【話題】セールス・イネーブルメントを成功に導く4つのステップ

近年話題になっている「セールス・イネーブルメント」。言葉は聞いたことがあるけれど、どんな効果があるのかわからないという方もまだまだ多いのではないでしょうか。
今回は、そんなセールス・イネーブルメントの効果と、成功させるための導入ステップについてご紹介します。
話題のセールス・イネーブルメントって?
「セールス・イネーブルメント」とは、米国で2010年ごろに生まれた、マーケティングや開発など他の部門の業務改革を含めた「営業支援の取り組み」を指します。
まずはセールス・イネーブルメントに含まれる要素について見ていきましょう。
セールス・イネーブルメントに含まれる要素
米国の営業支援・コンサルティング会社RAIN Groupによると、セールス・イネーブルメントには以下の4つの要素が含まれているとされています。
- ・営業支援とコーチング
- ・営業プロセス
- ・営業手法
- ・営業支援ツール・リソース
営業支援・コーチング
最も重要な要素とされています。
ここでいう営業支援とは、営業マネージャーによる、営業パーソンのサポートのことを指します。
営業部門の底上げには、営業パーソン一人ひとりのパフォーマンスの向上が重要です。そのため、セールス・イネーブルメントには営業パーソンのそれぞれのスキルに応じた人材育成や研修、モチベーション向上のためのコーチング等の要素が含まれています。
営業プロセス・営業手法
セールス・イネーブルメントの目的には、ノウハウの取得だけでなく部門やチーム内での営業プロセスやナレッジの共有も含まれています。また営業プロセスを見える化することで、ボトルネックの可視化と改善につなげることも可能です。
営業支援ツール・リソース
営業を効率化するツールの導入もさることながら、その営業ツールを的確なタイミングで使えるようにするのも要素の一つと考えられています。たとえば、商談のタイミングではAという資料を、クロージングのタイミングではBという資料を活用するなど、これまでのデータをもとにサジェストをするのも、セールス・イネーブルメントの一環です。
なぜセールス・イネーブルメントを導入するの?
セールス・イネーブルメントが話題になりはじめた背景には、営業のリソース不足があります。少ない営業リソースで最大の成果を上げるためには、チーム全体の営業力向上が必要です。そのために、注目されたのがこのセールス・イネーブルメントなのです。
それでは、その役割と効果についてみていきましょう。
セールス・イネーブルメントの役割
先に述べた通り、少ない営業リソースで成果を最大にするため、各営業パーソンの技術向上と平準化の実現が急務となりました。これは、従来のSFAやCRMのような営業支援ツールでは実現できない部分です。
セールス・イネーブルメントでは、営業の成果向上や新人の立ち上がり速度などをKPIとして設定することで、その達成のために、サービス知識や商談の場でのトークなどのナレッジ共有や、スキル向上のためのトレーニング、営業マネージャー向けのコーチングプログラムなどを行います。
セールス・イネーブルメントの効果
セールス・イネーブルメントを導入することで、どのような効果が見込めるのかをご紹介しましょう。
- 1、ボトルネックと施策毎の貢献度の可視化
- セールス・イネーブルメントを取り入れる場合、様々な施策毎にKPIを設定します。そのため、どの施策がどれくらいKPIと乖離しているかが分かるので、営業活動におけるボトルネックを明確にすることが可能です。
また、数値で評価することでどの施策が最も成果に貢献しているかも分かるので、より効率的な営業活動を行えるようになります。
- 2、営業力の向上
- 営業パーソンのスキルは、ここに依存しがちです。そこでセールス・イネーブルメントを導入することにより営業パーソンが持つさまざまなナレッジやノウハウをチームや部門内へ共有が進むため、営業部門全体のスキルを向上させることができます。
セールス・イネーブルメントを成功させる導入ステップ
セールス・イネーブルメントをスムーズに導入するためには、次のステップで進めるのが良いでしょう。
1、専任チームをつくる
セールス・イネーブルメントは営業部門だけでなく、マーケティングや開発、人事部門などとの協力が不可欠です。そこで、営業メンバーを中心に、各部門の内情に詳しいメンバーでチームを組むと物事がスムーズに進むでしょう。
現在の業務の見直しや再設計など、業務が膨れ上がる可能性があるので、なるべく専任の担当者を置くことが好ましいです。
2、ゴールの設定と課題の洗い出し
自社の営業部門が目指すゴールを策定します。セールス・イネーブルメントの目的は各営業改善施策がうまく機能し、成果に結びつくことですので、そういった状態をゴールにすると改善を進めやすいでしょう。 ゴールを決めたら、それに愛する現状の課題を洗い出します。その課題についてそれぞれKPIを設定することで、課題に対する進捗を可視化できます。
3、数値の計測とデータの蓄積
2で定めたKPIに対しての進捗を可視化するためには、データの収集が必要です。売上や成果だけでなく、そこに至る各プロセスの数値を把握しましょう。もし、こうした数値の把握が十分にできない場合は、ツールの導入なども検討してください。
4、施策の実行・振り返り
データ計測の体制を整えたら、実際に施策を実行していきましょう。そして、各施策の結果をデータにまとめ、KPIと比較します。KPIと大きく乖離しているようであれば、施策の見直しも必要です。
短期間で営業の業務改善を行うことは難しいと考えてよいでしょう。
この一連の流れを何度も繰り返していくことで、理想の営業組織をつくることができるのです。
まとめ
今回は話題のセールス・イネーブルメントをうまく導入するためのステップをご紹介しました。うまく組織に浸透させることができれば、営業活動をより効率化し、成果を上げることができるようになるでしょう。