セミナーの成功は企画で決まる!企画の作成手順と3つのコツ

セミナーの成功を大きく左右するセミナーコンテンツの企画は、ご担当者様であれば一度はお悩みになることかと思います。今回はセミナー講演内容などの「セミナーコンテンツ企画」に焦点をあてて、成功に繋げるセミナー企画の作成手順をご紹介させていただきます。
セミナー全体の流れについては以下の記事をご参考下さい。
企画の作成を始める前に
最近では、オフラインのセミナーだけでなくオンライン上で開催するウェビナーも多くなってきています。ウェビナーはオフラインセミナーと比べると低予算で開催できるなどメリットも多くありますが、ウェビナー開催が多くなったことで、競合他社と日程がかぶって集客が難しいことや、見込み顧客が獲得しにくいといった課題も見えてきました。
こうした背景からも主催者側はこれまでよりも参加者の満足度の向上が求められます。そこで重要となるのが、セミナーの「企画」です。この企画には、開催目的の明確化や、ターゲット設定、コンテンツ作成とさまざまな要素が必要となり、これらを事前にしっかりと準備することがセミナーの成功や、参加者の満足度向上へとつながるのです。
セミナー企画の作成手順
ここからは、セミナー企画を作成する手順について解説していきます。
1.セミナー開催の目的を明確にする
セミナーの企画時、一番初めに抑えておくべき最も重要なポイントが、「セミナー開催の目的を明確にすること」です。この目的次第で、セミナーが成功か否かを判断する基準にもなりますので、より明確な目標を設定しましょう。
セミナー開催の目的として、以下のような目的が挙げられます。
- ・新規顧客の獲得
- ・既存顧客のフォローアップ
- ・商品のプロモーション
- ・商品の体験促進
- ・お客様との関係性作り
どの目的で開催するかにより、後に続くポイントであるターゲティングやメリット・特典なども大きく変わってきます。より明確な目的を設定し、出来れば集客目標や受注目標などの数値目標となる「KPI」も設定すると、正確な効果計測にもつながります。
2.ターゲットを設定する
目的が決まったら、ターゲットが決まります。目的が新規開拓であれば見込み顧客、既存顧客のフォローアップであれば既存顧客がターゲットになります。
ただ、見込み顧客と言っても幅が広いので、「情報収集段階の人」に向けたセミナーなのか、「比較検討段階の人」に向けたセミナーなのか、など、具体的なターゲットを決めておきましょう。
3.コンテンツを設定する
ターゲットが定まったら、「そのターゲットの関心とニーズに沿ったセミナー内容」や「セミナー構成」といったコンテンツを決めていきます。
・内容設定
セミナーを以下のような内容で開催したい場合、ターゲットの「関心」がどこにあるか?を考えてみましょう。
- ・セミナー開催目的:新規顧客の開拓
- ・販売したい商品 :SFA(営業支援ツール)
- ・ターゲット :営業人員5名以上の営業部長
この場合のターゲットの関心を、以下のように想定します。
- ・売上・営業数字向上
- ・営業の効率化
- ・マネジメントの統制
- ・各営業担当者の営業成績・活動管理
- ・営業数字の集計・結果報告の効率化
※想定した関心範囲が、セミナーの企画内容に盛り込まれているかが重要になりますので、出来れば営業現場の声や過去のお問い合わせ内容などを参考にすると良いでしょう。
更に、この想定した関心範囲を、セミナー内容に落とし込みます。例えば、
- ・営業マネージャーのための売上アップセミナー
- ・営業担当者の営業成績を均一化させる営業ノウハウセミナー
- ・営業数字の見える化で、売上向上を目指すセミナー
ここで落とし込んだ内容を、より具体的にタイトルやコンテンツに盛り込んでいきます。
・構成設定
セミナー内容が決まったら構成についても考えていきましょう。まずメインテーマに入る前に、当日の流れやセミナー概要について説明する時間を作りましょう。この時間で、参加者の興味を惹き、メインテーマに入ったときにスムーズに理解が進みます。
メインテーマのあとは、質疑応答の時間を作ることで参加者の疑問や課題解決につながるでしょう。疑問や課題を持って参加した参加者にとってニーズを満たすことで満足度が高まります。
4.開催形式・開催日を設定する
セミナーの開催形式や開催日に関しては、ターゲットとする参加者が参加しやすい場所や日時を設定する必要があります。
・開催形式
まず開催形式ですが、オフラインで開催するセミナー以外にも、オンライン上で開催するウェビナーがあります。
