごとに投稿内容に差が生じないよう、チーム内での情報共有を行うことも重要です。
まとめ:自社のターゲット層に情報が届く方法を検討しよう
いかがでしたでしょうか。ほとんどのメディアが費用をかけずにはじめることができますね。
しかしSNSは、費用はかからない分、発信するコンテンツの吟味や作成に時間をかける必要があります。自社のターゲット像を考え、じっくりと着実にユーザーに情報を届けていきましょう。