営業プロセスを見直して、新規開拓の成果を最大化する

営業に対して「新規開拓をしよう!」という指示を出してもなかなか新規のお客様は増えないものです。特に今まで新規顧客開拓をしてこなかった企業や営業パーソンにとって新規顧客開拓は非常に難易度が高いことです。今回は法人営業における新規開拓の成果を最大化するための営業プロセスの見直しについて書いていきます。
現状の営業プロセスの整理
まず、現状行っている営業プロセスを整理するところから始めましょう。下の図のように、左から順番に最初のお客様とのコンタクトから受注が至るまでのプロセスをまとめていきます。以下は新規顧客開拓をテレアポから行う場合で最もシンプルなケースです。複数のプロセスを行っている企業の場合には、見直したい(もっとパフォーマンスを上げることができると思われる)営業プロセスを対象にして整理してみてください。

営業プロセスを見直すということは、このようにな自社にとって王道となるプロセスを用意し、それに対して改善を施していくことです。このプロセスのパフォーマンスを上げていく事が成果を上げていくことにつながるのです。
プロセス毎の数値を当てはめる(可視化する)
次に各プロセス毎の現状の数値を入れていきます。
リストは何件あるのか、それに対してアポ率はどれくらいなのか、アポは月間何件とれているのか等です。現状を可視化するこのプロセスはもっとも重要です。改善対象となるのはこの数字ですし、この数字を改善していくことが成果を上げていくことにつながるからです。

見るべき指標は、法人営業の新規顧客開拓の場合、大体以下の指標に当てはまるでしょう。自社の状況を一度数字に落とし込んでみてください。
1:対象リスト数
アプローチ対象となるリストがどれくらいあるのか、ということです。持っている名刺を母数にする場合もありますし、購入した企業リストを母数にする場合もあるでしょう。まずこのリストの数を明確にする必要があります。このリストの数が営業毎に個別管理されている場合、営業間にアプローチの重複が起こる可能性もあります。こうしたアプローチ対象のリスト数はそもそも組織全体で数値管理していく必要性がありますので、見直しの際に組織としてしっかり可視化しておくことが重要です。
2:リストに対してのアポ率(アポ数)・アプローチ進捗率(アプローチ数)
次のステップを商談とする場合、お客様先へ訪問する必要があります。リストに対してのアポイント率がどれくらいか、アプローチがどれくらい進捗しているかを可視化しましょう。そうすることによって、各営業担当のボトルネックの発見やリストの良し悪しの判断ができるようになります。気を付けたいのは、この数字は日々変わっていくことです。極力日次(遅くとも週次)でレビューしていく必要があります。
3:訪問数・案件化率
次に、日々の新規顧客開拓のための訪問がどれくらいあるのかを可視化しましょう。特に既存顧客向けの営業と新規顧客開拓の営業を兼務している場合、訪問数は新規顧客開拓の訪問だけを分けて把握しておく必要があります。もちろん、その訪問のうちすぐに商談(案件)にならないものもあります。商談・案件になった率を可視化していく必要があります。
4:受注率・受注数
最後は案件に対してどれくらい受注出来ているか、その数はどうかを可視化していきましょう。営業によって大きく差が出る指標ですので、各営業ごとに正確な数値を把握する必要があります。
◆営業プロセスを見える化するには?
各営業プロセスの数値見える化がいかに重要かはお分かりいただけたと思います。しかし実際に見える化するには何を行えばよいのでしょうか。数値の見える化の方法をご紹介しておきましょう。
・エクセルやSFAなどのツールを使う
まずはエクセルから始めてみるのが良いでしょう。各営業プロセスに対して、可視化が必要な項目を洗い出し、枠組みを作ってしまえば、あとは定期的に入力をしておくだけです。
予算や人的リソースに余裕があれば、SFAなどのツールの導入もおすすめです。こちらはすでに必要な項目がそろっていたり、フォーマットが出来上がっていたりするので、日々の入力から始めるだけです。SFAによっては、入力した数値をもとに自動でグラフ化してくれるものもありますので、自社に合ったツールを検討してもよいかもしれませんね。
どのプロセスにテコを入れるか検討する
整理した数値のうち、最も簡単に改善できそうな指標を検討します。受注数はすべての指標の掛け算ですので、どこかの数値にテコを入れれば受注数が伸びる計算になります。ですので最も伸びる可能性が高い指標に対してまずはテコを入れていくのが効率的です。例えば、アポ率が2倍になれば単純に訪問及び案件、受注の数が伸びる計算になります。営業プロセスを見直して成果を最大化していくためには、これらの数値を随時レビューしながら、各プロセスにテコを入れ続けていくことが重要なのです。(もちろん、プロセス自体を変えていく事もあります)
ここで注意したいのが、「どの数値にテコを入れるか」です。数値には数と率の2種類の数値があり、一般的に「率」を改善するのは難易度が高いと言われています。
例えば先ほどもあげた、「アポ率を2倍にする」のは言うのは簡単ですが、打ち手としてはテレアポのスキル向上やスクリプト化、ナレッジの共有等、数値を上げる難易度が非常に高く、時間がかかることが分かります。アポ率・案件化率を上げていく、ということは非常に重要な施策ではありますが、すぐに効果を期待するのは難しいかもしれません。
一方で、リストに対するアプローチ数や訪問数といった数の指標は、比較的コントロールしやすいと言えます。リストの数を増やす、リストに対してアプローチする時間を確保してアプローチする数を増やす等、打ち手が明確で打ちやすいものが多いためです。アポ率を2倍にすることと、テレアポによるアプローチ数を2倍にすることは、結果として訪問数は同じになります。
まとめ
このように、プロセスを整理し、現在の数値を棚卸し、どの数値を上げるか考えて施策を実行していく事を繰り返すことが、営業プロセスを見なおしていくことです。特に数値を定期的にレビューしていくための仕組み作りには苦慮される企業様も多いのではないでしょうか。ただ、営業による新規顧客開拓を実現していき成果を上げていくために重要なプロセスですので、是非実践してみてください。
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