オフラインでのセミナーの場合、参加者の人数に合わせた広さの会場をおさえておく必要があります。開催場所としては、自社の会議室や貸し会議室などです。
これに対して、オンラインで開催する場合は会場の代わりに配信システムの準備だけでよいため会場を借りるよりもコストがおさえられることもあるでしょう。
・開催日
次に、開催日時を設定していきます。集客を増やすためにもターゲットが参加しやすい日時を設定する必要があります。例えば、ターゲットの業界の繁忙期や、週明け・週末は集客しにくい傾向にあります。また、競合他社のセミナー開催日と重ならないように注意しましょう。
開催日が決定したら、その開催日から逆算しスケジュールを組んでいきましょう。担当者それぞれが限られた時間で準備を進めるためにも、タスクを整理しておきましょう。
成功に導くセミナー企画のコツ
ここまでセミナー企画の作成方法について解説してきました。ここでは、企画作成の際に意識しておきたい3つのコツを紹介します。
魅力的なタイトル設定にする
セミナー内容の概略が決まったら、魅力的なタイトルに変換していきます。タイトルはコンテンツの詳細や集客にもつながりますので、自分だけでなく営業現場の方などにも意見をもらうと良いでしょう。
先程挙げた内容を、タイトルに落としてみましょう。
- ・営業マネージャーのための売上アップセミナー
- →「営業マネージャー限定!売上を上げる営業組織『5つの秘訣』徹底解説」
- ・営業担当者の営業成績を均一化させる営業ノウハウセミナー
- →「営業部『全員』が1年以上ノルマ達成出来る組織とは?ノウハウ公開セミナー」
- ・営業数字の見える化で、売上向上を目指すセミナー
- →「営業数字の『見える化』売上20%向上!?事例紹介セミナー」
一般的な話にはなりますが、以下を意識していただくと良いでしょう。
- ・数字を入れる
- ・『』や!などの記号を活用する
- ・「限定」や「無料」など、わかりやすいメリットを入れる
参加者にとってのメリットや特典を提示する
当たり前の話ですが、セミナーへ参加する方は、「自分にとって有益か?」が参加可否を決めます。(日程や講師などは、そのフィルターを通ってからの決定要因になります)
メリットや特典が目に見える形で用意されていないとユーザーには伝わらないため、集客メールのタイトルやセミナー概要文などに出来るだけ具体的に明記を出来るよう訴求しましょう。
例を以下に挙げますので、参考にしてみてください。
- 【メリット】
- ・売上向上や工数削減に繋がったなどの具体的な事例が聞ける
- ・著名人の講演が聞ける(講師が著名な方の場合)
- ・同業他社の事例が聞ける(同じく、具体数値があるとなお良い)
- ・セミナー参加後、他で公開していない調査レポートなどをダウンロード出来る
- 【特典の例】
- ・セミナー参加後のサービスお申込みで初月無料(他、料金の値引きなど)
- ・セミナー参加者限定、無料版が使える/無料版の期間延長(30日間→60日間)
- ・セミナー内で自社の改善策をモデルケースとして出してくれる(メール文面の添削など)
また、間接的ではありますがセミナー参加のモチベーションを上げる要素として、以下のようなものもあります。場合により、参考にしてみてください。
- ・セミナー参加者へ、軽食をご用意
- ・セミナー参加後のアンケート回答で、抽選でプレゼントをご用意
- ・参加無料のセミナー
集客しやすい内容にする
セミナーの内容が決まっても、集客の見込めないセミナーでは意味がありません。例えば、以下のようなセミナーは集客に無理がありますので、内容を見直してみてください。
- ・そもそも参加対象者が少なすぎる(従業員数5,000名以上の社長のみ など)
- ・元々ニッチな商材にも関わらず、定員が多すぎる(100社しか使わない商材に50名など)
- ・企画から開催までの日数が短い(企画→開催までは少なくとも1ヶ月は空けましょう)
- ・セミナー対象者が自社の顧客リストに含まれない(集客は顧客リストの数が重要なため)
さいごに
マーケティングの施策の一つであるセミナーですが、近年多くの企業がますます力を入れ取り組まれているようで、開催数も増加傾向にあります。その中で、いかに自社開催のセミナーを選んでもらえるか、マーケティング施策としてセミナーを通じて何を実現したいかを考えて改善していただくと、より意味のあるセミナー開催となると思います。参考になる部分があれば、ぜひ取り組んでみてください。